毒茄子
レガお君



 若者に冷や水

実習最終日。

最終日恒例のあいさつ回りをする。
皆さん学生のケアを喜んで下さって
いい雰囲気で実習が終えられそう。
辛い検査の時に側にいてもらって
声をかけたりさすったりしてもらって
本当に心強かったとか
いつも丁寧に身体を拭いてくれて
とても嬉しかったとか
具体的な援助の内容で誉めてくださる。

看護の学問の視点から見ると
学生はまだまだ知識は足りないし
実習課題である看護過程の展開は
ハッキリ言ってかなりの追加学習が必要。
でも、何かしら患者さんの役には立ち
慰めになりという結果は良いモノが出てて
そういう実践はどうやって
評価していったらいいんだろう。

レポートの内容は薄いのだけど
毎日患者さんに興味を注いで
心配の気持ちを持って側にいて
細やかなケアをしてる学生はいる。
また、それがきちんと
患者さんの力になってる。
看護者は存在そのものも
立派な資源なんだなぁと改めて実感。

病棟をうろうろしてて
今まで話したことがなかった
栄養士さんに「髪切ったんですね」と
声をかけられて驚く。
それなりにみんな他人の事を見てる。

高校教師が私の春休みの計画を聞く。
何かと思ったら遊びの計画で
「平日に休みを取って
どこかへぶらり旅はどうでしょう」
という趣旨らしい。

奴の企画力を試そうと思い
「何かプランはありますか?」
って聞いたら「四国か白浜へ
初夏を探しにというのはいかがでしょう」
という上出来なお返事。

こないだのサッカー観戦といい
奴にエスコートして頂くのも
なかなか嬉しい今日この頃。
旅行をひとつ企画してもらえたら
こんなに素敵なことはない。
ここから誉めて持ち上げて
うまく盛り上げるのが私の腕の見せ所。

昨日の焼肉の店で仕事の話になる。
私の仕事や背景を聞いて
プチブルジョワは高校教師に
「いいなぁ、○○先生
養ってもらえるなぁ。主夫するか?」
と何度か声をかける。
高校教師はヘラヘラ笑ってる。

が、自分が非常勤講師時代に
定時制高校でバイトをしてて
夜間は手当てがつくから収入が良いと言い
それを聞いた私が
「看護も夜間コースの話があって
そうなったら私も夜間で稼ぐ?」
と言ったら「家庭が崩壊するなぁ」と
プチブルジョワは言う。
高校教師もその言葉を否定はせず。

うーん、私が臨床に戻って
夜勤をするとなるとやはり問題は多そう。
妻の稼ぎがいいのは有難いけど
夜に家を空けてまでというのは
やはり望まれてないみたいだし
っていうかそれって結局
「女は家庭第一」なのよね。

でも、それを言えるのって
自分の稼ぎで一応食べて行けるから
説得力があるのであって
共働きしないと成り立たない経済状態で
「女は家庭」って言われてもしょうがない。

プチブルジョワ曰く
うちの彼氏はお金を持ってるらしいけど
それは無駄遣いをしないからであって
金銭感覚が不安な私がぶら下がって
それでも大丈夫なのかはかなり怪しい。
いったい月々いくらあれば
二人が窮屈に感じずに暮らせるのか
そこを探ることから始めないといけない。

プチブルジョワに家計簿の事とか
お金の管理は誰がするのかとか
住む場所の話や子供の話など
生ナマしい話を聞いて
ちょっと結婚の面倒くさい所を見た。
でも、本当はそういう事をキチンと
クリアできないと生活は成り立たない。

式場とかドレスとか夢ばっか見てないで
まじめに考えなきゃ。
夫婦がこじれる原因に
お金の問題は多いみたいだし。
超・現実的な忠告をして
結婚の美しい所だけを夢見がちな若者に
喝を入れてくれる先輩も
本当は必要なわけで。

結婚は生活。

2004年02月26日(木)



