毒茄子
レガお君



 間抜けなイルカ語

くもり。

今日は勝浦からどこへ行こう?
相談の結果、太地のくじら博物館へ。
高校教師が小学校の頃
家族旅行で博物館へ行って
奴なりのお目当てだったオルカが
死んだばかりだったという
これまた心残りのある場所。
で、それが結果的に
最初で最後の家族旅行だったという。

博物館は建物が古くて
お世辞にもキレイではないけど
展示の内容は面白い。
高校教師の本領発揮で
色々説明をしてもらって
予想以上に楽しめる。

で、ありがちなショータイムの設定もある。
ちょうど時間が来たので
オルカ(シャチ)のショーに行ってみる。
・・・。デカい。3トンあるらしい。
「波ちゃん」とかいって
女の子の名前はついてるけど6メートル。
白黒でデカくてトゲトゲの歯が見えてる。
怖い。

「波ちゃんがお兄さんにキスをしまーす」
って水面下からトレーナーの顔めがけて
オルカが浮かんでくるんだけど
「ちゅ」よりは「ごん」と
ヘディングする感じで
キスされた(ぶつかった)後で
トレーナーもよろめいてたりする。
おいおい。

入り江を網で囲って生簀がわりにしてる。
その中に桟橋が組んであって
休日は5分1000円ぐらいで
生簀のイルカを触れるようになってる。
平日は桟橋を開放してて
桟橋の上で待ってると
気が向いた時にイルカがやってくる。
平日万歳、タダで触り放題。

手を出すとぬっと顔を出して
あっさり触れてしまう。ツルツルしてる。
何度か触ってると
急にパカっと口をあけて
ギザギザの歯が見えてびっくりするけど
鼻先を撫でてると温かい。
泳いでるから魚だと思いがちだけど
イルカも哺乳類。
水の中の生き物の体温を感じて
想像以上に感動する。

高校教師もすごく嬉しそうで
子供に混じって、でかいおっさんが
イルカを触ってはしゃいでる。
そこで私が、しょうもない事を思い出す。
おととし見に行った
シティボーイズのライブで
私はサントラ盤を買った。
その中に大竹まことが「イルカの声」
と称して声の出演をしてる。

世間でイルカの声と言えば
「キーキー」とか「ピー」とか
そんな感じで言われてるみたいだけど
シティボーイズバージョンは違う。
だから試してみる。

「ちょちょ、ちょっちょっちょー」
いきなり間抜けな音を口走った私を
高校教師はバカにした表情。
が、イルカはやってきた。
高校教師、ちょっと驚く。
しかーし、まだ半信半疑。
そらそうよね、一応ギャグだもの。
私も教科書では、そんなの見た事ないし。

ショーの後のオルカが
入り江の隅に顔をつっこんで浮かんでる。
調子に乗った私はオルカにも
「ちょちょっ、ちょちょちょちょ・・・」
と声をかけたらオルカも動き出した。
ゆっくりこっちへ来てお腹を見せて泳ぐ。
しばらく黙ってるとまた
入り江の隅に戻ってしまう。

偶然かと思って何度か繰り返すけど
声をかければオルカはやってくる。
こうなると高校教師も私と一緒に
「ちょちょ、ちょっちょっちょー」
あはは、アホがうつった。

いい大人が二人で生簀に身を乗り出して
「ちょーちょちょー、ちょっちょー」
って大真面目に言ってるのが面白すぎる。
でも、案外この声かけはすごいかも。
素人がいきなり、イルカやオルカに
刺激を与える声かけができるなんて。
シティーボーイズはこの声を
何かで調べて使ったんだろうか?

