酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2004年09月26日(日) |
舞台『一六三人の目撃者』 原作/倉知淳 脚本・演出/直塚和紀 |
舞台の上演中に俳優が倒れ、ぴくりとも動かない。163人の観客がパニックを起こさず公演を終了させるべく四苦八苦する出演者たち。163人の<積極的な目撃者>の目前で起こったことは自殺なのか。他殺なのか・・・
劇団LEDのナオツカさんは岡山市出身。今回は故郷に錦を飾る凱旋公演となりました。私の友人だけでも東京・名古屋・鹿児島から駆けつけましたし、ナオツカさんのおかぁさまに伺ったところ、北海道から来られた方もいらしたそうです。なんだかものすごいことだなぁと思いました。 さて、その舞台ですが素晴らしい出来栄えに満足させていただきました。話の展開も、ちょっとした見せどころも、ナオツカさんうまい! 昨日・今日と二日続けて見させていただきましたが、見る場所を変え、視点を変えたので両日楽しめました。 そしていつもながらのはたまみさんの美しさにはメロメロ。お顔だけでなく肢体の美しさは垂涎。はたまみさんは人に見られるために生まれてきた女性だと感じました。神様に愛されてる。そして個人的にはハシケンさんが大好きなのでしたv
2004年09月22日(水) |
映画『スウィングガールズ』 |
ひょんなことからビッグバンドジャズをやることになった女子高校生たちとひとりの少年。猛特訓を重ね、演奏の魅力にとりつかれた矢先に御払い箱となってしまう。強がって清々した!と言って部屋を出て行くも、なんとも言えない想いに泣き出してしまう。そして彼女達と彼は本気でジャズにのめりこんでいき・・・
うー、もう最高!にスウィングしてしまいましたぁぁぁ。さすがは矢口監督。『ウォーターボーイズ』に勝るとも劣らぬ楽しさを提供してくれました。柳の下にドジョウはまだまだいそうです(笑)。 5人の中心的なキャラクターたちが、それぞれにいい味を出しています。人気のヨゴレ系浮気キャラの良江ちゃんは、なんと言っても顔がかわいい。あの顔だからアノ性格も許す。天然ボケの香織ちゃんは案外静かな人気を獲得しそうです。主人公の友子は、どこにでもいそうな迷惑キャラですが憎めない〜。黒一点の中村君は、ボンボンだけど、ちゃんとガールズをまとめてえらい、えらい。そして私のハートを鷲づかみしたのは直美ちゃんだっv このキャラクターはいいですわー。ハーゲンダッツのでっかいアイスをばかすか食ってるシーンがあるのですが、そこがとんでもなく衝撃的で(笑)。ボソっと妙な発言をするとこがツボ。 音楽もいいですねー。私の前で観ている人たちの身体が揺れていてスウィングしてるーと思いました。私も足でリズムとってましたv 超オススメ映画です。うふ。
2004年09月20日(月) |
『永遠の館の殺人』 黒田研二・二階堂黎人 |
俺はこの旅行で、ヒカルを殺す計画を立てていた・・・和馬は別れてくれず、ストーカーのようになってしまったヒカルをスキーに誘い出し、遭難に見せかけて殺してしまおうと考えていた。計画通りに事が運んでいたかと思ったが、一匹の真っ白なウサギが現れ、追いかけるうちに二人して遭難してしまった。そして迷い込んだ山荘。その館には一世を風靡した作家が住んでいた。そこにいる人間達の行動はなにもかも妙でうさんくさい。そして‘やはり’惨劇がはじまった・・・!
