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紛糾
病院は無くなろうとも患者さんは居ます。 患者さんには普段どおりに訓練です。
とある外来さん。重度の失語症の患者さん。 もう何年も前からこの病院に通って 訓練を続けてきた方。 先輩から4月に引き継いだこの患者さんに ワタシはかなり悪戦苦闘していた。
言葉が出なくて、指示語や動詞だけの表現が多い。 どうにかジェスチャーを加えて伝えようとするけど ワタシはその意図をうまく汲み取ることが出来なくて。 次第に本当は明るくて快活な方なのに ションボリと小さな声になっていってしまう。 自分の病状が良く解っている患者さんなので 「俺、解んないんだよ」といつも訴える。 だけどその訴えに応えられるだけの受け答えや 意図の汲み取りをすることが出来なくて。 訓練の度に「どうしよう…」と頭を抱えていた。
次第に、訓練室に入るとすぐに 宿題のプリントを取り出して 「訓練に逃げる」状態になっていって。
今日は訓練の前に、病院の今後の話をした。 外来受付時に説明を受けていると思ったため。 が、受付も状況が状況なだけに紛糾していて、 説明が訓練後の清算時回されたらしく。 「待合室の知り合いに聞いて病院の今後を知った」 という患者さんの意図を汲み取るのに また、紛糾・紛糾…。
しまいには、普段なら確実に出来るだろう 訓練課題でさえ「解らない」という状況になってしまう。
今日ほどSTとして不甲斐なさを痛感する時は無かった。
この方との訓練はあと2回。 せめて患者さんが負担や苦痛を感じてしまうような 受け答えはしてはいかん、と思う。思うけど。 まだ解決策は手探り状態…。情けなや。
※※※
明日、例の処に見学に行く。 同期の子に「あそこに行くの?」と聞かれ 「職場の相性が良ければ」と応えていたんだけど。 病院の規模に比して、明らかに、え?と思うような 4月入社の専門士の多さについて聞かされる。 それって…と今までのお気楽さがガラガラと崩れる。
一気に不安になって、先輩にどうなんでしょう?と 問うてみる。職場環境どうなんでしょう?とか 先輩はどう思われますか?とか。
すると主任が騒ぎを聞きつけて駆けつける。 その病院の規模でそれだけの採用人数は普通にある。 前任の異動が立て続けに起こる事だってよくある。 実際※※(某一流リハ病院)では毎年 何十人もの新人が入るし出て行く人も居る。 採用人数云々でその病院を判断するのは違うんじゃない? …と、たしなめられる。
今日ほど社会人としての至らなさを痛感する時は無かった。
それでも、やはり先輩に 「きっと職場は若者だらけでしょうね」 と伺ってしまう。もう若者に怯えるのはイヤだ。 もう恥は掻き捨て!の勢いで 同期の子たちとの付き合いが ずっとしんどかったんです、て カミングアウトしようとした その時に同期が訪れる。…ジ・エンド…。
「ここだって若者多いじゃない」 「結局歳なんて関係なくて相性の問題だよ」
と切り返される。切り返された。 良かったのかもしれない。 そんなヘタレな悩みに付き合うほど 先輩だって暇じゃないだろうし。
結局この心境を解ってくれそうなヒトを、 ココの病院では見出せなかったんだ。 だからコレで良かったのかもしれない。
2006年06月15日(木)
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