「耳に残るは君の歌声」

エイガメモ
「耳に残るは君の歌声」2000・米仏
詳細はHPを(作中の歌の意味などもわかりますよ)。(←リンク)

感想
話としては好みです。好きな要素の連発です。
浪漫(あえて漢字)溢れる内容だし。
歌というキーワードから広がるストーリー。
父を追ってロシア・ロンドン・パリ・NYを旅するという壮大さ、
オペラ、人種の問題、戦争。
華やかな友人・そして白馬の王子様(笑・まじでそうなんだよ)。
全編をながれる叙情的雰囲気。
なのに、ダイジェスト版を見せられた感覚がしました。
せっかく良いテーマなのだから、主人公の父に対しての執着とか(あんまり感じられないんだ・・・・)、主人公の歌のシーン(歌声ってくらいだし)とかをもっと描いて欲しかったなあ。
ただ戦争化での人種差別はいたいほど伝わってきました。
雰囲気と映像の美しさは最高です。

そして!この映画のスージー役のクリスティーナリッチを見るだけでも価値はあります。
美しい、の一言に尽きる。
佇まいがとても魅力的。視線とか、視線とか・・・・(笑)。
目がいいんですね、巻き戻してみてしまったくらいです。
多少ぽっちゃりしていますがそれもご愛嬌。
ちょっと出てくる歌うシーンは艶っぽくて本当に良かった。
周りが華やかになっても自分を持っている芯の強い女の子て素敵ですな。
走り方や自転車の乗り方が無性に好きです。女の子っぽくていい。

あとチェーザー役のジョニーデップも・・・惚れ直した。
ほんとうに、この人も目が素敵ですよね。
クリスティーナリッチとのラブシーンはとても雰囲気がよかったです。
むしろ興奮しました(オイ)。やらしーんだよ、なんか(笑)。
スリーピーホロウでも共演していたけど、そんな感じじゃなかったし。
出番は少ないし台詞は少ないけど、存在感は抜群でした。
やっぱり好きだわー。

この作品を見て好きになったのはローラを演じたケイトブランシェットです。
この人映画によって別人に見えるよなあ。化粧とか洋服の影響もあるだろうけど、
「エリザベス」やった人には見えない!
自分の美貌を武器にしてのし上がってゆこうとする女を演じているんですが、その愚かさも身にしみてわかっている姿も伝わってくるんです。言葉はなくてもしぐさだけで。
姉御肌なんだけど少し不器用な女性を凄く上手く演じていた。
本当に上手い、につきます。しゃべり方とか、しぐさがいい。
ショーの時にちょっとウィンクするところが好きです。
あと水着姿がキュートでした。

大オペラ歌手を演じたジョンタトゥーロも嫌味だけど、権力にすがって生きなければいられない人の姿がとても上手かった。

この4人の演技でそれぞれの生き様を見せてもらえたので満足です。

オススメ度:ストーリーより雰囲気や人物重視の方にはオススメできます。

曲はどれもすばらしいです。サントラかおうかしら。
やっぱり音楽モノの映画って好きだなあと実感しました。
シャインとか、海の上のピアニストとか、レッドバイオリンとか。
ちょっと違うかもしれないけどヘドヴィクアンドアングリーインチもね。
そろそろビデオに出ますよね。


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2002年09月03日(火)

本をよむ、夢を見る。

私は本を買わないと読めません。何故だか。
友達に借りたりするのだけどなかなか読む気がしなくて、そろそろ返そうかなって時に一気読みをしたりする。
「自分のもの」という感覚がないと文字に触れている感覚も薄い気がする。
だから買ってしまうのだが・・・そろそろ本棚も飽和状態だわ。

今日は安部公房の本を買ったので読んでました。
「笑う月」と言う題。
まだ読み途中なんですが、なかなか興味深いです。
安部公房の創作に関してのエッセイみたいなものですね。
作品を書く際に発想がどこからでてくるか、無意識のうちの登場人物のモデルとか。
特に面白いのが夢の描写、まるで彼の作品の世界にいるようです。
夢って、やはりその人そのものなのですねえ。
みなの見る夢が文章に出来たら、傑作ばかりなのではないかな。

日記を書いていると他の方の日記を読むことも多いですが、
ハッとする文章を書かれる方が多いです。うらやましい。
私は言葉が足りない上に、文章での表現力が脆弱なので上手く言葉を操る人が一番素敵に思える。
そんな文章を書く人の夢を見てみたいものです。

ちなみに私が文章にしびれた人は、
鈴木いづみさん。
エッセイの「速度が問題なのだ。人生の絶対量は、はじめから決まっているという気がする。細く長くか太く短くか、いずれにしても使いきってしまえば死ぬよりほかにない。どのくらいのはやさで生きるか?」の部分。
もうソラで言えるほど好きです。

中島敦氏。
高校の教科書に載っていた「山月記」には相当しびれさせてもらいましたよ。
あの硬質な文章・無駄のない表現。なのにテンポがいい。
しかも山月記の主人公無性に共感してしまったわたくし。
豊頬の美少年、博学才穎、若くして名を虎榜に連ねなどとはゆきませんが、
「我が臆病な自尊心と、尊大な羞恥心」がもうその頃の私を表しているかのようで、こういうことで悩む人って昔からいるのねとむやみに感動していた思い出があります。
友達にこれを言うと友達には「まじでー?」といわれてしまうんですが、教科書に載っている文章ってバカに出来ないと思うんです。知識の宝庫だよ。
ただ先生の授業の仕方にかかっていると思う。国語の授業はね。

これを記に私の国語熱が上昇し、成績は相当良くなりました。
国語だけなら良い大学にいけるのに、と言われたこともあったのに・・・・それがいまやアホ文しか書けない女子大生に・・・うくく。
精進します。
2002年09月02日(月)

日々ノオト / kica

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