毒茄子
レガお君



 奥様は馬子

真夏日。

本日は婚礼衣装合わせその1。
天気がいいのでバイクで出かける。
ドレスを着るので顔が負けないよう
久しぶりにフルメイクをすると
高校教師は「そんな顔見たの
久しぶりやな」と言う。

もしかして日々の手抜きを指摘?
こちらの手抜きを云々言う前に
自分の無精ひげを何とかして頂きたい。
相手は自分を写す鏡ですから
きちんとしましょう、お互い。

衣装合わせはちょっと憂鬱。
気に入るモノがありそうにない。
だいたいヒラヒラが嫌いな人に
ドレスを着せようというのが間違ってる。
パステルカラーが嫌いな人を
可愛く見せようと思ってるのが
根っこから間違ってる。

いちおう白ドレスに関しては
自分なりに「こんなのがいい」
というのがしっかりある。
なければ作ってやるぞというぐらい
頭の中でイメージが出来てて
それに近いドレスの写真を持参。

お店は完全予約で
それでも沢山人がいる。
カップルどころか
親が登場している所も多い。
担当の人がついてくれて
ちゃんと区切られた個室で着替える。

「これっ!」というものはない。
それでも刺繍の上品なドレスがあって
それを着てみる事にする。
カラードレスはこの際
大嫌いなピンク色で
スパンコールやビーズが沢山ついた
ものすごく可愛い奴を着てみる。
童顔だから似合うのは解ってる。
でも、嫌いなものは嫌い。

貧乳なのでベアトップや
キャミは敬遠しようと思ってたら
ドレス用の下着にパッドを突っ込んで
いちおう何でも着られる体型になる。
ナイスバディはあっさり手に入るのだ。
という事でAカップ未満から
ほぼCカップへ化ける。
列席予定の皆様
ウソついてごめんなさい。

白ドレスを着る。
着るもので見事に雰囲気が変わる。
ドレスだけ着たところで
高校教師に見てもらったら
びっくりしてる。
で、ブーケを持たされて
頭にティアラを乗っけて
手袋してベールをつけたら完璧に花嫁。
小物ってすごい。

奴は熱心に写真を撮ってて
「すごいなぁ、女はこわいなぁ
全然違うなぁ、騙されるなぁ」って
しきりにぼやいてて
結構気に入ったらしい。
そう、これがついさっきまで
ジャージで寝てた
あなたの奥さん候補です。

最初につけたティアラの次に
係りの人が青い箱を持ってきた。
ちょうどミキモトの営業さんが来てて
パールのティアラがあるという。
イヤリングとセットになってて
ペリドットとアクアマリンも入ってる。
で、見せてもらったら本当に可愛い。
月に数回、営業さんが来る時にしか
借りられないモノらしい。ラッキー。

高校教師もモノを見て
私が気に入るんだろうな
とは思ったらしいけど
本当に素敵すぎて値段も聞かずに
ドレスも決めてないのに
ティアラのレンタルだけ予約した。
で、レンタルの料金を聞いたら5万。
それが高いのか安いのかもわからず。

「こういうのって買い取って
後でブローチにしたりしたら
いい思い出になりますよねー」って
私が適当な事を言ったら
係の人がひきつってる。
「あの、お買い上げですと350万です」
ぎゃー。

白ドレスは最初にイメージしてたものと
全然違うんだけど着てみると結構キレイ。
刺繍が本当に上品で裾まわりが繊細。
何でも決め付けずに色々着てみると
色んな発見があって面白い。
という事で調子に乗ってピンクのドレス。

予想通り、似合う。
係の人もとなりのブースの人も
似合うと言ってくれるんだけど
いまいち嬉しそうじゃないと
高校教師は言う。
着ず嫌いと言われないための証拠に
ピンクのドレスを写真に収める。

ああ、カラードレスなんて選べない。
これなら白ドレス1着で
気に入った小物にお金をつぎ込んで
一日機嫌よく過ごしたい。
カラードレスにも使いたいぐらいに
パールのティアラを気に入ってる。
ベールもお金をかけたら
また全然違う感じになるし。

先は長いがとりあえず
親の意見も聞くフリをしなくっちゃ。
ピンクのドレスの後に
深いグリーンのドレスを着たけど
何だか地味に見えちゃって
どうも親は嫌がりそう。
式はクリスマスシーズンだから
グリーンもいいと思うけど。

で、高校教師はひたすら写真係。
デジカメで前と横と後ろとを撮る。
何だかんだ言って
退屈してる様子はなく
私が着替えてる間はどうやら
よその花嫁を観察してるらしい。

参加することに意義があるのだよ。

2004年04月18日(日)



 実践と管理と研究

初夏の陽気で。

本日は古巣の友達宅へ集合。
一緒に働いてた懐かしい顔が揃う。
第一部は現在の古巣の情報収集など。
臨床家の集まりは活気があって
やっぱり刺激的。
人事ネタから新しい治療法と
色んな話を聞く。

日々の患者さんの生活を見て
そこから感じたり学んだことが
色々出てきて面白い。
不穏がちなある患者さんが
昨夜はよく眠れてたとか
きっとああしたからよかったとか
そうしなければよかたっとか
自分も詰所の中にいるみたいで
懐かしかった。

古巣の中でも世代交代は進んで
私が始めて臨床指導した学生が
今年はプリセプターで
新人のオリをした子が
今年から臨床指導者。
みんな年食うわけよね。

準夜入りの人がいるので
一部は夕方で解散。
で、その後に友達の友達がやってくる。
その友達はこの春に
修士課程を修了した子で
某病院に新部署設立メンバーとして
看護部長に招かれた。

そこではスタッフナースと
どううまく付き合うかとか
新しいシステムを立ち上げる上で
まわりとどう連携するかとか
自分の仕事が何年で評価されるかとか
それに伴う予算や法律と言った
政治的な話まで。

患者さんへ直接ケアする事から離れた
ちょっと大きな視点での話は
それはそれでとても刺激的。
同じ看護職でも
立場が違えば視野も使命も世界も違う。
その中で、どの立場の
どの世界が素敵かなんて人それぞれで
これがまたこの仕事の複雑なところかも。

こうやって夢を語り合ってると
ずうっと仕事を続けて
自分の力や可能性を試したいと思う。
でも、高校教師と部屋でのんびりしてると
一線は退いて家族と過ごすのもいいなぁと。

欲張りは止まらない。

2004年04月17日(土)
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