結局高校教師は目をキラキラさせて
オルカに向かって「ちょっちょっちょー」
帰り道でも帰った後の到着メールでも
「ちょちょ、ちょちょっちょっちょー」
と、かなり気に入った様子。

高校教師の大学の友達には
それこそ海洋生物や哺乳類の研究をして
水族館に勤めてるような人もいる。
その人たちにこの「ちょちょちょ」の
ナゾを解いてもらわなくてはいけない。
もしもこれが新しい発明で
5年ほどしたらあちこちのイルカショーで
「ちょちょっちょー」と言ってたら
私も看護じゃなくて生き物の研究をしよう。

大竹まことはすごい。

2004年03月25日(木)



 熊野詣

ものの見事に雨。

今日から1泊2日で高校教師と和歌山へ。
で、普段と同じ時間に起きて出撃。
通勤渋滞に巻き込まれても
遊びに行くとなると
ちょっと気分が優雅だったりする。
久々の平日休みだし。

高校教師も終業式が終わってるから
ヒゲが伸び放題。
これでスーツ着てればいいんだけど
奴はジャージを着るから困る。
本当にそれで熊野詣をするのか?

阪和道を通ったら和歌山は案外近い。
が、私は本日の最終目的地である
那智勝浦の位置を
実はきちんと把握していなかった。
実際は遠いのなんの。
白浜とか通り過ぎて
そろそろかと思ったら全然。
潮岬なんて余裕で通り越してるし。

観光地はどこも平日だから
言うほど混んでなくていい感じ。
道も太平洋を眺めながら延々続く。
いやになるほど続く。
雨はやんでてそれが一番の救い。

道中の敵は観光バス。
道で会えばのんびり走ってるし
道の駅で一緒になれば
バスの客が一斉に降りて
トイレも売店も大混雑。
どのバスも初老・老人の団体で
私たちは完全に浮いてる。

9時過ぎに大阪を出て
途中潮岬に寄って勝浦に着いたのは
15時はとっくに過ぎてから。
海の青さに癒されながら走って
山へ入れば桜が咲いてて
那智の大滝を見て
熊野大社をお参りする。

高校教師は大学時代に思い立って
勢いでバイクで勝浦まで来たものの
日暮れまでに帰れそうになかったので
滝は見ずに帰ったらしい。
という事で心残りになってたらしく
雨の後で水量も多い滝の迫力に
喜んで写真を撮ってる。

滝から神社に回ったら沢山の人。
さらに全員中国語。
熊野近辺が世界遺産に登録されるらしく
観光客は増えてるのかな?
日本語が全然聞こえないので
こちらが外国に来てる感じすらする。
みんなあちこち写真撮ってるんだけど
足を斜めに引いたり腰に手を当てて
80年代のアイドルのように
昔懐かしいポーズを決めてる。

熊野大社と言えば八尺烏。
サッカー好きの高校教師は
日本代表の旗とかを見つけて喜んでる。
確かにお社のあちこちに
飾りや置物やお札やらで
足が3本のカラスがいる。
とりあえず写真を撮っておく。

泊まったホテルは勝浦で
島のホテルに船で渡るという
ちょっと面白い感じ。
が、その渡し舟でも団体様に遭遇。
うーん、一緒にチェックインして
荷物置いてお風呂でご飯では
何をするにも混雑しそう。

部屋はホテルがある島のてっぺんで
本当に海と空しか見えない。絶景。
部屋についてるお風呂は檜風呂だし。
高校教師と一緒に部屋のあちこちの
引き出しとかを開けまくって騒ぐ。
どちらからともなく
「リフォームリフォーム片岡〜」
「ヒノキ風呂〜」と応援歌を口ずさむ。

しばらく探検してから
食事をして休憩してお風呂に行ったら
お風呂の近くの宴会場から
カラオケの大音響。
しめしめ、団体様は食事中で
お風呂は空いてるに違いない。

目論見どおりお風呂は貸切で
広い広い浴槽でバシャバシャと暴れる。
ゆっくり温まって部屋に帰ったら
布団が二つ並べて敷いてある。
何だかエロい感じで照れくさい。
即ビールでご満悦。
そこから紀州梅ワインへつながって
いつもどおりのへべれけ。

ドリフをやってたけどあまり覚えてない。




2004年03月24日(水)
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