毒茄子
レガお君



 初滑り対策室始動。

お昼休みは古巣の職員食堂。

と言う事でご飯食べてると友達に会う。
毎年一緒にボード行ってる子がやってきて
「そろそろやな」と初滑りの話になる。
毎年12月1ケタ日出発の初滑りツアーは
茄子ばかり揃いもそろって8人の大所帯。
行き先は「北海道のどこか」で今年は
去年の初滑りの時にキロロと決まってる。

毎年11月初旬にある南港のイベントで
各社の初滑りパンフが出たら
友達と私の幹事役の二人が
各社のプランを電卓片手に計算。
出発日ごとのフライトと宿泊のアップ料金や
リフト券割引とか全ての諸費用を
全部込みこみで出した後に比較検討するのが常。

今年はひとりが嫁入り準備で参加は難しく
私も3年生のケーススタディの仕上げと
発表の時期に重なるからかなり厳しい。
6人となると3人一部屋×2部屋で
お得度はちょっと下がるのだ。

やだー。北海道行かないと1年終わらない〜。
何が何でも行ってやるー。
とはいっても北海道となると
初滑り期間の後はクリスマスからお正月まで
飛行機も宿泊も値段が何倍もにハネ上がる。
と言う事でほんのちょっとでも
お得なプランを探そうと思うと思えば
ツアーのプランが出た時点で
早々に押さえる必要があるわけで。

と言う事で重要なのは情報。
各代理店のHPを巡ってツアー情報を見るけど
内容はまだまだ紅葉がメイン。
って言いながら某掲示板によると
昨年は10月中旬に航空系各社の
ツアー予定が発表されて
発表後2日ぐらいで完売だったとか
ドキドキな事が書いてある。

何が何でも冬休み突入と同時に北海道。
願わくば3泊4日でゆっくりしたい。
みんなで行けなかったら
お供は飛行機嫌いの高校教師。

もう、一気に冬支度の気分で
秋は仕事も忙しいから現実逃避に持ってこい。
と言う事で近いうちに
初滑り幹事の片割れに会って
参加人数とか行き先や日程を詰めなきゃ。
さてさて忙しくなりますわよ。

もしかして三宮のマルイって今日オープン?


2003年10月03日(金)



 学生が死と向かい合う事

もう、毎朝寒いぐらい。

ただいま古巣での実習は3クール目。
前のクールは夏休み前の
6月末から7月だったんだけど
その頃の患者さんがまだ残ってる。
本来なら7月中には
外来ケモに移行するはずだった患者さんが
何やら激ヤセして病棟を歩いてる。

気になるからカルテを見たら
元々はケモ後の白血球の立ち上がりが悪くて
退院できずにズルズルとケモを続行。
そうしてるうちに
膵臓の原発巣が大きくなって
隣接臓器の十二指腸に浸潤、潰瘍ができて
そこから大量出血したらしい。

そこから患者さんは絶食。
内視鏡下で何度か止血したらしいけど
所詮効果は一時的。ケモも無効で根治は無理。
と言うことで外科でバイパスを作り
何とか経口摂取ができるようにして帰そう
と言う話になった。
あくまでも姑息手段なので患者さんの予後は
かなり厳しいところまで来ているのは間違いなし。

で、夏にその患者さんを受け持ってた学生が
今は同じ病院の外科病棟で実習中。
彼女はてっきり患者さんが
退院していると思ってたから私の話を聴いて驚く。
彼女は今日が実習最終日だから
患者さんに会って話をしたいと言い出した。

患者さんと学生の出会いなんて
本当にものすごい縁だし
彼女は浅いながらも患者さんの事を
必死に理解しようとしてた。
受け持ってた夏から時間は経ってるけど
患者さんの事を細かく覚えてて
その人の事を大事に思ってるんだというのが
私にも良くわかる。
と言う事で一緒に患者さんに会いに行く。
事実上、今生のお別れ。

患者さんはとても驚かれたけどニコニコしてた。
「痩せてしまって・・・」って言われた時は
学生も絶句してたけど暫くお互いの近況報告。
患者さんは学生とよく
息子の話をしていたらしいけど
夏の間にその息子の就職も決まったらしい。
それを聞いた学生は本当に喜んでて
実習中に「共感って何ですかぁ〜」とか
悩んでた学生だったけど
今は本当に患者さんと一緒に喜んでる。
やっぱ、頭で考えるばかりでもないよな。

「手術頑張ってくださいね」と挨拶して退出。
で、学生のほうを振り返ったらいきなり泣いてる。
「先生、もう本当に○○さんって
命が残り少ないんですか?奇跡ってないんですか?
あんなに真面目に一生懸命生きてきた人なのに」
って言いながら涙ボロボロこぼしてる。

「きっと大丈夫」ってごまかしても意味がない。
きちんとフォローすれば学生のうちに
人が亡くなるという事に
直面する体験があってもいい。
だから「うん、ガン自体を取る手術じゃないし
病気がどんどん進んでの今回の出血だから
息子さんの入社式まで生きられるかも
本当のところ定かでないよ。」
また泣く学生。

二十歳ちょっと超えたとこで、まだまだ若く
なかなか患者さんの細かい心理が
理解できない学生かと思ってたけど
それでも患者さんを大事に思って
心配して心を傷めてる。

沢山の患者さんを見送って
「人が亡くなるのは淋しいけど避けられない事」と
実感して割り切ってる私と
精一杯その命を「何とか助からないか」
と惜しんでる学生。
知ってる者の強みより知らない者の純粋さに
何だか心がジーンとする。

頑張れ、市子。


2003年10月02日(木)
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