歓楽通り |
感想書いた気でいたんですが、書いてなかったみたいです。 パトリスルコント監督の 「歓楽通り」いってまいりました。
この監督の描くなんともいえない濃厚な感じ、 透明なハチミツじゃなくて、白く濁った蜂蜜みたいな。 紅茶の中で溶ける角砂糖のような。 その感じ。 人生の中でとても大切な瞬間シーンが この監督の映画にはあると思います。 その映画を見た人は決してそのシーンは忘れることもないんです。
話はというと、娼婦の息子として娼館で生まれ育ち、館の女たちからは弟のように可愛がられているプチ=ルイは、「特別な女性」を待ち続けていて、新入り娼婦のマリオンを一目見た瞬間にこの女だ、と分かるんです。それから、彼は彼女に献身的に尽くすようになる、という話。
明らかにおっさんな風貌なプチ=ルイが献身的に尽くす様を、 もどかしく思ったのですが、 見ていると、プチ=ルイの顔は幸福で満ち溢れているんです。 マリオンの歌手としての才能を見抜いて、売込みをする姿は純粋そのもの。 売り込みの台詞もまたステキなんです。 彼がマリオンにやるといってダメだったことはない。魔法使いのよう。 直接的な見返りはないのに。 でも、マリオンがプチ=ルイを呼ぶ声とか視線はそこには恋愛なんかよりもっと深い感情がある。 それに彼は気づいていたのかも。 誰かを好きになって、とにかく尽くせることは幸せなことなのかも。疑問や不安をもたないで好きになれる人なんてなかなかみつかりっこない。 それを見つけられたのだから。 レストランで踊るシーンやマリオンの囁きは彼の人生にとって至上の幸福だったんでしょうね。
見ていて余韻に浸れる映画です。
殆ど主な3人で話は展開するんですが、娼婦達のキャラクターが人間味の溢れているんです。現実にいそう(みたことないけど)と思わせてくれるほどでした。
フランスで入ったカフェのギャルソンにプチ=ルイが似ていたのを映画館から出て気づいた。そりゃもうそっくり(体系とか)。 チョコレートムースをサービスしてくれたから覚えてるのさ。
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2003年04月10日(木)
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