毒茄子
レガお君



 思い出をわけてもらう

朝から外で大きな声。

高校教師宅の近くの公園で
何やらイベントがあるらしく
朝からマイクで「あーあー」という声と
ハングル?が聞こえる。
カラオケか何か知らないけど
途中から誰かが歌いだす。
高校教師によると
「今日は多分一日唄いまくる」らしい。

で、奴の顔を見てびっくり。
昨日以上のヒゲ面で、ものすごい。
もともとヒゲが濃いんだけど
金曜の朝に剃ったきりの無精ヒゲで
今日一日剃るつもりはないらしい。

新型レガシィお披露目会を兼ねて
高校教師が卒業した大学方面へ。
まずは近くのコスモス畑へ行く。
道中、高校教師は通学を思い出して
嬉しそうにキョロキョロしてる。
コスモス畑は満開には遠いけど
本当に一面コスモスで結構背丈が高い。
高校教師は胸から上が見えるけど
私は完全に立ってても隠れるから驚く。

あぜ道で座ってのんびりして
高校教師がこっちジロジロ見てるから
何かと思ったら「目、どないしたん?」
紺色のマスカラが透けて
真っ青に見えるらしいんだけど
結構細かいところ見てるのね。

大学へいってキャンパス内探検。
高校教師が卒業したのは5年前。
当たり前のように建物の中に入って行くから
ドキドキしながらついていく。
よく溜まってた教室、研究室、ロビーと
あちこち案内してくれる。
馴染みの教授の部屋に行って
そこで院生に間違われて嬉しがる
29歳目前のヒゲ男。

出会ってすぐの頃から高校教師は
大学時代の楽しかった話をよくしてくれた。
元々女子学生の多い学校で、
女友達の話もよく出てくるから
私にしたら面白い反面
知らない時期の事を言われると
ちょっとジェラシーもあったりする。

写真で見せてもらった景色が
目の前に広がってて
そこで大学時代とあんまり変わらない
高校教師がウロウロしてる。
私もタイムスリップしたみたいな気分。

それを知ってか知らずか
構内を解説つきで詳しく案内してくれて
ちょっと気分が楽になる。
広い構内をウロウロして
庭の池のそばに座って
またいつものように二人で呆ける。

私は金魚の群れに夢中で
高校教師は昼寝。
枝で水面を叩くと
その「ぱちゃぱちゃ」が金魚を刺激するのか
あちこちから金魚が寄ってきて
飛ぶわ跳ねるわの大騒ぎ。
それが面白くてやめられず、
ほとぼりを冷ましては
枝で金魚を集めるのを繰り返す。

あっという間に日が暮れかかったので撤収。
高校教師にレガシィを任せてみる。
大学時代は軽4に乗ってて
後はバイクだけという紙ドライバー。
恐る恐る構内を回って公道へ。
結局帰りは全部運転してもらう。

近くの公園のお祭りをのぞいてみる。
韓国系のお祭りで夜店が出ててるから
チヂミとか変わったものがあれば
買って帰って食べようと思ったら・・・。
メニューが全部ハングルで解読不能。
やたら民族衣装風の人が多いと思ったら
本当に韓国人のお祭りだった。

帰り着いてTVつけたら
ちょうど甲子園は9回表で同点。
そこからのサヨナラ劇で
タイミングが良すぎる。
見事に試合には勝ったけどヤクルト待ち。
おかげでTV前から動けなくなる。

胴上げ待ちで柔道見てたら学生から電話。
記録を書く相談にのった後
「先生、何してるの?」って
「彼氏の腕の中で胴上げ待ちの柔道見てる」
とはさすがに言えず、適当に濁す。

7時半ごろに優勝が決まって
そこからはお祭り騒ぎ。
あちこちの特番をはしごして見る。
18年ぶりという歴史的瞬間で
しばらく、こういうのはないだろう。

またいつか阪神が優勝したとき
前の優勝の時は何してた?
とかいう話になったら
きっと高校教師を思い出すのかな?
その時私の隣には誰がいるんだろう。

ヒゲ面の大男希望。

2003年09月15日(月)



 酔娘

見事な秋晴れで。

新型レガシィで高校教師宅へ出発。
初の高速だけどやっぱりNAで
「料金所ダッシュ」とか
私の好きな「上り坂カーブで全開加速」
が全然物足りない。
走ってて不自由はないけど
面白くはないというのが正直な感想。
乗ってみたいなぁ、水平6気筒。

大阪についたらちょうど3時前で
玄関で迎えてくれた高校教師の
ものすごいヒゲ面に驚く。
二人でTVの前に座ってスタンバイ。
ナゴヤドーム最終戦だけど
何だか阪神が勝つ気がしない。
しかも広島とヤクルト待ちなんて
いまひとつピリッとしないなぁ。

とか言ってたら結果はあのとおり。
途中、試合が中だるみしたところで
高校教師は私を捕まえて
顔から首から背中から
好きなところにキスをくれて
昼間っから盛り上がる。

あっさり野球が終わって
ニュースが終わって柔道が始まる。
今日のメインは田村亮子だけど
阪神優勝とかち合わなくてよかったね。
柔道の試合をちゃんと見るのは
本当に久しぶりだったけど
キレのいい技がバシバシと決まって
判りやすく1本勝ちというのは楽しい。

無差別級?の大きな女子選手を
男子選手と見間違えた私。
高校教師も見間違えて二人で大笑いする。
アラブ系の選手が「男なのにTシャツ着てる」
と言う高校教師。

私が全然突っ込みもせず
「襟元じゃなくて胸毛引っ張って
投げられたら痛いからちゃうのん」と
即答したのがツボだったらしく、ゲラゲラ笑う。
結局はそれも見間違いでよくわからない。

結局柔道が終わったら
9時なんてとっくに過ぎてて
初めてべスパに二人乗りして近所の王将へ。
何だか涼しくなってて夜風がいい気分で
阪神優勝が延びたから大騒ぎもなく静か。

お互い新学期が始まって
仕事が忙しくなったので
バタバタしてると平日はあっという間に過ぎる。
まだ9月2週目なのに「お疲れ会」とか
適当な事を言ってお酒を飲む。
高校教師が7月アタマの出張で買って来た
北海道限定の地酒で、桐の箱入り。

かなり気分良く酔った私は
アタマが子供に戻ってしまって
高校教師の脇をくすぐったり髪を引っ張ったり
嫌がられる事ばかりをした挙句
寝入ってしまったらしい。

夜中に気がついたら私のお腹が出てて
そのまま寝返りを打ったら
Tシャツを伸ばしてお腹を隠してくれる。
お酒が抜けかけで
のどが渇いたら氷水を出してくれて
くしゃみをしたら掛け物を足してくれて
自分も酔ってるくせに甲斐甲斐しい。
ひたすらお礼を言うのみ。

暴れん坊万歳。

2003年09月14日(日)
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