毒茄子
レガお君



 看護師に向いてない人

本日は教務会議。

ひとりの学生の事が話題に上がる。
3年生がひとり、卒論用の実習を無断欠席。
彼女は今までにも実習の無断欠席があって
後になってわかるその理由は
「記録が書けなかったから」というもの。
実習の記録が書けなかったり
看護計画が目標日までにできないと
無断で学校や実習を休んで
書けるまで出てこないという事の繰り返し。

彼女は訪問看護ステーションで実習してて
利用者さんも彼女の事を待ってくれてる。
「何日に来ます」って約束してるのに
いきなり無断で来ないというのは
実習を受けて下さってる
ステーションの信用問題にも関わる。
なのに、自分の記録が書けなければ無断欠席。

これまで何回も同じ事をしてて
それで単位を落とした実習もあって
教員にも散々言われてるのに
全然行動は変わらないわけで
今回も看護計画を立てる段になっての欠席。
記録が書けないと相談に来るわけでもなく
一人で悶々と悩んで抱え込んで欠席。

で、彼女の処遇をどうするか。
話し合って色んな案が出る。
「明日出てきてきちんと欠席の理由が言えて
今後同じ事はしないと約束したら実習続行」
「もう、実習には出さずにステーションで
待機してカルテから情報をとって
ケースをまとめる」
「カルテから情報を取るだけなら
自分の実践ではないのでケースの意味がない。
よって、もう卒論の単位は落とした事にして
他の実習も合わせて留年としたらいいのでは」

結局、明日その学生が出てきて
きちんと欠席の理由を振り返り、
もう繰り返さないと約束したら実習続行となる。
・・・本当にもう繰り返さないと思う?
って、その学生をそうまでして卒業させたい?

いちおう学費を払ってもらってる以上
彼女が看護師の資格が取れるように
私たちは最大の努力はしないといけないんだけど
最低限の社会性すら身についてない学生に
国家試験の受験資格を与えていいのか?
プライドが邪魔するのか、
教員や友達にも相談する事ができない状態で
臨床での実践が出来るわけが無い。

大学には教養として看護を学ぶ人もいるけど
私たちは専門学校で職業教育をしてるんだから
職業適性がなさそうな人は
きちんと淘汰しないといけないと思う。
しかも人づきあいが全ての基本になる上に
人の命に関わる職業なのに。

看護師になれても、うまく行かない事があると
仕事を無断欠勤なんて冗談じゃないし
わからない事や出来ない事があった時に
相談できない人間は医療職に就いちゃダメ。
医療はチームワークが命なんだから。
看護師になるにあたっては
色んな人がいたほうがいいと思う。
「こんな人が向いてる」
という絶対的な条件は無いと思うけど
「こんな人はやめた方がいい」っていうのは
絶対にあると思う。

学生の行動が変わらなかった事については
もちろん私たちもきちんと
反省はしないといけないけど
このままじゃいけないという事を
きちんと学生に示して
別の道も考えられるようにしてやるのも
教員の責任じゃないかなと思う。

看護は「やりたい」という志だけで
やれる仕事じゃない。
やりたいなら其れ相応の努力や鍛錬は必要で
それをどこまで分かって入学してくるのか。
「人付き合いが苦手なんです」とか
ひっくり返るような事をいう学生もいて
そういう学生の目に看護は
どんな職業だと映ってるんだろう。

あーあ、スッキリしない。

2003年11月12日(水)



 人生もひっくり返るお達し

1が4つ並んだ日。だから何だ?

おまけに朝から雨で寒くて
生理前を思わせるおなかの重さって
何だか冴えないなぁ・・・。
久々に一日実習なんだけど
それはそれでシャンとしない。
実習の日は通勤距離が違うから
朝はゆっくり出来るし帰りも早い。
よけいに実習大好き。

が、昼前に先輩教員がやってきて
私に不思議なお知らせをしてくれた。
内容は・・・前代未聞のお達しで
実習もそこそこに
夕方に学校へ帰らなくちゃいけない。
先輩は何でそんな事になるのか
えらく不思議がってるんだけど
私には心当たりがあった。

10年選手の先輩ですら
経験した事がないような事が起こると言うのは
きっと本当にものすごい事なんだろう。
じゃあ、すごい事って何なのかと考えたら
やっぱり「アレ」しかない。
お達しの伝達経路もトップ直々と言うから
やっぱ普通じゃない。

夕方学校に帰ったらまだ人は少ない。
で、一足お先に何が起こったのかを聴く。
      やっぱり。
・・・。正式決定じゃないから書けないけど
やっぱり前代未聞の大事。
ずっと流れてた噂も現実になるのねと言う事で
憂鬱にレガおに乗って友達の家へ。

もともと今日は友達と約束をしてて
一緒に晩御飯を食べたんだけど
高校教師がメールをくれて
健康診断の結果、尿酸値が高いと言われたらしい。
本人は「ちゃくちゃくとおっさん化してます」
ってあっさり言うけど三十路手前なんだから
本当は深刻なのだよ、生物教師。

って、私も糖尿病家系だから
最近はお酒も減らして気をつけてるのに。
だって、痛風&糖尿カップルなんて
これ以上情けない組み合わせもないし
美味しいものが食べに行けなくなったら
二人の人生、何と味気ないことか。

本来ならその辺ネタにいじくって遊ぶんだけど
今日の私はかなりブルー入ってて
全然それどころじゃない。
たまには困らせてもいいかなと思って
今日の夕方の出来事を言ってみる。
「どうしよう」って言ったら
「なるようになるって」という
あっさりとした返事が返ってきて
私にしたらちょっと不満。

確かにそうなんだけど
こう、もうちょっと何か言葉はないかしら?
とか言われても困るとは思うし。しょんぼり。
高校教師はドラマに夢中らしく
私のグチもそこそこに
「この先どうなるんやろう」って言うから
「ドラマも、なるようになるんちゃう」って
そっけなく返してやった。

週末から私の楽しみにしてた映画が
2本とも始まるでと言われても
今は正直それどころじゃない。

今日の話だと私は教員を
長くは続けられないかもしれない。
今年新しく踏み込んだ世界だけど一寸先は闇で
自分の落ち着く先は当分見つかりそうにない。
いざとなれば臨床に戻れば仕事はあるけど
せっかく志した道だから中途半端はいや。

色々考えてたら眠れなくって
迷惑承知で「どうしよう、眠れん」
ってメールしたら
「確かに心配やな。どういう状況なん?」
って聞いてくれてそれに返事しながら
ちょっと楽になって最後には自分から
「まぁ、頑張るわ」って言えた。

問題は解決しなくても
関心を寄せて心配してくれる人がいるのは
大きな救いになるって実感する。
高校教師が意図的にそれをやれる人かはナゾ。
でも、それが嬉しかったんだと
ちゃんと伝えたらずっとそうしてくれそうな
そんな気がする。

何とか踏ん張らなくっちゃ。


2003年11月11日(火)
初日 最新 目次 MAIL


My追加