毒茄子
レガお君



 講義デビュー

今日はついに講義デビュー。

相手は自分が担任してる学年なんだけど
実際一番接点が多いのは実習中の3年生。
朝から気合入れて化粧して
上下スーツでビシっとお出かけ。
午前中は気を紛らわせるべく
2回目の講義の準備に専念。

あっという間にお昼になる。
緊張はどこへやらでランチ完食。
周りの教員に笑われる。
講義は14時半からで14時頃から
挙動に落ち着きがなくなる。

いいタイミングで実習打ち合わせに出かける
2年目教員が「レガおせんせ、頑張ってね」
ととっても可愛く言って下さった所から
急に緊張してくる。
暑苦しくてスーツの上着なんて着てられないし。

前の時限の終業チャイムが鳴って
トイレに行く事すら思いつかず
レジメの確認をしてたら始業チャイム。
「行ってきます!」と一応元気に教員室を出るも
エレベーターを使うのを忘れて階段で上がる。
ただでさえ緊張で心拍が上がりそうなのに
階段のしんどさで余計ドキドキする。

ご挨拶をして話し始めると声が裏返る。
どのぐらいの声の大きさで喋っていいかも
良くわかんないから余計に変な声の出し方。
当然喋り難いからレジメに書いたことを
読むだけで噛んでるし。ださー。

緊張で何から喋っていいか飛んじゃって
病棟のカンファレンスで計画発表をする学生の
緊張感ってこんな感じかなと身をもって知る。
15分ほどして落ち着いて
我に返って教室を見回したら・・・。
もう寝てるヤツがいる。

彼らは20代前半の男子学生3人。
テストは丸覚え、丸忘れで
成人慢性期やがん看護などに象徴される
「簡単にはマニュアル化できない看護」が
退屈で難しくて面倒臭くて・・・ずっと寝てる。
申し送りは受けてたけど見事。
それこそ術後急性期とかこういう場合はこうする
とか結果がすぐにハッキリする内容では
それなりに興味を持って聞いてるらしい。

で、「正しい答えはない事が多いけど
その深みや複雑さがが面白い」のがターミナル。
自分の頭で考えて看護を創るっていう
究極に面白い過程をどーにか伝えたいんだけど
力はなかなか及ばない。
徹底的に自分が出逢った患者さんと
経験した事を武器に喋ると
起きてる学生の反応はいい。

寝てる学生が一瞬目を覚ましたのを
ちょうど見つけて当ててやる。
症状コントロールが悪くてイラつき
気が短くなった患者の対応にしても
「うわー苦手」って、何とかしてやろうと言う
チャレンジ精神はないのか?
しんどい事を避けてばかりという状態では
そりゃあ成績も悪い。

家族の面会が少なくて寂しさから
依存的になった患者に
食事介助をして欲しいと言われたら?
「そんなん、なんでせなあかんの?」
食事介助そのものよりもその裏にある
患者の気持ちに焦点が当たらない。前途多難。
その状態をたった2コマの講義で覆せるか?

あっという間に90分なんて済んでしまった。
気がついたら喉がカラカラ。
最初はかみまくりだったけど
途中から色んな患者さんの
事例を挙げだしてからは
結構なテンションで喋ってた。
話しながらその事例の患者さんを思い出して
そっか、みんなあの世から見てる。
「ワシをネタにしとるな〜」って。

寝てる学生は最後まで寝てて
起きてる学生はそれなりに真面目に聴いてた。
さて、これをどう評価しよう?
廊下を見たら今まで一緒に実習した3年生が
何人か集まって様子を見てる。
「先生、なかなかサマになってるやん」って
最初の15分を見られてなくて良かった。

看護を語るのって楽しい。
ましてや自分がハマったターミナルだし
それを生き生き語れるっていい仕事だと思う。
普段やってることを言語化して
しかもわかりやすく伝えるのって難しい。
語彙ひとつで全然伝わり方が変わる。
これまた深くて創造的で楽しい。
あの3人、次は起こして聴かせてみせる。

何だか、ヘンな燃え方。

2003年07月07日(月)



 エサ

昨夜しっかり飲んだ割には7時起床。

一日講義の準備で過ごす。
飽きもせずにPC前に坐ってる私に親が呆れる。
だって、PCないと仕事できないのに
何だかヌケてるわねぇ。
元々臨床にいた頃から私の仕事については
いまいち把握できてなかったフシのある親。
教員となれば尚更かね。

学会とお出かけの区別もついてないし
届いた雑誌も私の「仕事のネタ」とは思ってない。
「本ばっかり買って節約はどうなってるの」って
本を買わない教員って???
まぁ、素人とはこんなものでしょうか。

お昼に友達が送ってくれた讃岐うどんを食べる。
最近のうどんブームで有名店のうどんが
「うどんセット」になってて
香川まで行かなくても一応手に入る。
素人(自分)がゆでるとか打ち立てじゃないとか
ハンデはあるものの雰囲気は味わえる便利モノ。
うどん好きの魚と食べようと思って
温存してたけど知るもんか。

で、この手のうどんは1パックが2人前。
親はコシの強いうどんがダメで
一緒には食べられない。
だから1人で1パック丸々食べる事になるんだけど
途中でおなかがしんどくなってくる。
コシが強いから噛んでると余計におなか一杯。
「一緒に食べる人がいたらなぁ」
と何だか辛くなって逆効果。

夕方まで仕事してフランスGPに備えて速メシ。
予選の結果見てイライラしてたけど
レースもイライラ。
まぁ、ライコネンより前で終わったから
結果的には万・万歳なんだけどパッとしない。
どーにかしてよ、ブリヂストン
思いっきり差ついてるやん。
先が思いやられる。
にしてもウィリアムズは本当にお見事。
今年のフェラーリは多分
コンストラクターズは無理ね。

夜、高校教師から初メールが来た。
出張から帰ってきて、「また遊ぼう」
というメールだった。
初メールだったのでアドレスを登録する。
今まで50音順のアドレスで
〇行では魚が一番だったのが
魚の上に高校教師が来た。よしよし。
アドレス開ける度にまず魚の名前が来るのは
あんまり気分良くなかったし。

私が明日の初講義で緊張してると言ったら
「緊張するやろうけど、頑張ってな」
と返事をくれる。
こういう普通のキャッチボールができるだけでも
何だか気分良くなってしまう私。
キャッチボール以前に、いさお君や魚には
「初講義です」というネタも提供してない。
魚はどうせ無視で、返って来たとしても
自分の言いたい事だけ返って来るだろうし
いさお君の答えも多分トンチンカン。

高校教師は日本酒飲みで私も日本酒飲み。
出張先でおいしいお酒を買ってきてくれて
「また一緒に飲もう」って魅力的なエサだこと。
買ってきたお酒を一緒に飲もうって
そうするためには部屋に行かなくちゃいけない。
男の人の部屋でお酒飲んじゃったら・・・。
そう簡単には行くものか。

と言う事で明日はついに初講義。



2003年07月06日(日)
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