酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
DiaryINDEX|past|will
| 2004年07月04日(日) |
『禿鷹の夜�供〔桔蛭�都市』 逢坂剛 |
史上最悪の刑事ハゲタカ。警察組織内の腐った男たちを向こうに回し、ばったばったと切り倒す・・・。
うーん、スケールアップしてるノワールさ。ハゲタカって極悪非道なのだけど、どこか筋が通っている。とにかく自分なのだけど、そこがいっそ小気味よく読めてくるから不思議なもの。中途半端な悪党より潔いかも。リベンジのため殺しも厭わない刑事なんてフィクションにしか登場できないわ。今回はごくごく小出しながらハゲタカの心情が浮かび上がってきます。脇のヤクザがかっこいいのも妙なんだわ。
「いくら数を掻き集めても、くずはくずでしかない。おまえは、そのくずの山の上に寝そべっている、ただの大くずだ」
『禿鷹の夜�供〔桔蛭�都市』 2002.1.15. 逢坂剛 文藝春秋
| 2004年07月03日(土) |
『禿鷹の夜』 逢坂剛 |
神宮署の異色刑事ハゲタカこと禿富鷹秋(とくとみたかあき)。極悪非道なハゲタカはヤクザも刑事も容赦なくぶちのめす。自分の利益のためなら手も汚す。しかし、南米マフィアの進出抗争で恋人が巻き込まれ・・・
表紙を見かけるたびに気にかかっていた逢坂剛さんの『禿鷹の夜』をやっと読めました。表紙のイラストが渋くってかっこいいのv 内容はとんでもなく暗黒ハードボイルド。物語の真相は簡単に読めてしまったことが難点。でもスキッとさわやか(?)にハードボイルドぅぅぅでした。主人公のハゲタカの心情が一切語られないことが面白かったわー。まずまず気に入りました。
ここでひるんだら、二度とやくざの道は歩けなくなる。
『禿鷹の夜』 2000.5.10. 逢坂剛 文藝春秋
| 2004年07月02日(金) |
『ツール&ストール』 大倉崇裕 |
中野駅が鬼門。それは白戸修が、人のよさゆえに事件に巻き込まれる場所だから・・・。
巻き込まれ体質の白戸君が関わると、さまざまな事件もなんとなくそれなりの形に収まってしまう。名探偵ではないけれど、人の心をすっと掬い上げる心優しきお助け人って感じ(笑)v 通勤のお供にひとつずつ読んでいましたが、心がほのぼのしました。噂たがわぬ‘癒し系’でした。
「二十四万、倉田に渡して下さい。もともとは、倉田のやるべき仕事だったんですから」
『ツール&ストール』 2002.8.10. 大倉崇裕 双葉社
| 2004年07月01日(木) |
『パズラー』 西澤保彦 |
「蓮華の花」 作家になった日能(ひなせ)克久は、同窓会出席のため帰郷する。そこで亡くなったと信じ込んでいた同級生と再会する。そして甦る記憶・・・
「チープ・トリック」 悪評の高いスパイクが首を切られて死亡。トレイシィのもとへスパイクの仲間ゲリーがやってくる。ゲリーは、トレイシィの友人ナタリーが殺人犯だと言うのだが・・・
西澤保彦さん念願のパズラー短篇集。私が西澤保彦さんファンになる前の作品も読むことが出来て、ものすごくお得。そして6つの短篇は、それぞれ西澤保彦さんの持ち味を楽しむことができるので、ますますお得。 甲乙つけがたい中で私がお気に入りに選んだものは「蓮華の花」と「チープ・トリック」です。どちらも異様な残酷さと、もしかするととってもホラー風味なところがいいv 「チープ・トリック」は西澤保彦さんならではのセクシャルさも際立っています。面白かった〜。
「人間てね、それがどんなにボウトク的で恐ろしいことか判っていても、気持ちがいいと一旦知ってしまえば、絶対に、それをまたやりたくなるものなのよ − でしょ?」
『パズラー』 2004.6.30. 西澤保彦 集英社
| 2004年06月30日(水) |
映画『ボーン・アイデンティティ』 |
嵐の地中海沖。イタリア漁船が、波間に漂う男を救出。数発の弾丸に打たれ、お尻にはスイスの銀行の口座番号が印されたカプセルが埋め込まれていた。この男、記憶を失っていた。たどり着いた銀行で、自分がジェイソン・ボーンと言う名前だとパスポートを見て知る。しかしそれも束の間、違う名前のさまざまな国のパスポートと紙幣が保管されていた。ボーンは、忍び寄る気配を反射的に排除する。彼はずば抜けた戦闘技能と語学力を持っていた。ボーンに忍び寄る敵との死闘がはじまった。俺はいったい何者なのか?・・・ボーンは自分を発見できるのだろうか?
