毒茄子
レガお君



 望みどおりの玩具

実習2週目。

何だかあっという間にここまで来て
3週目は正味2日だから焦る焦る。
今日は看護計画の発表の日で
学生は朝から緊張で固まってる。
おまけにスタッフに見てもらう膨大な資料を
コピーしたのはいいんだけど
それを仕分けてホッチキスでまとめてると
ものすごい時間がかかる。

その時間がもったいないから
私がやることにしたんだけど
狭い詰所に沢山の書類を広げるスペースもなく
あちこちで邪魔者にされる。

学生の受け持ち患者69歳。
週末にちょっとヘンな言動があったらしい。
弟が部屋に入ってきてTVの後ろに入ったとか
夜中にガスが撒かれたと
病室のドアに中からつっかえ棒をしたとか。
婦長さんが気になるからと朝一番で
わざわざ口頭で教えてくださる。

ドキドキしながら学生と一緒に行って見ると
今朝の患者さんは別に変わった様子もなく
穏やかに挨拶してくださった。
「その時」にどんな感じだったのか
把握しておこうと詰所に戻って
学生と一緒にカルテを繰る。

・・・。何も書いてない。
一緒に便失禁があったらしいけど
それすら書いてない。
という事で何も分からない。
だから明日来たスタッフに伝わる事もない。
いちおう申し送りは廃止という事らしいけど
それでこの記録の内容の薄さで
本当に継続したケアが提供できるとは思わない。

それだけじゃない。
医者の治療方針も前回の入院の記録も
外科から転科してきた患者の外科での経過も
カルテを見ても何も分からない。
他科カルテは分冊になってるんだけど
患者さんはひとりなんだから
全部つなげてその人を丸ごと観るという
基本の視点がすっぽりと病院ぐるみで抜けてる。
だんだんイライラしてくる。

運動負荷の指示はOP後から3週間一緒で
変更の記録がなく実際変わってないみたいだとか
未告知の患者への統一した説明内容も不明。
血糖チェックの間隔が独特な患者で
その間隔の根拠もどこからも分からない。
だからスタッフにきいたら
「どうなんやろうね、先生に聞いてみるわ」
って、それで仕事に困らないのか?

何とか仕事を終わらせてディーラーへ。
着くと駐車場にヴィヴィオと新型レガシィ。
どっちが代車かで天国と地獄という状況で
サービスの人が案内してくれる。
「お車準備しております」と言われて
後をついて行きながらドキドキしてると
「レガシィをどうぞ」ってやったぁ。

先方の保険屋に代車の相談をされて
「レガシィかインプレッサにしか
乗った事がないので他は困ります」とか
好き放題言ってたけど、言ってみるものね。
目論見どおりでかなりゴキゲン。
私がメチャクチャ嬉しそうな顔をしたのを見て
「ターボはついてないですよ」って念を押される。

この際どっちでもいいのだ。
ブラックメーターじゃないけど
エアコンやオーディオ周りの内装は
全然見劣りしなくてかっこいい。
もちろんクラクラするほどの新車のにおいだし。
新車のレガシィ、レンタカーで借りたらいくら?

本当に静かで、ウインカーも点いてるのを忘れる。
ハンドリングも機敏なんだけど
それって私のレガおのズルズルタイヤと
比べるのが悪いのかもしれない。
もう、無意識にアクセルを
3000rpmまであけるんだけどそこはやっぱりNA。
何も劇的な事は起こらなかった。

軽量化と低燃費を売ってるだけあって
センターのディスプレイに燃費が出る。
NAだけど街乗り12キロってマジっすか??
やっぱりどんどん進化してる。
しかもガソリン満タンにしてくれてて
これは走れということよね。
という事でバイパスへ出向くも渋滞。

1泊2日の代車ならもう晩御飯抜きで走るけど
今回は1週間弱、ゆっくり遊べる予定なので
今日のところは撤収。
家の前で写メールを撮って
浮かれ丸出しの内容で高校教師に送りつける。
1週間限定の私のおもちゃだ。

堪能しなくっちゃ。

2003年09月09日(火)



 お風呂で教えてあげる

週があけて。

朝からバタバタしっぱなし。
学生がレポート出しに来て
実習でいなかった間の事務処理をして
回覧もいっぱい回ってきてて
1年生の技術演習のお手伝いをして
何が何だかもう。

ベテラン教員がひとり帯状疱疹で
ゾビラックスの点滴持参で出勤。
臨床ブランク最短ということから
その点滴係に任命されたのだけど
かなりふくよかな体型なので
血管なんて浮いてない。
腕の見せ所なんだけど相手が先輩。

みんな悩む腕みたいであちこちに内出血。
オーソドックスな肘はつぶされてて
結構好きな手首近辺も使用済み。
何とかしなくっちゃの場面で
ぎゅうぎゅうに腕を縛って
久々に前腕のまっすぐなところで探り当てる。

先輩は失敗されてるので
何も見えないところを私が探り出すと
露骨に心配そうな顔をする。
唯一の救いは私が看てた患者さんより若くて
ケモで血管が傷んでない。
何とかルート確保成功。

いい気分に浸ってたら学生がレポートを提出。
ひとりアタマA4にびっしりのアセスメントを8枚。
それが5人。理想は今日中に見て
明日返却してさっそくそれで計画。
って、寝るなということですね?

とてもじゃないから家に持って帰って
部屋で紙の束を眺める。
とりあえずご飯を食べて・・・逃避が始まる。
PC触って新聞読んで・・・さらに逃げる。
で、もういいやと開き直って
お風呂に入ってたら母親が来た。
「学生さんから電話がかかってる」
って、私はスッパダカなわけで。

子機を持ってきてもらってお風呂で喋る。
声が響いて変な感じ。
学生は必死でそんな事には気づいてなくて
色々喋った挙句「先生は進んでます?」
「・・・お風呂入ってるねん。」

頑張らなくっちゃしょうがない。
エビスはお預けで紙をめくる。
字が小さいから目がショボショボしながら
目薬さしながら途中半分寝ながら
何とか3人チェックして力尽きる。
時計見たら1時。
久しぶりにここまで頑張った。
明日はレガおの入院日。気になる代車は?

もちろん夜はドライブよね。

2003年09月08日(月)
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