 プチブルジョワ

散髪の翌日は出勤が楽しい。

会う人会う人が私の頭を見て絶句。
めちゃ楽しい。
本当にたっぷりロングだった髪が
見事なマッシュボブで
一瞬髪をくくってるのかと思うほど
襟足周りがスッキリしてる。

学生も教員も病棟ナースも婦長さんも
医者も看護部長さんも皆様ひととおり
かなりのリアクションを下さって
ご満悦で過ごす。
評判は悪くないと言うか
やっぱりご年配女性は
ショートカットがお好きらしい。

学生たちは「もったいない」の一言。
髪が伸びるのが早くて
伸びかけの中途半端な時期を
苦痛なく乗り切れる私にとっては
もったいないと言われても
「また伸びるやん」という感想のみ。

実習中だというのに
エクステンションをするほど
ロングに憧れてる学生もいて
そんな子達にしたら
私の散髪は理解不能との事。
ほっとけ。

本日のメインイベントは夜。
高校教師と高校教師の職場の先輩とで
焼肉を食べに行く予定。しかもおごりで。
その先輩はかなりのお金持ちらしく
ニックネームはプチブルジョワ。
そのまんま。
いちおうその先生の苗字は聞いたけど
うっかりプチブルジョワって
呼ばないようにしなくっちゃ。

某駅で待ち合わせるのに
高校教師は私の散髪を知らない。
絶対奴より早く着いて
奴に私を探させなくてはならない。
という事で自分勝手に
さっさと実習をシメて撤収。

彼氏の職場の人に会うなんて緊張する。
ここでヘマをしたら
高校教師の職場での沽券にも関わるわけで。
しかもお行儀の厳しい学校で
先生たちは「息子の嫁は茶髪・ピアス不可」
とか平気で言うらしい。
言うのは勝手だけどプレッシャーである。

張り切って早く着きすぎてぼけっと過ごす。
いちおう新居を構える
候補の地区なので周囲を観察。
西明石以西と違って電車の数が多い。

高校教師がやってきて
そーっと私の顔を伺うのが面白い。
解りやすいように
今まで着た事のある服で待ってたから
ちょっとホッとはしたらしい。
暫くしてプチブルジョワ登場。

外見はふつーのおじさん。
「ブルジョワ」に微妙な
「プチ」が付くだけの事はある。
喋ってみるといかにも教師という感じ。
高校教師に先輩風を吹かせたいらしく
まぁ色々とおっしゃる。
黙って立てておこう。

お店は有名なお店らしく
スポーツ選手のサインがズラリ。
店主とプチブルジョワが友達らしく
サービスでウイスキーが出てくる。
肉も出てくる。
コートは臭いがつくからゴミ袋に入れる。

庶民的な内装のお店で換気扇も弱い。
そこでプチブルジョワは
「本当ならブルジョワっぽく
フレンチとかにご招待しようかと
思ったけど」とか
自分で自分を「ブルジョワ」って
言うから面白い。

家には車が4台あって
娘と一緒に乗馬クラブへ通い
休みの日のランチは奥様と
北野あたりのレストランでお食事。
先祖代々の不動産多々アリという
多分ほんもののブルジョワ?

プチブルジョワは
自分の結婚前の話をする。
奥さんとは連日デートで
会えない日は毎日電話。
まだ非常勤講師だったけど
おうちが裕福なので
さっさと結婚したらしい。

プチブルジョワは私に
家計簿をつけてるかと聞く。
家計簿どころか
自分が月にいくら使ってるかも知らない。
通帳記入は就職してから
行った記憶がないけど黙っておく。

子供が出来たらとりあえず
新築のマンションを買えと言う。
同じような世代とライフサイクルの人が
集まって後々の人脈になるらしい。
高校教師は女関係の心配はないと
わざわざ太鼓判を押される。
ご丁寧にありがとうございます。

肉はものすごく美味しかったのに
また帰っておなかの調子がおかしい。
ブライダルフェアの料理は
美味しくないと思いながら食べたけど
今回は美味しいと思いながら食べたから
おなかを下しても悪い気はしない。
私のおなかは耐脂能が落ちてる?

懲りずに明日も肉が食べたい。


2004年02月25日(水)
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