酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2002年10月26日(土) 「サヨコ」縁起

 1999年のホラーウェイブ02に恩田陸さんのエッセイが載っていました。これが私の大好きな『六番目の小夜子』に関するもの。この私の大好きな小夜子、当時審査された人たちに、「(悪い意味で)漫画みたいだ」とボロクソに評されたとか。そう言えば、ドラマにも漫画にもなりやすい内容にちがいない。そこがいいと私などは思って好きなのだけど。そして、この時に絶版にまで追いやられたからこそ、『幻の処女作』になりえた訳で、つくづく不思議な流れを持った神秘的な本です。なぜならばこの小夜子という作品、陸ちゃんにある日突然降ってきて、自動書記状態で書き上げたそう・・・。まさに神がかり的。さすがは陸ちゃん。
 1998年の新潮社から出ているハードカバーも手に入れたい一冊なので、雷音堂さんどうぞよろしくですv



2002年10月25日(金) 魔笛

 うーん、おもしろい。やはり私は野沢尚さんの物語は好きv
 物語は、照屋礼子と言う女性の手記の形をとっている。この照屋礼子、生来問題があり(この問題があるという言い回しが良いか悪いかわからないけど)、警察官になり、公安警察官となり、メシア神道という新興宗教へ潜伏し、逆に洗脳され稀代のテロリストとなり果ててしまう・・・。そのテロリストとしての孤独な戦いの好敵手となるのが、刑事鳴尾、そして獄中のその妻、籐子。鳴尾と籐子の奇妙な関係も物語のポイントであるし、この籐子という女性がプロファイルするところも面白い。公安は、木乃伊取りが木乃伊になってしまった照屋礼子の抹殺を願う。それを阻止しようとする鳴尾。このクライマックスは頭にバーンっとシーンが浮かんできた。鳥肌もんのシーン。
 照屋礼子という大量殺人犯の目線で描かれることが、最初は読みづらく、途中から馴染むと一気に引っ張っていく。今の北朝鮮問題を鑑み、人間というものはその状況で変わってしまう(誤解を恐れず言うならば洗脳されてしまう)。おもしろいのだけど、身に迫る怖さを感じた。

『魔笛』 2002.9.20. 野沢尚 講談社



2002年10月24日(木) 一卵性

 はじめてホラーウェイブという日本初のホラー小説専門誌を読んでみている。(でも数年前のぶに) 森奈津子さんと恩田陸さんの名前が連なっていたからv陸ちゃんはエッセイらしいけど。森奈津子さんの作品は鬼畜ホラー競作の中に牧野修さんと名前を並べておいでです(笑)。
 しかし、この『一卵性』ものすごぉーくエロティック〜。読んでいてどきどきしちゃう。森奈津子さんの描く危ない世界って好きなのよねー。タイトルどおりお人形のように美しい一卵性双生児のいけない物語です。

『一卵性』 1999.ホラーウェイブ2より 森奈津子 ぶんか社



2002年10月23日(水) 炎迷宮 −京&一平シリーズ25−

 ま、また漫画です。ええ。汗っ。駄目なんですよー。漫画コーナーに行くと知らずに済ませられなくなっちゃう。京ちゃんの行く末も気になるのよ、私。とほほ。
 事件があるから名探偵を呼ぶでなく、名探偵が行くとこ事件が起きる(笑)。じゃ、もう動くなよーっ。アハハ。今回も京ちゃんは一平くんとこのみちゃんのデートにくっついて行って事件に巻き込まれてしまいます。でも京ちゃんを釣るこのみちゃんの餌の撒き方はあいかわらず的を射ている。今回はゲームショウ。前はアクセサリー店のオープンだったなぁ。
 交通事故で足をリハビリしている女の子が、がんばれって言われることが辛いのって泣きます。自分ではがんばっているのにどうしたらいいかわからなくなる時に励ましの言葉は重いですよね。かくいう私、旦那が死んだ時、逃亡者となり、博多や東京や大阪を転々と逃げ回っていました。マンションにいると誰かが来てくれるんですよ。心配してくれて。でもそれにすら対応できないから消えていた。そのまま消えようかとも思った。頑張れという言葉を私もよく使うけれど、あの頃の自分を思い出すとただそう言うことも罪作りかもしれないなぁ。
 おお、話がいつもどおりそれまくりました。一平くんとこのみちゃんの結婚もやーっと決まりました。でもおおらかな一平くんの未来には必ず京ちゃんがいる。京ちゃん、よかったね。でも今回うさぎになった京ちゃんが見れなくてちょっと残念。漫画でこんなに長く語ってるー。