うーん、クロケンさんと二階堂さん=クィーン兄弟の合作3作目にして完結編はこうきましたかぁ。なるほどなぁ。でもスッキリしない。まだ続きそうな気がする。またいつかキラー・エックス復活! とかって狙ってるのかしら(笑) こういう作品にいちゃもんをつければきりがない気がします。単にのせられて楽しんだモン勝ちって言うか。私的には<永遠>の使い方がタイトルも内容も気に入ったので面白かったのです。ただ、このクィーン兄弟三部作、世間的にはあんまり評判よろしくないようで。私は単純にだまされて単純に「なるほどー」って思っちゃった。えへへ。
「あたしはなぜ理由もなく人を殺し続けるのだろう? その答えがわかるまで、繰り返し殺し続けなくちゃならないんだ」
『永遠の館の殺人』 2004.7.25. 黒田研二・二階堂黎人 カッパ・ノベルス
2004年09月19日(日) |
『千年岳の殺人鬼』 黒田研二・二階堂黎人 |
ホテル<ル・ヴェール千年岳>がテレビに映った。そこに泊まっているフミコは驚いて同室のシューラに教える。この辺りでタイムスリップが多発していると専らの噂を追いかけた取材らしい。 フミコはメルボルンの日本語学校の講師。生徒達総勢15人でスキー旅行を兼ねて千年岳へやってきた。15人は観光組とスキー組に分かれて行動するが、スキー組は遭難(?)しかけ、その雪山の山小屋で惨劇がはじまった・・・
タイムスリップなんてどう料理するんだろう、とものすごく心配してしまった。こう落とすのかー。なるほどー。いろんなトリックがはりめぐされていて今回も騙された感じ。ただ‘倭文子’の読み方を、江戸川乱歩の作品で知っていたからちょっと残念だった。知らなかったら、まるっきりわからないままだったりして(苦笑)
私は人を殺すのがたまらなく好きなの。ただ、それだけよ。
『千年岳の殺人鬼』 2002.12.20. 黒田研二・二階堂黎人 カッパ・ノベルス
2004年09月18日(土) |
『キラー・エックス』 クィーン兄弟 |
小説家・本郷大輔は、高校時代の恩師に招待され<深雪荘>へ。シゲルちゃんと慕われていた恩師は、事故のため不自由な身体になってしまったらしい。集まった6人と話すうちに招待した人物がシゲルちゃんではないことが判明する。シゲルちゃんの身体にあわせてオートメーション化された雪の山荘で惨劇がはじまった・・・?
これはクィーン兄弟と称したふたりの作家さんの合作。この兄弟を当てるという企画もありました。『永遠の館の殺人』を読んだため、『キラー・エックス』と『千年岳の殺人鬼』も読んでみました。この『キラー・エックス』はふたりの頭脳をぎっしり詰めたという感じで、振り回されながら読みきったという感じでした。しっかりだまされましたけどねー。
「けっこう、ずるい表現ですね」
『キラー・エックス』 2001.11.25. クィーン兄弟 カッパ・ノベルス
豪華なマンションの2LDK。タレント事務所社長のもと愛人が暮らしていた部屋をふたりの女がシェアしている。ひとりは自称「映画女優」の先輩ラナ。ひとりは佐渡島出身のB級グラビアアイドルのノゾミ。二人は「極道の女房たち」=ごくにょう(笑)のオーデションを受け、奇しくも最終選考にふたりが残ってしまった。些細な行き違いが口論となり、殺し合いの肉弾戦に発展してしまうのだが・・・
短い作品だからと気軽に観ていたら、むちゃくちゃホラーでしたよっ(驚愕)! ライバル関係にある女ふたりが事務所の意向でルームシェア。先輩・後輩の関係上、表面的には後輩が我慢をしつつ腹の中で毒づく様子は納得できます。また先輩も後輩をコ馬鹿にしていてありそう〜ってこれまた納得(苦笑)。それが殺し合いまで始めてしまうのだから、ジャパニーズ・ホラーですよ。しかもスプラッタ。 堤幸彦監督らしい言葉の応酬が面白かったです。女同士は一緒に暮らすもんじゃないわ。
2004年09月16日(木) |
漫画『ホムンクルス3』 山本英夫 |
名越はトレパネーションによって、左目が見る人間の形に翻弄されながら、接することをやめられない。人間オタク医者のボンボンの見解は‘人々の心の深層心理に沈んだ歪み=ホムンクルス’と語る。そして名越は、気づく。化け物に見える人間と見えない人間がいることに。それは・・・
