毒茄子
レガお君



 ソース系ハロウィン

今日はお休み。

ものすごーく久しぶりの平日休みで
友達の家でたこ焼きパーティーの予定。
昼までゆっくりしてから出かける。
集まるのは毎年恒例の
北海道初滑りメンバーで
私の北海道行きは別日程だけど
とりあえず参加しておく。

今日が正真正銘のハロウィンなので
こないだ高校教師に披露した
馬面マスクを持っていく。
友達は気持ち悪いと言いながらも
かなり興味はあるらしく
私がマスク被ったまま携帯電話を
触ってる場面がかなり面白いとの事で
そのまま写メールに収める。

お客は三々五々やってくるんだけど
誰か来るたびに私は馬面マスクを被って
玄関でお出迎えては驚かれる。
なかなか楽しいけど初対面の人がいて
「学校の教員がいるよ」と先に聞いてるのに
そこにいるのは馬面マスク被った酔っ払い。
学校のメンツ、丸つぶれかも。

今夜のメニューはたこ焼きとお好み焼きで
見事なまでのソース系。
みんなの家のたこ焼きを参考にしながら
キャベツとコーンとタコとチーズが入った
恐ろしくへヴィなたこ焼きが出来上がる。
カロリーなんてお構いなしで
空きっ腹には何でも入るのだ。

途中、高校教師がメールをくれる。
写メールにやたらでっかい
ダイヤの指輪が写ってる。
高校教師の指の途中まで入ってるんだけど
指の太さと比べてもものすごい大きさ。

で、本文には「2.5カラットらしい」って
母上の指輪であるらしい。
えらいものを拝借して写真とったのね。
まぁ、ダイヤに興味を持つのは大いに結構。
よーくお勉強して私に良いモノを買って下され。
・・・2.5カラットで車一台余裕で買えるって?

私は酔っ払いでゴキゲンなので
馬面かぶった写真や
友達の家にあるモアイ像のティッシュケースや
ワイヤーで蝶がつながれた
おバカなカチューシャの写真を撮っては
写メールで送りまくる。

送った後で我に返る。
今夜、高校教師は実家に帰ってる。
実家には息子の彼女に興味津々の母と
第一報をリークした姉がいて
まさかこんなおバカな写メール見せないよね?
でも高校教師が酔っ払ってたりしたら
かなりマズいかもしれない。
って、これぞ後の祭り。

結局、友達宅で1時まで大騒ぎする。
帰る頃には酔いも覚めて寒いぐらい。
明日は南港のスノボ安売りイベントに行くから
8時には起きないといけないけど
今から帰って寝たら2時がいいとこで
しかも二日酔いって明日はバテそう。

いよいよ11月、霜月。

2003年10月31日(金)



 感無量の最終日

実習最終日。

春からの長い長い領域別実習が今日で終了。
ついに終わりだなぁとしみじみ気分で
ぼんやり窓の外なんて眺めてみたりして
学生に「先生、目ぇ遠いで」って
突っ込みを入れられたりして。

今日のメインは最終カンファレンス。
実習中にへそ曲げてた学生も
何とか気分が戻ってきてる。
もともとへそを曲げてた原因が
自分の意見が通らない事が発端だった。
患者のケアについては
彼女なりに一生懸命考えてて
それが的外れだった事もあるから
時には教員とも衝突するんだけど
患者に対する気遣いや気がかりは
十分持ってたと言う事は私たちにもわかる。

で、その受け持ち患者というのが
こないだ書いた「甘えてADL低下」という人で
学生は怒ってる患者と
患者を頑張らせようとするスタッフとの間で
見事に板ばさみになってた。
学生がとても辛い状況なのは教員も患者も
患者の家族もわかってた。

自分たちの怒りを分かってくれて
一緒に巻き込まれながら考えてくれる学生は
意図的に巻き込まれるという
高等な技は使えない。
だから巻き込まれて混乱するしかないんだけど
患者や家族にしたら彼女は
何よりの味方だったんだと思う。
その学生とも今日でお別れで
一緒に挨拶に行く。

学生は部屋に入る前から泣いてて
「この先のことを考えたら
患者と別れるのが辛い」という。
家族は家族で中に入ったらもう泣いてる。
娘さん、化粧ぐちゃぐちゃ。
「本当にようしてもらって」
「あんたやったらええ看護婦さんになれるわ」
「頑張って試験とおりよ」
「あんたがおってくれて良かったわ」
口々にお別れの言葉を頂いて
学生は患者と握手してまた泣いてる。

もともと知識は足りないし思考も浅い学生。
それでもこの患者と家族にとっては
本当に救いになってたんだろう。
やっぱり脳味噌だけでは
人の心は動かないんだと実感する。
脳味噌がなくて良いわけはないんだけど。

実習が終われば打ち上げは必要。
高校教師におつきあい頂いて
美味しいものを食べよう。
三宮に向かう道中で
ケーススタディで担当してる学生に
受け持ち患者の事で連絡。
その学生も今日で実習が終わって
グループで打ち上げをしてる最中に
私が連絡したらしい。

そのグループは私が夏前に指導したグループで
話のわからないスタッフに対して
私も学生もとても苦労した実習だった。
毎日毎日スタッフへの不満や怒りを
つらつらと話す学生につきあって
私はひたすら彼女たちの思いを聴いて
学生が泣こうが罵ろうが怒ろうが
否定も肯定もせず受け止める事に徹した。
俗に言うカウンセリング的関わり。

そのテンションと言ったら
怒りまくるガンの患者さんとほぼ一緒で
実際私は途中から
「学生を患者だと思おう」としたし
学生も実習終了後に「私たちって患者でしたね。
先生に話し聞いてもらって楽になりました」
って私の関わりの意味を分かってたらしい。

そういう「一緒にしんどい所を乗り切った」
という連帯感があるのか
そのグループの中での私の評価は高いようで
自称「レガおストーカー」まで現れる。
ストーカーと言う割に私の苗字の漢字を
同音の別の字と間違えてたりするんだけど。

その学生たちから一年の実習の最終日に
「先生がいてくれて良かった」とか
「先生みたいな看護師になりたい」とか
「ターミナルの授業が最高」とか
嬉しすぎる事を言ってもらえるなんて幸せ。

毎日の手ごたえってなかなかわかんないけど
自分のした事についての評価はいずれ
きちんと帰ってくる。
毎日手探りだったけど頑張った甲斐はあった。
しんどい事も多いけど教員になってよかった。

打ち上げはエビスビールと、とろける神戸牛。

2003年10月30日(木)
初日 最新 目次 MAIL


My追加