山場越え懸案残る職場では重い空気が漂っており
渡せずにいた餞別を眺めてはため息をつく最終日の夜
青空に金木犀が香る午後慌しさを少し忘れる
秋の夜のだんだん長くなりゆけば仕事の山も高くなりゆく
今宵また月諦めて仕事する心を叩く音の激しさ
雲間より幽かに覗く月の影心の迷い映して冥く
少しだけ足りない想い抱いてる我を照らすは十三夜月