毒茄子
レガお君



 実習ストレス 過ぎればネタ

ああ、七月。

冷蔵庫で悩んでる場合じゃない。
前期にこなした実習の評価やら
後期の授業の準備やら
次々に仕事は押し寄せる。
部屋は相変わらずの散らかり放題で
本当に引越しできるのかはナゾ。

朝から学生がユニフォームに生足で
教員の更衣室にやってくる。
「せんせー、何か出来てる。」
足を見たら4箇所ほど絆創膏。
めくってみたら水疱が潰れてる。
げ。何これ。

一番怖いのは感染症。
この季節から急にとびひや
白癬やらが流行りだす。
週2入浴の病棟では
疥癬がいてもおかしくない。
学生が言うには強烈に痒くて
掻かずにはいられないらしい。
非常に嫌な感じ。

この状況では実習は無理。
正体がわからない以上は
伝染性のものである可能性もあって
患者さんに伝染したら困るし
患者さんからもらってても困る。
という初めての出来事なので
学校に連絡して指示を仰ぐ。

「実習不可、受診すべし」
という事になって
学生はさっき脱いだ私服をまた着て
とぼとぼ帰る羽目になった。
実習も大詰めで「今日は足浴」と
張り切ってただけに可哀想にも思う。
で、病棟師長や指導者に報告して
患者さんに発疹がないか確認して
あれこれ動いてたら
あっという間に午前中は終了。

午後になって学生の受診結果を聞く。
「うつるものではなくて
何かにかぶれたみたいって
言われました。薬塗ってます。」
という事でひとまず
最悪の事態は避けられた。

接触性皮膚炎らしいけど
もともとアレルギーもない学生だし
かなりお疲れがたまってるのかな。
実習中に思わぬ不調はつきもので
喘息や蕁麻疹といった
アレルギー系の症状は出やすい。

2年生で初めての看護過程の実習。
彼女はとても進度がいいんだけど
だからといって疲れないわけではない。
出来の良し悪しに関わらず
それぞれの学生なりに
かなり追い込まれてるのは想像がつく。
緊張のあまり手を前後に振るのも忘れ
変な歩き方で廊下や階段の隅っこを
ウロウロしてた自分を思い出す。

緊張して詰所の中のほうまで入れず
入り口で立ってたら邪魔だと言われ
少しずれたらそこは電話の前で
やっぱり邪魔だと言われ
もう少しずれたらナースコールの前で
一番邪魔だと言われて
さらにずれたら心電図モニターの前で
どうしようもなかった自分を思い出す。

一人で判断を行動に移すなと言われて
オムツに出た患者さんの便を
勝手に捨てていいのかわからず
看護師さんに見てもらうまで
トイレの隅で大事に保管してて
怒られたりもした。

古式ゆかしい大学病院での実習で
学生は座るなと言われて延々と立ちつくし
うがい用イソジンがわからずに
側にあった手洗い用イソジンで
うがいをしてしてしまって
カニのように口から泡を吹き
口が苦くてお昼が食べられなかったり
医学生に「控え室に遊びにおいで」
と言われて何気に控え室の冷蔵庫開けたら
凍った塊が出てきて
何かと聞いたらヒトの肝臓だったり。

今では全部ネタにしてます。

2004年07月01日(木)



 我愛実習

蒸し暑くなってきました6月最終。

今日も実習終わってから
家電めぐりでくたびれる。
帰ってから量販店でカタログを漁り
展示冷蔵庫を開けまくり
ガスレンジのつまみを捻り尽くして
どうして良いやら途方にくれる。

高校教師は家で読書中。
家が遠いから連れ出す訳にもいかず
自分だけ悩んでるような気がして
ちょっと気分が滅入る。
こういうのもマリッジブルー?

で、今は日記書きながら高校教師に
「今までユキチ何人使ったか答えよ」
という難題を頂いて困ってる。
「なんぼ使ったかわからんって
ユキチは有限や。」との事で
ふん、先生みたいな事言って。
ソファはどうしても買うくせに。

家電は機種絞って奴に決めさせる。
たくさんメーカーがあって
本当に嫌になる。
どっかの国みたいに
ちょろっとのメーカーで作った製品を
「これしかないし」って
自分で落としどころ見つけて使う方が
絶対気分が楽だと思う。
はずれを掴んだときの後悔も少ない。

・・・。
「先生にお任せします」って
言っちゃう患者さんの気持ちが少し解る。
自己決定の時代だとか言われて
情報が溢れすぎて混乱する。
自分に何が大事なのか
よくわからないまま選択を迫られる。
結構プレッシャーもストレスもかかる。
で、ダメだった時に自己責任がのしかかる。

家は一部屋が荷物で埋まってる。
炊飯器に掃除機に食器類。
服も何も用意してないのに
4畳の部屋は足の踏み場もなく
昔は嫁入り前に荷物を整理して
近所の人に見てもらうとか言ってたけど
荷物広げて近所の人が入るスペースも
あるだなんてどんな家なんだか。

実習は大詰めに差し掛かって
実力の差も顕著。
そこをどうにかするのが仕事なんだろうけど
伸び悩んでる子の
相手ばかりもしていられない。
伸びてる子は伸ばし続けないといけないから
伸び悩んでる子はいつまでたっても
なかなか追いつけない。

看護過程の展開という
お題もさることながら
個々の達成感はどうなんだろうと
各々声をかけてみる。
「言われてやるばかりじゃなくて
相手が何をしてほしいか
自分から考えるようにしないと
いけないと思った」というのが
実習前に一番手がかかりそうだと
私と周囲の教員が思った学生の感想。

正直、アセスメントや計画は十分じゃない。
それでも臨床に身を置いて
患者さんと関われば必ず学びはある。
やっぱり実習はキツくて
ある意味極限状態だと思うけど
やる価値は大きいなぁと。

私は実習、ハードでも好きなんだけど。

2004年06月30日(水)
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