公開当時、観そびれてしまった映画をやっと観ることができました。『リプリー』でのマット・デイモンは、うまい役者さんだなぁと感じたくらいでした。しかし、この『ボーン・アイデンティティ』のマット・デイモンは最高にセクシー。鍛え上げられた肉体が素敵。 洋画を観る楽しみのひとつに、その背景となる風景があります。この映画では、イタリア・スイス・フランスなど美しい街並みを堪能できます。よくカーチェイスをあの街並みで撮影できたものだと感心することしきり。 この秋には、ジェイソン・ボーンの物語の続編が公開予定だそうです。あぁ、またあの麗しき肉体を観れると思うとわくわくだわーん。 サスペンス・アクションとして楽しめます。オススメっv
| 2004年06月29日(火) |
『動物園の鳥』 坂木司 |
ひきこもりのプログラマー鳥井真一。彼を世の中に生み出そう(笑)と努力し続ける坂木司。今回は動物園付近で発生する野良猫虐待事件を解決することに。真っ青になりながら、坂木や仲間達と動物園まで出向く鳥井だが・・・。
さて、相変わらず言葉づかいを知らない鳥居君。物語的にはそういう態度すら受け入れられるおとな(お年より)を配していますが、やはり暴力的な発言はちょっとなぁ・・・と顔をしかめてしまったわ。 今回は、鳥井がひきこもりになるきっかけを作った同級生が登場。つくづく加害者は被害者の心に無頓着なんだと頭に来ました。想像力欠如した人間ってサイテー。 そんな中、新キャラ(今回で完結らしいけど)の美月ちゃんがクールでよかった。我侭にも筋が入っていて、なんてったって可愛いし(ポイント高い)グー。八方美人なんてくだらないと言い切る態度が好ましい。合わない人と無理して付き合う必要はない。どうしても関わらないといけないところは、一応おとなな顔してさらりと流しますが、心は閉ざす。心が合わないと決めた人とは付き合うだけ不愉快な思いをすることが多いもの。たとえば仕事とか社会的に仮面を被る時はあるけれど、自分の世界には好きな人しか存在させたくない。
「そういうことを言ったら、どういう結果を生むのか。何をしたら、何が起こるのか。それを考えずに口に出すのって、ある意味犯罪よりもたちが悪いわ。思ったままを口に出すのは、子供か馬鹿な大人のすることよ」
『動物園の鳥』 2004.3.25. 坂木司 東京創元社
| 2004年06月28日(月) |
『百万の手』 畠中恵 |
夏貴の目前で親友・正哉が火に呑みこまれてしまう。正哉は火事になった家の中の両親を助けたかったのだった。形見の携帯から正哉が放火犯を突き止めて欲しいと語りかけてくる。そして火事現場で見た正哉そっくりの少女。夏貴は事件に挑み、とんでもない事実に行き当たるのだが・・・
こういう落としでしたか。いやはや、やられました。実は、もっとホラーちっくな展開かと想像していたのですが。まぁ、ある部分ものすごーく不気味にホラーではありましたが。夏貴の新しい義理の父親候補のホストあがりの東がいいキャラクターです。こういう大人が側にいてくれるなら、夏貴はきっとだいじょうぶ。
「どんなにもっともそうな意見があっても、他人の言葉を鵜呑みにするんじゃないぞ。人間なんだからな。誰かの頭を自分の脳みそ代わりにしては駄目だ!」
『百万の手』 2004.4.30. 畠中恵 東京創元社
| 2004年06月27日(日) |
『クラインの壺』 岡嶋二人 |
