毒茄子
レガお君



 戴帽式は必要か

看護の日。

喉が痛い。頭重い、食欲ない、鼻水も出る。
どうやらちゃんと風邪をひいたらしい。
魚にもらったトランサミンを飲みながら
これで熱が出たら抗生剤やなぁと。
朝ご飯をむりやり押し込んで
通勤電車の中でも爆睡。

頭はボケボケでまったくやる気なし。
ちょうど学会の申込書が届いてたので
それを書き上げてお金の準備をして・・・
と、午前中はそれだけしかできなかった。
まわりの先生はみなさん実習前で
忙しそうに準備をしてる。

それでも何とかお昼になって
弁当を食べたら味はわかる。
が、醤油とか酢の物とか調味料が喉にしみる。
しまいめにはご飯飲み込んでも痛くなってきて
うんざりして食べるのをやめる。
トランサミン、使えん奴め。
っていうか最初から抗生剤飲めって?

午後からレギュラーコースの戴帽式を見学。
私たちの学校は戴帽式はなし。
生協に届いたキャップをもらって
名簿に受領印を押してそれでおしまい。
ナースキャップ廃止への流れから
戴帽式もなくなりつつあるところで
うちの学校のこの学年は
戴帽式にものすごく拘ってて
準備からかなり熱が入ってたらしい。

私もせっかくの行事だからと見学させて貰い
式次第を見て、流麗な手書きの文字に驚く。
で、中にあったナイチンゲール誓詞は
初めてまともに見る文言で
ナイチンゲール賛歌に至っては
今日初めてその存在を知った。

私はものめずらしさ全開で
「へぇー、ナイチンゲール誓詞って
こういう内容だったんですね」とか
「ナイチンゲール賛歌って
わざわざ歌まであったんですねー」とか
無知にも程がある事をしゃあしゃあと言う。

それを見たベテランの教員が
「へぇー、知らないってそんなご時世なのー」
とまた驚いてる。
看護単科の短大を出た先輩は
戴帽式はなかったものの
卒業式でナイチンゲール誓詞を読んだらしい。
うー、そんなもの覚えなくたって
立派に臨床勤めてたぞー。
脈々と受け継がれる「看護覚え書き」も
「買わされた」けど読んでない。
うちの学校は併設の大学と合同の卒業式だから
看護向けの「何か」は全くなしで
燭台つきのナイチンゲール像はあったけど
ただの置物で一生ガラスケースの中。

だいたい、誓詞も賛歌も
人のために尽くすとか殉情だとか奉仕だとか
そういう古臭い言葉があちこち出てきて
看護を純粋な職業で自己実現だと
捉えてる私にはいまいち馴染めない。

今回はナイチンゲール誓詞を元にして
学生が自分たちの言葉で練り直した
誓いの言葉を述べてた。
そっちのほうがよっぽど
思いも伝わるし人間味があっていいと思う。
戴帽式が終わってから、
上の先生や部長に声を掛けられて
式の感想を聞きたいという。

いちおう世間の流れも鑑みて
戴帽式を続けるかどうか検討中らしい。
で、色んな人に意見を聞いてる。
本音で言えばどっちでもいい。
が、今回みたいに看護に対する姿勢を
自分たちの誓いの言葉として確認したりという
前向きな収穫があるのなら
とてもいい機会だと思う。
学生以上に父兄に人気の行事かもしれない。

厳粛なお式なので正装は白衣で
風邪ひきの私といえども
カーディガン着用は許されない。
おまけにキャンドルサービスをするから
分厚いカーテンが閉め切られて日の光も入らない。
寒い講堂に半袖白衣で小一時間。
終わる頃には悪寒から熱感。ヤバし。

定時で逃げて帰るのに駅まで歩くのもしんどい。
電車の中でゲホゲホ咳をして、
ハンカチで鼻水をおさえて家へたどり着く。
で、熱をはかったら37.4℃。あちゃー。
魚は風邪ひいてても熱は出てなかったのに。
あ、でも部屋に体温計落ちてたな。
ありがたくない頂きもの。
でも魚からもらったモノだから
いっそのことじっくり育ててみようか?

