毒茄子
レガお君



 号泣スピーチ再び

先週の卒業式。

朝から礼服を着て出かける。
礼服の胸にコサージュをつけるのに
何だか歳をとったなぁと
しみじみ思う。
コサージュと言えば卒業式や入学式で
先生や親に代表される
「おばさん」がつけるもの
と言うイメージが染み付いてる。
それを自分が装着するなんて。

卒業生はみんな感無量といった感じ。
若い子も堂々としててかっこいい。
厳しい実習や仕事と勉強の両立と言う
難業を乗り越えた自身があるのだろう。
よく「歳がいって貫禄がつく」
とか言うけど
本当の貫禄や存在感って時間じゃなく
人間の中身についてくるんだなぁと
卒業生の背中を見ながら思う。

うちの学科の控え室には
後輩や実習施設から学生個人宛に
続々とお花が届く。
私たちは学生同士の
縦のつながりなんてなかったし
実習施設も大学病院で関係はドライ。
こういう世界もあるんだなぁと
またまた新発見。

うちの学校は校歌の歌詞が素敵で
私も1年で暗記してしまった。
学生も歌いながらグッとくるのか
あちこちでハンカチを探したり
目元に手が行きだす。
卒業生の答辞は本当に素晴らしく
こっちの涙腺も緩む。

校長先生は苦学の進学コースの学生に
思い入れが強くて
祝辞の時に「特に進学コースの人は」
と断りを入れてお祝いを言ってくださる。
それがいい事かどうかはわかんないけど
准看から数えて苦節5年。
この卒業の喜びって本当に重いと思う。

働きながら学んで
さらに一家の主婦であったりという
本当に並大抵じゃない苦労をしてきた人達。
中には息子が母親の卒業式に参加して
それがまた男前で大騒ぎになったり
両親と一緒に婚約者が来たり
3年生として卒業する母親を
1年生の娘が見送ったりと
ちょっとありそうにない感動の場面の数々。

みんなボロボロに泣いてるんだけど
スピーチの場面になって
不覚にも私が泣いてしまう。
そうなるともう学生は一斉にもらい泣き。
大して感激させるような事は言ってないけど
泣いてる奴は一番多かったと言う状況。
臨床でやらかした号泣スピーチは
教員になっても衰える事はないらしい。

教員初年度に一番沢山関わった学生たち。
体育祭で騒ぎ、研修ではしゃぎ
実習で苦楽を共にしたメンバーは
本当に思い入れが深い。
毎年素敵な出会いはあるんだろうけど
やはりこんなにインパクトのある学年は
そう簡単には現れないかも。

男子学生も容赦なく泣いてる。
30歳手前でもボロ泣き。
毎年こんなに涙腺が緩いのかはナゾだけど
感情が動くのは大いに結構。
煽って煽って泣いて頂く。

謝恩会はもう、衣装の派手な事。
チラリズムからは一番遠い雰囲気で
みなさんスリップドレスとか
ものすごいスリットの入ったワンピとか
胸元に目が行ってしょうがない服とか
本当にどこの店かと言う状況。
おまけにレギュラーのように若くないから
そこに色気が加わって大変な事になってる。

謝恩会の最後に急に照明が落ちて
学生がナイチンゲール誓詞を合唱?する。
それがまた本当に泣きながらなので
ろれつが回ってなかったりして
半分わめいてる様な人もいるから
ものすごい事になってる。
あまりにすごい声なので
泣きながら笑ってる人もいる。
それでも大きな声で力強くて
さすがに教員もみんな目が赤くなってる。

花束をもらったらメッセージが書いてあって
そのメッセージの隅っこに
林檎の絵が描いてあった。
私が椎名林檎が好きなのを知ってて
書いてくれたんだと思ったら
本当に嬉しくてまた涙が出る。

正直、寂しい夜。

2004年03月09日(火)



 放言

朝からあんまり力が入らない。

で、ボサーっとネットニュース見てたら
鳥インフルエンザ騒動で
吊るし上げられてた養鶏場の
会長夫婦が自殺したって。絶句。
「この会社、そのうち病人か
死人が出るよね」って言ってたら
本当にそのとおりになってしまった。

騒がれ方は尋常じゃなかった。
死んでしまう人は弱虫なのかもしれない。
でも、ああいう扱いをされて
みんなが病まずに死なずに
生き抜いていけるほど人は強くない。
たしかに会社に落ち度はあったけど
死なないといけないような状況に
追い込んだのは世間じゃないかと。

何かのせいにしないと
気がすまないのだろうか?
通報を受けたのを見過ごして
「忙しかった」としか言い訳しなかった
バカな役人は矢面にも立たず
きょうもどこかでぬくぬく過ごしてる。

ばい菌も進化するんだし
人の知恵や考えを上回る事は
いつ起きてもおかしくないのに
それを何とかコントロールできると
思い込んでる人間の傲慢さ。
普段は高いからって
予防接種もしないくせに
伝染病が出たら大騒ぎして
自分で出来る予防策を取ってから騒げよ。
あまりの痛ましさに
人知れず涙腺が緩んでしまった。

そのとなりでは
3年生の担任が学生一人一人に
メッセージカードを作ってる。
かなりの労力と時間を割いてて
・・・そこまでせなあかんか?
確かに学生は喜ぶかもしれないけど
なんだかTOO MUCHな気がする。

そうやって有り余るほどの情と
関心を形で与えないと
学生を励ますことはできないんだろうか?
キレイに色を塗られて
シールで飾られたカードを見て
これが進学コースを卒業する
大人に渡すものかと
何だか腑に落ちない気分。

今までの関わりがきちんと出来てれば
メッセージカードがあろうがなかろうが
こちらの気持ちはきちんと伝わると思う。
成績業務も忙しい年度末に
わざわざ仕事を増やしてるように思う。
ああもう。
自分の人付き合いが
ドライなのかウェットなのか
解らなくなってきた。

何にでも文句が言える気分の荒っぽさは
どうにか鎮めないといけないなぁ
という事で無理やりこじつけて
3月末に平日連休を取る。
高校教師はちゃんと春休みがあって
20日以降はいつでも休めるらしいけど
うちはそうはいかない。

まだ自主的に出来る仕事は少ないけど
休みだけは自分で積極的に情報を集めて
ちゃっかりリフレッシュもしなくっちゃ。
という事で和歌山か徳島へ
1泊旅行の予定。
結局温泉だと言ったら和歌山で
ベタにアドベンチャーワールドへ
言ってみることにする。

企画の詳細は奴に任せて
私は運転と入浴と飲酒に徹すると言う
楽チン旅行希望。
さてさてどんなお宿を選んでくださるか。
どんなお料理を選んでくださるか
どんな寄り道をアレンジしてくださるか。

腕の見所やね。


2004年03月08日(月)
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