『炎迷宮』 2002.8.25. 神谷悠 白泉社



2002年10月22日(火) 紅と蒼の恐怖

 豪華作家陣による書下ろしホラー・アンソロジー。アンソロジーのよいところは未読の作家さんの作品に触れることができること。そこからまたその作家さんのご本を読むようになる訳でv
 今回、読んでみようと思いながら、いまだ未読作家さんのおひとり北川歩実さんの「心の眼鏡」を読むことができました。ふーん北川さんってこういう文章をお書きになるのね。また長編にチャレンジさせていただこうっと。
 9人の作家さんの作品が載っていて、どの作品もそれぞれになかなかおもしろいです。「リカ」でデビューされた五十嵐貴久さんの「嗜虐」、これはよい。かなりエロですが、最後への持っていき方が好き。あと倉坂鬼一郎さんの「分析不能」、これは怖いですー。ヒロインの立場になって考えると発狂もんです。
 ほかにも柴田さんや牧野さんもご登場されていて、中身の濃い一冊です。

『紅と蒼の恐怖』 2002.9.5. 祥伝社 NON NOVEL



2002年10月21日(月) 天然素材でいこう。

 月間の漫画を買わなくなって久しいです。でも買っていた頃に好きだった漫画は気になるのでコミックスで読むことになりますv 
 しかぁーしっ! ま、まさか最終巻だとはーっ。しかぁーもっ!! 前巻を読み逃しているし・・・。うーにゃぁ。明日買わなきゃ。
 終わってしまいましたよー。大好きだった学園漫画。主人公より脇キャラの方がよっぽど主人公だらけだったこの漫画。私のお気に入りは北大路理々子嬢。麻生みことさんの言に寄ると、彼女がダントツ人気だったそうな。彼女のラストと美晴のラストはおおいによし。でも・・・そりゃぁ影の薄い存在感のないヒロインだったけど、二美ちゃんがぁぁぁ。あーんあーんあーん。読んで私は泣けました。クスンクスン。
 三千院に、千津や百合ねぇや居酒屋ジョージさんや薫やナルさん。ストーカーのうさぎくんに美晴のねぇちゃんズ。本当にヒロインとその兄意外は個性の強い脇役陣だったこと。あ、高雄氏を忘れていた。汗っ。
 好きな物語のラストシーンは見たくない。読みたくない。いつまでも続いて欲しい。そんな漫画でした。
 なんだか最近漫画づいてますv

『天然素材でいこう。』10巻 麻生みこと 2002年10月10日 白泉社



2002年10月20日(日) 天然素材でいこう。ー9巻ー

 えっと、これを書いているのは実は10月22日です。21日の前にきてしまいますが、あしからずぅー。
 昨日(21日)読んだ「天然素材でいこう。」Lastが涙ぼたぼただったのですが、未読の9巻を買ってきて読んだらもっともっと涙が流れましたー。あーん、ああーん、あああーんっす。この9巻があってこそのラスト10巻だったのですねぇ。
 高校卒業を間近にした、女王様ズ(理々子と美晴)と二美ちゃん。想う人が自分の親友を大好き・・・それってつらいだろうなぁ。はぁ。理々子の恋心が痛かった。千津が原因で二美が高雄氏に振られたことを知った美晴が「ちょっとシメて来てよろしい?」と行きかけるシーンが一番好きー。そう美晴も最高に気持ちいい女(やつ)なんだよねー。
 ずっとのほほーんとあまあまな関係が入り乱れていたけれど、最終章に向かった時、麻生みことさんは厳しい現実をつきつけたんだなぁ。
 漫画あなどれず。

