遠距離M女ですが、何か?
井原りり



 立ったままで


立ったままで、いったいどれだけの快感が得られるものなのか。


ベッドでゆっくりできるのならば、それはそれで幸福だが、性欲というものは沸き出したら止まらないもの。


おとなしく指を自分の性器に入れるだけならば、普通の立ち方でも可能だが、指を増やせば増やすほど、足も大きく広げていかねばならない。


3本以上、突っ込もうとすると、肩幅に開き、ほとんどスクワット体勢を取らねば深い挿入はできない。


4本、5本。指を仏手柑やアンモナイトの足のように、すぼめて挿入し、すぼめたり広げたりという動きをさせると、これはもう自慰というよりお笑いの一種かと思うほど、みっともなくって見ちゃいられない。


って、バスルームの鏡に我が身を投影しつつ、くちゅくちゅやってるさまは相当におまぬけだ。


いはらの指令のように、入れてカキマワシテ広げて、をこなすには誰もいない場所で壁にもたれなければ無理だとわかった。


だが、立ったままでも、片手で相当につよく乳首をつまんで痛みを与えれば、だんだん欲情してきて、逝くことはできる。


そうだ。


指の長さも違うのだ。

一番長い中指は膣に入れて、人差し指はクリ専用とかの工夫もたいせつ。



2003年03月05日(水)



 共犯関係

電車で通勤していたころのことだ。


支線に乗換えて7分。

手を離してもかばんが落ちないほどの満員状態が続く。

でも、7分だけだ。


その駅でみんなどっと降りてしまう。

共犯者もその駅で降りてしまう。


あたしは、もっと田舎の方まで行く。


最初のきっかけも、何年間その共犯関係が続いたかも覚えちゃいないが、電車通勤をしているあいだ、だらだらとその関係は続いた。


乗換駅のホームの端で一瞬だけお互いの姿を視界のはじっこで捕らえると、あとは惰性と性欲のおもむくままに、なるべくカラダが密着するように、乗るドアを選ぶ。


当然のことながら、一切会話せず、視線さえもからめあうことはなく……。

一度だけ社名入りの茶封筒を見たことがあるが、氏素性は何もわからない。


7分間、カラダを密着させる。


ただそれだけ。


ひそやかな朝の悦びを分かち合った共犯関係。


満員電車。


制限時間7分。





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当然のことながら服の上からしか、共犯者はあたしに触ることができない。


ポルノ映画のように、服の下に手を伸ばしてきたことはなかったように思う。


胸をもまれ、股間に手のひらを当てられ、軽く指で突かれ、あたしは何度も立ったまま逝った。



2003年03月03日(月)



 痴漢電車

立ったままでイクのは、ちょっとたいへん。
でも、そういえば、共犯関係にあった痴漢氏には何度も立ったままで、イカされた。

2003年03月02日(日)



 指令

「さわって……」


世間話の途中で不意に指令が下される。


「さわって……」


え。どこを?

なんて聞けないから、まず胸に強く手をあてる。


冬物の厚手の服の上からでも乳首にふれれば、それは硬度を増す。


ぐりぐりと強く。

やんわりと揉みながら。


「どこ、さわった?」


「胸です」


「そう。じゃ、入れて」


あ。


そんな! むつかしい、ここでは。


立ったまま、スカートをめくり、下着の中に手を入れ、指を股間にはわせる。


「何本入れた?」


「……。あ、あん」


「声は出さない」


「…………」


「どうなの?」


「あ」


「あ、じゃないでしょ」


「何本入れたの?」


「に、ほ、ん」


「で、どうなの?」


「え、あ」


「どう? 気持ちいいの?」


「はい。すごく」


「なめてみて」


指を抜いて、急いで口に入れる。

苦い。


「どう?」


「い、や、ら、し、い」


「ふん、いやらしいのな。仕事中にこんなことして……」


壊れて逝く快感に酔う悦び。




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2003年03月01日(土)



 プロジェクト−I


いはらにも、いろんな計画があるらしい。

新企画だ。


「今度はそっちに行ってみようと思う」


そう言われた。


「きゃあああ。新車買っちゃいましょうか? 空港までお迎えにあがるのですから……」


勢いで、そんな声を上げてしまった。




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いはらが、こっちに来てくれたら……。

ううう〜。

今から、どきどきする。




2003年02月28日(金)
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