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■ 男子学生の泣き顔
ついに実習デビュー。
古巣で働いてた時より ちょっとだけ遅い時間に出勤。 駐車場にレガおを置いて更衣室へ。 違和感なんて全く無くて そのまま病棟に上がっていけそうな気分。 朝一番で部長室にご挨拶。 改まって自己紹介すると笑われる。 「お久しぶりです。えらく畏まって 忘れたと思ってるの?」 学生はカチコチに緊張してる。 上の教員と一緒に行動計画に目を通す。
9時前になって控え室から病棟へ。 バタバタしてる雰囲気が懐かしい。 病棟は今とても忙しい時期らしく 婦長がポータブルトイレ持って走ってたりする。 患者さんの紹介とかして欲しいけど なかなかタイミングがつかめない。 病棟が忙しい時期に当たると スタッフはなかなか捕まらないし 捕まってもつっけんどんだったりで 学生がそれにいちいちビクビクする。 そこのフォローが大変。
しかも受け持ち患者のひとりが本日ムンテラ。 時間はお昼の間で治療の評価を伝える予定。 で、その内容といえばかなり厳しい。 精神面を援助するにあたっては シビアなムンテラなんて本当にハイライト 何とか昼までに患者さんを紹介してもらって 学生と患者さんと顔合わせして ムンテラに同席する所までこぎつけたい。 ・・・見事成功。
で、ムンテラが始まって学生は ムンテラ内容を記録するのではなく ムンテラを聞いてる患者さんを観察できてる。 よしよし。 厳しすぎるムンテラが終わって 患者さんが部屋から出る。 学生は違うドアから出る。 患者さんと奥さんが部屋へ帰るのに 学生はついて行こうとして立ち止まる。
がんばれ!そこで引いたらもったいない。 ムンテラの後ほど患者さんの感情が見えやすく タイムリーに気持ちを聞ける機会はない。 ただ、そこにとどまって患者さんと向かい合うのは とても重くて辛い場面になる。 スタッフですら何となく声を掛けづらい場面で 学生は見事に踏みとどまって 部屋までついて行って座り込んで話し始める。 今までの実習では患者さんと ゆっくり話した記憶がないというこの学生。 いいかんじやん。
が、なかなか帰ってこなくて 何度か様子を見に行くんだけどずっと坐ってる。 30分ほどして帰ってきた学生は目が真っ赤。 私と同い年の男子学生の泣き顔に驚く。 ウルウルなんていうレベルじゃなく 普通に泣いた後の顔で 患者さんにもらったティッシュを握ってる。 患者さんと奥さんと学生と、3人で泣いたらしい。 「学生が」というより「同年代の男が」泣く と言う場面に出くわしたのは初めて。 去年から彼と接している上の教員も 彼の涙は予想外だったらしくびっくりしてた。
泣いた学生にも驚きながら、 同じグループの学生にも驚く。 ちゃんとフォローしあう。 「〇〇君が辛い話を聞いてくれて 患者さんも奥さんも心強かったと思うよ」 何もいえない子もいるけど、心配そうな顔をして 新しいティッシュを差し出す。
実習初日にしてものすごい場面に出くわして とても揺さぶられる体験をした学生。 学びや気づきのタネはたくさんある。 それをどれだけ引き出せるか。 進学コースの学生は勤務経験があるぶん つながりだすと本当にものすごい進歩がある。 その変化に私も感動する。
昼休み、エレベーターで古巣の患者さんに会う。 一瞬にして茄子モードに切り替わって話すのを 学生があっけにとられて見てる。 患者さんは自分の入院してる階で降りず 私たちが向かう上の病棟までついてきた。 患者さんはひたすら調子よく喋って 「それではみなさんレガおさんを見習って しっかりお勉強してくださ〜い」 と好きなこと言って消えていく。 ちょこっと嬉しかったりもする。
古巣の先輩2人に会う。 面白がって「先生、先生」と連発する。 ナースキャップがやはり目につくらしく 散々いじられる。 まだずっと病棟に張り付いてるから 技師や医者にはほとんど会ってない。 しばらくはイジられ役。
一日終わって、家へ帰るなり眠くなる。 何だかんだ言って緊張してて 糸がきれたのかかなりぐったり。 きっと学生はもっとぐったりしてる。 がんばらなくっちゃ。と言う事で、22時就寝。
学生にバレたらしばかれる。
2003年05月20日(火)
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