毒茄子
レガお君



 ヒマを潰して差し上げる

そろそろ講義の準備を。

講義があるのは7月上旬なんだけど
間は実習に出たりしてあまり時間はない。
5月にもなったしという事で
講義の準備にとりかかる。
まずは文献とばかりに図書室へ。

どっさり本を借りてくる。
「死を看取る」「死ぬ瞬間」「死の教育」
「死に行く患者の心に聴く」
「死と向き合う人の看護」・・・。
全て題名に「死」が入るラインナップ。

それを全部本棚に並べて隣を見ると
「いきいきお産」「産科学」等など
生まれる話ばかり。もう一方の隣は小児科。
母性・小児を担当している
ベテラン教員に挟まれて
本棚に「死」の文字を溢れさせてる若手。
何だか面白いらしく向いの先生はゲラゲラ笑う。

夕方、ふと携帯を見たらメール。何と魚から。
「今日夜ヒマあったら飲みにいくか?」
目を疑ったけど魚からのお誘い。
もう、そんなんOKに決まってるし
万難排して定時で帰らねば。OKの返信をして、
そのメールを機会に景色がピンクになる。
5時半終業だから5時過ぎにはゴミ捨てとか
植木のお手入れとか帰る前の儀式を始めて
チャイムと同時に飛び出した。
そこでまたメール。

「と言ってるうちに上の先生にメシ誘われて
OKしてしもた。すまん。」え?
ムカついて声も出ない。「なにそれー」
と返すのに精一杯で、3歩前までは
意気揚揚と歩いてたのに一瞬でしょんぼり。
しょうがないと言えばしょうがないし
週末に会おうと思ってくれただけでも
嬉しいのは嬉しいけど虚しすぎ。

気持ちのやり場も無く電車で帰宅、
母上と食事に出かける。景色は灰色。
おいしいうどん屋さんに行って
ちょっと気分はマシになったけど
しょんぼりはしょんぼり。
で、帰ってきて駐車場に車を入れたら電話。
どうせタケかなと思ったら魚だった。
これまた意外。

「おお、すまんかったなぁ。もう帰ったか?
帰ったんやったらしょうがないなぁ」
「いや、どうせ今からドライブがてら
ブラブラする予定やってん。」と適当に言う。
「それやったらこっち来るか?
1次会解散したから飲みにいこうや」
という事で、今入れた車をまた出して
家へ戻って着替えて化粧直して出かける。
魚から誘いが来るなんてあまりない事。
チャンスは活かさねば。
先ほどまでの不機嫌はどこへやら。

魚を拾ってこないだ行ったショットバーへ。
またソファが空いてたのでそこへ陣取る。
魚はやっぱり毎日ヒマで
それが苦痛だと愚痴を言う。
平日の夕方に散髪に行けるほどヒマらしい。

あんまり刺激がないようなので
先日の通勤電車で会った小学生の
「ぽっぽっぽ〜ボーブサップ〜」と
歯科学生の「マイケル」の話をすると爆笑。
久々に見る大ウケな魚で、何だかかわいい。
なかなか笑いが止まらなくて
いつまでもクスクス笑ってる。
なーんや、私と同じやん。

田舎暮らしで寂しいのは魚だけじゃなく
他の独身の同僚もみんな寂しがってて
みんなが住んでる職場近辺の寮で
共同でイヌを飼おうという話が出たらしい。
「みんなヒマだから散歩には行けるし」
と言いながら土日は当直に預けるという
非常に身勝手な言い分もあり。
で、何が飼いたいのかと聞いたらチワワ。
大の大人の男がみんなでチワワ。

だいたい共同でイヌを飼って、
飼われたイヌは寝床が日替わりで
相手も日替わりになるとなつくわけないし
イヌは自分の中で対象を
勝手にランク付けするって言うから
みんなでイヌの態度の話をしだすと
なつかれてる奴とナメられてるやつが
一目瞭然になるかもという可能性がある。
それはそれで面白いけど。

2時間ほど飲んで魚宅。
相変わらずの散らかりっぷりで畳が見えない。
ここにチワワが来たら、多分踏み殺す。
今日は私がいるからヒマはせずに済んだ魚。
結局、新しい魚宅で初めてのお泊り。
酔いが覚める所でブルブル震えながら寝る。
抱き枕してもらうとちゃんと震えは止まる。

畳にふとんは、ちと硬い。

2003年05月02日(金)



 テープで作る整形失敗顔

阪神調子良すぎ。他が不甲斐ないのか?

5月はマンソンの新譜が出て
イースタンユースのライブの翌日に
シティーボーイズ見に行って
エミネムの映画も始まって
新しいレガおの内見会もあって
実習も始まるという盛りだくさんの月。
友達主催のバーベキューもあるし。

そう、ついにレガシィがフルモデルチェンジ。
色々雑誌に予想イラストが載ってるけど
スバルから届いた内見会の招待状に
勿体つけた写真が載ってる。
何となくの輪郭しかわかんないけど
フロントビューは大きく変わってなくて
今回はどうやらリアに変化がありそう。
問題のスペックは全然わからないけど
今回もぱっと見て「レガシィだな」と
ちゃんとわかる形になってるみたい。
買う気も予算も無いけど見てこなくっちゃ。

4月半ばから目下のお仕事は
上の先生を手伝って歯科衛生学科の
看護学演習のお手伝い。
今日は注射器の取り扱いと注射の準備。
去年、学生にアンプルをカットさせたら
アンプルと一緒に手も切りまくったらしい。
学校来てケガしてもらっても困るんだけど。

注射器を扱うとなると針の扱いも必須。
使う器具からして医療業務の典型とあって
学生は興味津々。
で、そのまま熱心に演習が進むと思いきや
それは大間違いだった。

各班ごとにメンバーが4人。
みんなで一斉に実技(シリンジを準備して
アンプル切って溶解液を吸って
バイアルを開けて中身を溶かして
またシリンジに吸ってボトルに混注)
をすると指導も行き届かないし
備品も沢山いるので各班1人ずつの挑戦。

となると手が空いて遊び始める学生有り。

最初はキャアキャア騒いでるだけだったのが
それにも飽きたのか固定用テープで遊びだす。
テープを切って鼻の頭に貼って
そのテープを持ち上げておでこに貼る。
芸能人で言うと「研ナ〇コ」状態なんだけど
その子は「マイケル・〇クソン!ポゥ〜」
と言って踊り出す。

ダンスは結構上手いんだけど
顔もなかなか似てる。
やってる学生は女の子でしかも20歳前後。
キレイに化粧してるのに平気で
顔にテープ貼ってマイケルになれる。
若気の至り以外の何物でもない。

面白すぎてお腹抱えて笑う。
あんまり私がウケるとその学生は
きっと調子に乗るんだろうなとは思ったけど
笑いは止まらない。
が、そんなマイケルを遠めに見ながら
眉をひそめてる学生もいる。

「演習中やのに。あんなんやから
歯科はアホやとか言われんねん。」
で、私を見つけて「先生、
皆あんなアホやと思わないで下さいね」と言う。
まぁ、遊んでるヤツは遊んでるヤツとして
こうやっていい子ぶる学生も
それはそれで可愛くない。

人生にユーモアは必要だが捨て身でなくて良い。


2003年05月01日(木)
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