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■ 講義デビュー
今日はついに講義デビュー。
相手は自分が担任してる学年なんだけど 実際一番接点が多いのは実習中の3年生。 朝から気合入れて化粧して 上下スーツでビシっとお出かけ。 午前中は気を紛らわせるべく 2回目の講義の準備に専念。
あっという間にお昼になる。 緊張はどこへやらでランチ完食。 周りの教員に笑われる。 講義は14時半からで14時頃から 挙動に落ち着きがなくなる。
いいタイミングで実習打ち合わせに出かける 2年目教員が「レガおせんせ、頑張ってね」 ととっても可愛く言って下さった所から 急に緊張してくる。 暑苦しくてスーツの上着なんて着てられないし。
前の時限の終業チャイムが鳴って トイレに行く事すら思いつかず レジメの確認をしてたら始業チャイム。 「行ってきます!」と一応元気に教員室を出るも エレベーターを使うのを忘れて階段で上がる。 ただでさえ緊張で心拍が上がりそうなのに 階段のしんどさで余計ドキドキする。
ご挨拶をして話し始めると声が裏返る。 どのぐらいの声の大きさで喋っていいかも 良くわかんないから余計に変な声の出し方。 当然喋り難いからレジメに書いたことを 読むだけで噛んでるし。ださー。
緊張で何から喋っていいか飛んじゃって 病棟のカンファレンスで計画発表をする学生の 緊張感ってこんな感じかなと身をもって知る。 15分ほどして落ち着いて 我に返って教室を見回したら・・・。 もう寝てるヤツがいる。
彼らは20代前半の男子学生3人。 テストは丸覚え、丸忘れで 成人慢性期やがん看護などに象徴される 「簡単にはマニュアル化できない看護」が 退屈で難しくて面倒臭くて・・・ずっと寝てる。 申し送りは受けてたけど見事。 それこそ術後急性期とかこういう場合はこうする とか結果がすぐにハッキリする内容では それなりに興味を持って聞いてるらしい。
で、「正しい答えはない事が多いけど その深みや複雑さがが面白い」のがターミナル。 自分の頭で考えて看護を創るっていう 究極に面白い過程をどーにか伝えたいんだけど 力はなかなか及ばない。 徹底的に自分が出逢った患者さんと 経験した事を武器に喋ると 起きてる学生の反応はいい。
寝てる学生が一瞬目を覚ましたのを ちょうど見つけて当ててやる。 症状コントロールが悪くてイラつき 気が短くなった患者の対応にしても 「うわー苦手」って、何とかしてやろうと言う チャレンジ精神はないのか? しんどい事を避けてばかりという状態では そりゃあ成績も悪い。
家族の面会が少なくて寂しさから 依存的になった患者に 食事介助をして欲しいと言われたら? 「そんなん、なんでせなあかんの?」 食事介助そのものよりもその裏にある 患者の気持ちに焦点が当たらない。前途多難。 その状態をたった2コマの講義で覆せるか?
あっという間に90分なんて済んでしまった。 気がついたら喉がカラカラ。 最初はかみまくりだったけど 途中から色んな患者さんの 事例を挙げだしてからは 結構なテンションで喋ってた。 話しながらその事例の患者さんを思い出して そっか、みんなあの世から見てる。 「ワシをネタにしとるな〜」って。
寝てる学生は最後まで寝てて 起きてる学生はそれなりに真面目に聴いてた。 さて、これをどう評価しよう? 廊下を見たら今まで一緒に実習した3年生が 何人か集まって様子を見てる。 「先生、なかなかサマになってるやん」って 最初の15分を見られてなくて良かった。
看護を語るのって楽しい。 ましてや自分がハマったターミナルだし それを生き生き語れるっていい仕事だと思う。 普段やってることを言語化して しかもわかりやすく伝えるのって難しい。 語彙ひとつで全然伝わり方が変わる。 これまた深くて創造的で楽しい。 あの3人、次は起こして聴かせてみせる。
何だか、ヘンな燃え方。
2003年07月07日(月)
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