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■ ケイコ・リー
少し年の離れた友人と軽く飲んで、酔いをさますべく二軒めの店へ……。
ひょっとしてつぶれているかもしれないと心配しながら探したその店はもう30年もつぶれずに残ってきてた。
マスターは年を取らない。
もともと老けていたのかもしれない。
最近のお気に入りだといってケイコ・リーをずっとかけてくれた。
あの声でスタンダードを聞きながら、いはらのことを考える。
あたしはいったいどうすればいいんだろう。
どうもこうも、毎日しっかり仕事して家事こなして生きていくしかないんだが……。
去年の夏、わからなければ聞けばいいと言われた。
はたしてこれでよいのか、確認できさえすればいい。
確認。
確認がほんとうに必要か?
ずっとこうしてやってきたじゃないか?
いはらも、怒っているんじゃない、という。
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