『天然素材でいこう。』9巻 2002.4.10. 麻生みこと 白泉社



2002年10月18日(金) 20世紀少年

 漫画というのは、ここまでの表現力があるものなのか。もう映像を見ている感覚でしたよ。浦沢直樹さんは『モンスター』で、心底楽しませてもらっていたので、この『20世紀少年』も読みたくてたまらなかった。今日やっと1巻から4巻まで読みましたが、面白すぎます。もう次が次が読みたぁーいっ!!!
 主人公ケンヂは、姉の娘カンナを育てながらコンビニを切り盛りしています。普通の生活をしているケンヂのもとに少年時代の過去が関わってくる。しかもそれは日本を世界を滅亡させるものかもしれない・・・。
 すごいですよ。テンポと言い、次々起こる事件に登場人物。浦沢直樹さんはただものじゃない。たまたま漫画という表現方を選ばれたわけですが、きっとどんな表現方を選んでいても人を惹き付けずにはいないでしょうね。天才です。
 私が、今いちばん気になる登場人物は‘ショーグン’vらぶvv

『20世紀少年』 浦沢直樹 (今のとこ4巻まで)



2002年10月17日(木) ライン

 この作品は、1990年に講談社ノベルスから『パソコン通信殺人事件』として刊行されたものを、文庫化にあたり改題し、大幅加筆修正したそうです。
 今から10年以上前の電脳社会の問題は漏れ聞いていました。その当時を反映した物語です。主人公の薫は、夜な夜なチャットにはまり、仮想世界でモテモテアイドルに変身します。仮想世界と現実の世界が交錯したときに起きてしまう事件は。
 うーん、ほんの一昔前のことですが、実際あったような事件なのでしょうね。今でこそみんな慎重だし、マナーもありますが。
 こういう下手をすると匿名で済んでしまう世界だからこそ、礼節を重んじたいと思います。文はひとなり、ですよね。つくづく。

『ライン』 1997.11.15. 乃南アサ 講談社文庫



2002年10月16日(水) 輝夜姫

 漫画も好きなのですが、本を読むほうが忙しくてなかなか漫画にまで手がでません〜。まぁそれはしょうがないことなんですが。時間には限りがある。うむっ。
 それでも、読み続けている漫画はやはりあって、この『輝夜姫』はずーっと揃えています。昨日お使いの途中で病のように近所の本屋に寄り、見つけて買ってきてしまいました。輝夜姫最新刊20! あいかわらず清水玲子さんの絵は惚れ惚れします。ヒロインの晶、こんな子が側にいたらアータ私ゃ押し倒しますね。ええ。でも返り討ちにあうな、晶ちゃん強いから。
 この物語、清水玲子さんの連載当初の物語とはずいぶんと路線変更があったような気がします。最初はこういう物語になるなんて思われてなかったんじゃないかなー。うーん。
 今回は、碧の苦悩がいじましくも可哀想。まゆも相変わらず苦しんでる。愛って時として残酷なものだから。碧とまゆってとんでもなくKeyPersonなのでしょう。この輝夜姫の物語において。そしてミラーとサットンの恋の行方(笑)も気になるところ。新しい不気味なおじさまも出てきちゃったしなぁ。あ、マギーの復活は嬉しい〜。あぁいうおねぃさん大好き。ころころ寝返りそうだしv
 最後に頑張れ、晶。君のヌードが堪能できてこの新刊よだれもんだったわよー。

『輝夜姫20』 2002.10.10. 清水玲子 白泉社



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