1巻と2巻では、ヤクザの大親分=ターミネーター初代ロボが登場しました。3巻では新世代の最新ホムンクルスが登場します。それはとってもキュートな女子高校生v ボンボンに言わせれば、ターミネーター2の変幻自在新型ロボT-1000.うまいこと言うなぁ。このかわいい女子高生の心の歪みと名越はどこでリンクしているのか? 待て、次号。なのですが、いつ出るんだろう。 噂の範囲なのですが、山本さんは大麻所持で捕まっていたらしい。そのためにこの漫画もしばらく休止したいたとか。ちゃんと最後まで書いてくれないとストレスたまっちゃうよう。
人間の眼というのは、 目の前の世界を映すだけのものではありません。 目の前の世界に、 自分を映し出すものでもあります。
『ホムンクルス3』 2004.9.1. 山本英夫 小学館
2004年09月15日(水) |
漫画『ホムンクルス2』 山本英夫 |
人間オタクの医者のボンボンにトレパネーションを施された名越の左目は異様なものを見るようになってしまう。ぶつかってしまった暴力団組長は、ロボットの姿。そしてそのロボットの中から現れる少年の姿? 名越が見ているものとはいったい・・・
名越は謎と暗闇をたくさん抱えた男。その名越が左目で感知する人々の異形のカタチ。怖いです。名越の左目に私はどんなふうに映るのだろうと考えると。 昔、ものすごく怖いと思った漫画がありました。いつどこで見たのか忘れているのだけど、妙に強烈に覚えているシーンがホムンクルスにちょっと似ている気がします。ある家の2階から見ていると、そこに入ってくる人の本当の姿が見えてしまう、というものでした。で、ある日、録画した自分の姿にぶったまげる・・・みたいな感じだったような。本当に恐ろしいのは人間の本当の姿なのかもしれないですね・・・。ひゃー。
ここは人間(ばけもの)が多すぎる・・・・・・
『ホムンクルス2』 2004.6.1. 山本英夫 小学館
2004年09月14日(火) |
漫画『ホムンクルス1』 山本英夫 |
過去も身元も不明。虚言癖のある車上生活者。新宿西口の駐車場でホームレスの中へもサラリーマンの世界にも属せない屈折した心理。車の中で胎児のように眠る。ある日、妙な男から「70万で頭蓋骨に穴をあけさせろ」と言われる。最初は断るが、命の車をレッカー移動され、話に乗る事に。ホテルで打ち合わせをしようと入った高級ホテルの従業員に、その男は「名越さん」と呼ばれる。昔は常連だったらしい? そして名越はついにトレパネーションを受けるのだが・・・
ぶったまげました! 何が驚くかと言うと帯に‘※作品中の『トレパネーション』は極めて危険な行為です。絶対に真似をしないでください。’という警告があることです。・・・こんな真似をする人がいるってこと? 理解不能。怖すぎる。 今月号のダ・ヴィンチに紹介されていて、たまらず速攻買いに走ってしまいました。現実にこういう頭蓋骨に穴あけなど真似をしようとは思いもしませんが、脳の不思議にはものすごく興味があります。過去を抱えるらしき名越をいったいどんな明日が待っているのだろう。どきどき。大病院(脳神経外科)のまともじゃないボンボンの伊藤学もかなり危なくて素敵。
ホームレスが集まる公園・・・・・・・と、 常識人の集う一流ホテル・・・・・・ ちょうどその狭間にいるってところがいいじゃないですか。
2004年09月13日(月) |
『暗闇でささやく声』 ジョイ・フィールディング |
テリーは40歳独身の看護婦ひとり暮らし。家の裏のコテージをレンタルする旨、病院の掲示板で募集したら、アリソン・シムズという若く美しい女性がやってきた。無邪気で可愛らしいアリソンにどんどん惹かれていくテリー。警告のささやきを無視してコテージを貸す事に決めてしまう。アリソンがやってきてから、数々の不審な出来事が起こり始める。その場限りの言い逃れを繰り返すアリソン。テリーはだんだんと追い詰められ・・・
まさに大どんでんがえしっ! 久しぶりにこの路線を読んだなぁ。面白かった。ふと大好きだったジョン・ソウルの哀しい女の物語を思い出しました。結局、ある程度年を重ねてしまったひとりもんの女って疑心暗鬼が生まれるし、存在が物悲しいんだよなぁ。とんでもない結末だけど、許せてしまう。哀しいから・・・
『暗闇でささやく声』 2003.5.10.ジョイ・フィールディング 文春文庫
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