捨て身の変態。

2003年05月12日(月)



 男の肩書き

雨の音で目が覚める。

本日いちおうバイト予定の魚。
目覚ましで起きるも「さむいな」と言って
隣の部屋から掛布団を出してくるから笑う。
で、また布団にくるまって2度寝。
外は雨がザーザー降ってて出かけるのが億劫。
昼ぐらいまで一緒にいられたらいいなと思う。

結局昼までウダウダと過ごして
魚にバイトの仕事がないと判って
今日はまる一日ヒマになる。
さらにダラダラとTVを見て「昼飯行こう」
と言われてお支度に入る。
一緒に歯を磨くと照れくさい。
魚がヒゲを剃るのをシゲシゲと眺める。
何だか、「お泊りした」という実感がグっと。
といいながらもう、添い寝歴1年以上。

何故か魚宅には傘がなく、一緒に私の傘に。
魚が傘を持ってくれて
それにくっついて歩くのが嬉しい。
お昼は昔から美味しいと評判の
魚が通ってたお店に連れて行ってもらう。
運転はずっと私だから魚はまた昼間っからビール。
完全にダメ人間モードだけど
お休みで緩みきってる魚を見るのが結構好き。

そこの店に「洋風おじや」というのがあって
ホワイトソースみたいなスープで
ベーコンとかが入ったおじやになってる。
魚が少しわけてくれたけどすごく美味しい。
ちょうど、ゲレンデの食堂で
こういうメニューあったら最高やなと言ったら
魚も大いに賛同。
「おじや」をしょっちゅう「おやじ」「おやじ」
とベタな呼び方にする魚は
結局店の人に「おやじ」とは言えず。
中央区なのに店の軒先にツバメの巣を発見する。

そこで「ヒマやなー、何しよう」という話になって
とりあえずマイルCSを買いに行く。
で、2人でオヤジにまみれて馬券を買って
あっさり外して言葉も無くまた雨の中。
そこからハーバーへ。
魚がPC用のピッチが欲しいというから
ソフマップへ行く。

ハーバーのソフマップといえば古巣の人間も
魚の先輩・後輩・友達もウロウロしまくってる。
あえてそこへ2人で行くスリル。
魚はどう思ってるのかしらないけど
私はまた悪い癖で色々考える。
堂々と出かけるなんて、あっさり「友達」とか
言っちゃえるからなんだろうか???

日曜とあって店員さんの勧誘もしつこい。
店員さんと話すとき、たいていタメ口の魚。
今日も若い子相手にポンポンとモノを言う。
堂々としてるよりは子供っぽく見える。
で、考え込む魚を見た店員は何を思ったか私に
「ねぇ〜押して下さいよ〜」って。
そんな筋合いはサラサラありませんことよ。

後はゲーセンにつきあって、
結局魚がしたい事に一日ついてまわった私。
多分魚1人で過ごしてもこんな感じの休日で
何だか観察日記みたいで楽しかったりもする。
スタートが遅かったのですでに夕方。
一緒に行きつけだった居酒屋へ。

競馬用に魚と買った新聞に載ってた記事
「女性は僕の肩書きを見て態度が変わります。
あからさまにチヤホヤされたりしてると
彼女達は僕の肩書きにしか
魅力を感じてないんだなぁとイヤになります。
結婚なんてできそうにありませんBy司法書士」

それを見た魚のコメント
「男は肩書き込みでなんぼやろ」なるほど
「自分は性格が悪い」と開き直れる魚ならでは。
そういう強さがない奴は
勝手に自意識で潰れればいいし
肩書き意外に魅力を感じない女が悪いのか
本当に肩書に勝る魅力を出せない男が悪いのか。
肩書きに群がる女のせいにしながら
肩書き以上の魅力を磨く努力をしてない
ちっさい男の言い訳のように聞こえる。
そういう奴ほど本音では肩書きに拘ったりして。

自分が努力して手に入れた肩書きなんだから
自分の長所なんだと堂々としてればいい。
それに甘えすぎれば、周りはちゃんと見破る。
まぁ、魚ほど強気に出た場合
それはそれで鼻につくときはあるんだけど。
→どっちやねん。

まるまる2日一緒にいたから
取り立てて話すネタも尽きる。
それでもまったりごはん食べて飲んで。
先週から喉と鼻の調子が悪い魚。
今朝から私も調子が悪い。特に喉。
風邪が感染ったのかな????
私は魚の週末を丸ごともらって、
おまけに風邪もついてきた。
魚はいちおう心配してくれて薬をくれる。

ずっと一緒だった週末もおしまい。
別れ際、魚は「おお、はよ風邪治せよ」
「帰り捕まるなよ」「気をつけてな」
いつもより沢山言葉をくれて嬉しい。
週末に何も予定のない魚なんて多分珍しい。
私と一緒にいたいと思ってたかかはわかんない。
でも、暇つぶしの相手でも一緒にいられるのが
本当に嬉しい。

それって、本質的には独り善がりなんだけど。

2003年05月11日(日)
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