毒茄子
レガお君



 シカト教師

今日は高校教師の実家へ行く予定。

で、髪が2月から伸び放題だから
ちゃんとキレイにしておこうと思い
散髪に行ったのが運のつき。
散髪屋は激混みで待ちで1時間。
そこからパーマ当ててカラー入れて
終わったら見事に17時。
かなりヤバイ。

途中、高校教師は「まだ?」
とメールを寄越してた。
私が散髪屋を出てすぐに
「どこで何してんねん」という
お怒りモードのメールが来る。
あちゃー。

奴の実家まで普通に行けば2時間。
うちの地元からだったら3時間。
さすがに20時着は迷惑だなぁ
と思うんだけど高速を使えば早いはず。
最初は私が大阪市内まで
奴を迎えに行ってから南下する予定だった。

でもこうなった以上は
遅くならないための工夫が必要で
混みやすい3号神戸線や大阪市内を避けて
今は待つだけの高校教師が地下鉄で
天保山あたりまで来て
湾岸線使用の私が奴を拾えば
そのまままた湾岸線で移動できる。

そういう提案をしようと思ったら奴は
「もう、今日は行けへんって言うとく」
ってかなーり不機嫌そうな返事。
確かに私は時間を読み間違えて
約束を反故にしたけど
どうしても行くと言うなら
ぼさっと待ってずに
私が早く着ける所まで出てきたっていい。

とりあえず奴の家には行って
「遅くなってごめんね」と謝る。
私は私なりに考えて散髪に行って
お昼も食べてないのに。
奴は奴でモロに不機嫌そうで
ろくに口をきかない。

結局黙々と晩御飯を食べて
帰って話しかけてもじゃれついても無視。
ふとんに潜り込んで目をつぶってる。
私もだんだんイライラしてくる。
悪かったとは思うけど何も言わなけりゃ
どう対応していいのか全然わからない。
だから単刀直入に「なぁ、黙ってるけど
しんどいん?怒ってるん?」
って聞いてみたらそれもまた無視。

いい加減ムカついたので放置。
勝手に本を読んでTV見てお風呂入って
奴が寝てるかもしれなくても
お構いなしでいつもどおり12時までTV。
でも、一緒に寝るのが億劫。

今週は色々あってハードだった。
だからちょっとノンビリしたいと思ってた。
本当は講義の準備もあって
時間に余裕はないけど
会えばリフレッシュできるかなと思って来た。
なのにこんなに辛い目するんなら
帰ってしまおうかとも思いつつ
明日また実家へ行くかもしれないから
帰るに帰れず奴の隣に横になる。

ただでさえ狭いベッドなのに
あまりスペースを空けてくれてない。
何度か落ちそうになりながら
寝付けなくて辛い。
寝てしまえば悲しくないんだけど
見事に無視されたまま隣で寝てるなんて。
ダブルベッドはやめようかなと
初めて真面目に考える。

普段温厚な奴なのに
こじれるとややこしい。
でもこのまま黙ってたら
また機嫌が悪い時に対応に困る。
明日はちゃんと話しして
奴の傾向と対策をつかまないと
この先も困り続けるなんてヤダ。
一生一緒にいるならなおさら。

久々に泣きながら寝る。

2004年06月05日(土)



 逃げたけりゃ逃げろ

とにかく済んだわね。

本日は昨日の学生と振り返り。
色々話すんだけど難しくて
彼女の判断ミスの裏には
色んな思い込みがあった。
その中でも驚いたのが
「看護師は免許を持ってるから
お互い相談はせずに
独立して仕事をしてると思った。」
はぁ?

彼女は誰にも相談できないし
自分で何とかしないといけない
と思ったらしく
自分が医療機器を触る前に
看護師を探すことをしなかった。
「今までの実習で看護師さんが
他の人に何かを聞いてるところを
私は見なかった」とか
「就職してからでも
判らない事を聞いてもいいんですか?」
って言われてただただ驚くのみ。

実習前のオリエンテーションで
「とにかく一人では行動を起こすな」
といわれた事を彼女は
どんな風に受け止めていたんだろう。
彼女は「知識不足が原因」って言うけど
絶対違うと思う。

事が明らかになった時
彼女は婦長への報告を嫌がった。
学校所定の事故報告書を見せたら
顔がこわばって
「何だか大事みたいで嫌」と言った。

振り返りのために昨日の出来事の
流れを書いてくるように言っても
なかなかうんと言わなかった。
今日は今日で上に報告するのに
「この報告書書いたら終わり?」
「今日上の先生と話したら
今回の事はもう終わりますか?」
って逃げることばかり考えてる。

振り返りを進めるうちに
「今回のことで自信がなくなった。
怖くて看護を続けられるかわからない」
という。
そのくせ「今は学生だから
してはいけない事があるけど
看護師免許をとってから
今回みたいに一人で初めてのことに
出会ったらどうする?」と聞くと
誰かに相談すると言う答えが出ない。
絶対に危ない。

今回のことを教訓として
次に活かしていく様に話しても
「そんなのできない」と言い
「思い込みやすい性格を
直すのは無理だと思う」
「こんなに重くてしんどいものだとは
思わなかった」と言う。

医療機器を触った時も
知識がなかったのも勿論だけど
「このままマズいんじゃない?」
という不安が沸き起こった時は
患者さんのために自分は不安なまま
誰かスタッフを探さなくてはいけない。
なのにその場の緊張に耐えられず
まず自分の不安を解消するために
機械を触ったんじゃないかと
私は思ってる。
でないと「いけないのを解ってて触る」
という事は起こらなかったと思う。

今の彼女はとにかく逃げたいんだと思う。
自分と向き合うのはしんどくて
常に緊張して仕事していくと言う
重さに耐えられないんだろうと思う。
患者の安全のために
自分が知らない・できないという事を
明らかにするのは良心の問題で
それを嫌がるのは倫理的にかなり問題。

自分がしんどいときにも必要なら
そのしんどさを引き受ける度量がなければ
看護はつとまらない。
聞くのも辛い話をされる患者もいるし
喀血など非常事態で
患者がパニックになった時
看護師は怖いのは我慢し必要な処置をして
患者を落ち着けるようにしなければならない。
そんな時に辛くて重い話は聞きたくないとか
怖いから近寄りたくないというのでは
看護は成り立たない。

学生は実習と言う環境でひどく緊張して
判断を誤ったのもあるだろう。
そこは教員の私が
配慮をしなくちゃいけなかった。
今回緊張なく乗りきれてたとしても
それでいざ臨床での緊急時に
何をしでかしてたかは不明だけど。
後は実習のオリエンテーションに
学生が安全について考えられるよう
工夫をしなくてはいけない。

自信がない学生やつまづいた学生を
何とかケアして立ち直らせて
無事看護師としてやっていけるように
守って育てるのが教育だとは判るけど
責任の重さを嫌がったり
面倒な事を避けたがったり
傷つくことを極端に恐れる人間は
早いこと方向転換させたほうが
世のため人のためなんじゃないかと思う。

ああ、疲れた。

2004年06月04日(金)
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