上杉彰彦が書いた「ブレイン・シンドローム」が、イプシロン・プロジェクトの目に留まり、ゲーム化されることになる。彰彦はモニターとしてクライン2という機械に入り、ゲームをシュミレーションすることになる。クライン2は全身でゲームを疑似体験できるという優れものだった。倍率の高いテストをパスしてきたアルバイト高石梨紗という美人とともに嬉々として自分のゲームをモニターする彰彦。しかし、彰彦は捩れた世界に迷い込んでしまい・・・
すごかった。こういう作品を読んでいなくて「趣味は読書です」なんてよくも恥ずかしくなく言ってきたもんだ。読了後、穴があったら入りたくなってしまった。 この『クラインの壺』は、1989年が初版。この作品を最後に岡嶋二人さんが一人と一人に戻っていったそう。さまざまな情報を見ていると、この作品はほぼ井上夢人さん作品に近いらしい。一世を風靡したふたりのコンビが解消される、そのことが物語のラストに暗喩されている気がした。穿ちすぎかしら。 今でこそ、こういうオチは多いけれど、1989年に読んでいたかった。もし、1989年の私がこれを読んでいたら、きっと読書体験が変わっていたはず。それくらいインパクトの強い面白い物語でした。万が一、未読の方は是非。オススメ。
「はじめのところから始めて、終わりにきたらやめればいいのよ」
『クラインの壺』 1989.10.25. 岡嶋二人 新潮社ミステリー倶楽部特別書
| 2004年06月26日(土) |
『満ちたりぬ月』 林真理子 |
絵美子は昔とはまったく変わってしまった夫にげんなりしていた。ぱっとしない自分に比べて短大時代の友人・圭はイラストレーターとしてきらきら輝いて見える。34歳の今、絵美子は離婚を決意し、圭を目標に生きていこうとするのだが・・・
私が林真理子さんを好きになれない理由は、この手の女同士の友人関係を好んで描かれる点。こんなの友だちじゃないもの。互いが互いを尊敬しあっていないと友情は成り立たない。表面はどうあれ、腹の中で相手を見下して付き合うなんて時間がもったいなさすぎる。 この物語の絵美子も圭もどっちもどっち。しいて言えば圭の方ががむしゃらに頑張って生きてきたぶに可哀想かなぁと思うけど・・・絵美子みたいな女と付き合うあなたが悪いのよって言ってあげたい。だいたい家庭とキャリアとどっちが幸せ?なんてテーマが問題外。どっちだっていいじゃん。自分が納得して選んで生きてるんだから。間違っていると気付いたら、そこから軌道修正すればいい。どちらがどうなんてことあるわけない。
男と寝た次の日は、肌の調子がまるで違う。内側から艶が満ちてくる。
『満ちたりぬ月』 1992.3.10. 林真理子 文藝春秋文庫
| 2004年06月25日(金) |
映画『ペーパーボーイ』 |
閑静な住宅地に丸まった新聞をぽーんっと放り投げいれられる。アメリカならではの朝の風景。ジョニーは早朝から新聞配達のアルバイトをしている。母親を亡くし、不在がちな父親。ジョニーは隣にやってきた美しい母娘メリッサとケミーにまとわりつきはじめる。メリッサは母の突然の死のため実家に帰ってきたのだった。親切で陽気なジョニーだったが、だんだんと疎ましくなってくる。そしてジョニーが本性を表し始め・・・
これはなかなか良いサイコ・スリラーでした。主人公の少年の異常さが際立っていく過程が面白かった。心に傷を負った少年。でも母親の虐待だけが少年を異常にさせたとも思えない。やはりモンスターはモンスターに生まれるのでは。 しかし、ヒロインのメリッサの鼻が気にかかる(笑)。どうしてアメリカ人はあの鼻をした女性を好きなのかしら。疑問だわ・・・。娘役のおじょうちゃんはむちゃくちゃキュートでした。真っ白な肌にふわふわの巻き毛。うーん、かわゆいv
|