酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2004年10月31日(日) 映画『HALLOWEEN�掘)盻�の季節』1983

 カリフォルニア州北部。逃げる男が残した言葉は「ヤツらが来るぞ」だった。小さなおもちゃ屋を営んでいた男が残したものは、シルバー・シャムロック社のハロウィンの被り物(ジャック)だった。男の最期を看取った医師とその娘は謎の究明にシルバー・シャムロックのお面工場へ向うのだが・・・

 えーっと、マイケルはどこへ行ったの? マイケルはいつ出てくるのかドキドキしながら(嘘)待っていたのに、話はSFなのか狂信宗教ものなのかよくわからないごった煮でした。前2作とはまったく違う物語だったのね、と気づいたのは見終わった後でした。マイケルを待っていたのに(笑)。
 子供たちに被らせるハロウィンのお面で世界を滅ぼす? よくわからないところが(滅ぼすならもっと確実な方法がありそう)怖さということ・・・なのかもしれません。いやはや、それでも今回もありました! 出会ったばかりの男と女が謎を究明に同じ部屋に泊まり、いきなりセックス。いいのか、それで(大笑) まだまだこのシリーズは続くらしいのですが、どうしてここでするの?と思わせるセックス・シーンばかり異様に際立っていました。変なのー。



2004年10月30日(土) 映画『HALLOWEEN�供.屮�ーマン』1981

 前作『HALLOWEEN』のラスト・シーンから物語りはスタート。前作のラストでばかばか撃たれたマイケル(=ブギーマンになってしまった)は、何故だか血痕を残したまま消えていた。そして病院に連れて行かれたローリーをまたもや付け狙うのだが・・・

 前作のラストの夜から話は続いていて、まさに続編だーと妙に納得してしまった。心が無いマイケルはブギーマンに変身し、撃たれても死なないし、心が無い割にはローリーに執着する。ハロウィンの起源のケルト語のサムハンという言葉が出てくるあたりが、ちょっとだけワンポイントレッスンかしら。サムハインとは死者の王という意味らしい。要するにハロウィン・ナイトは境界線が無くなってしまうから、生者も死者もいっしょくたなのですねー(たぶん)。
 しかし、今回は職場(病院)でセックスしているカップルがいる(大笑)。まぁ、これは日本でもありかもしれない。人様のお宅でのセックスは受け入れられないが、職場ならありえるかもと思うってのは人としてどうなのだろう。
 あ、マイケルくんは一応焼き殺されました。死んだかどうかはわかりません。



2004年10月29日(金) 映画『HALLOWEEN』1978

 1963年イリノイ州、ハロウィーンの夜、BFを招きいれ情事を楽しんだ後の姉を少年マイケルは刺殺する。病院へ収容されたマイケルは15年間ひとことも喋らず、突如脱走し、故郷へ帰る。Doctorルーミスはマイケルに心が無いからっぽで邪悪だと診断していた。ルーミスは単身マイケルを追いかける。1978年のハロウィン、若者達は親の目を盗み、恋人との時間を謳歌しようと必死。そんな中、ローリーはベビーシッターのアルバイトをしていたのだが・・・

 ジョン・カーペンターの出世作とは聞いていましたが、これはもはや古典。電話がダイヤル式であることに新鮮に驚きました。日常生活のものってハッキリ時代を浮きあがせる道具だと痛感したくらい。
 この映画の後に13日の金曜日シリーズなどができたそうなので、影響力はあったのでしょう。怖いかと問われれば、昨今のホラー慣れしている私にはさほどではないです。ただマイケルがどうしてローリーを付回すのか、最後にその理由のような事実が発覚するけど、でもどうして?・・・うーん(悩)
 それより、ベビーシッターのアルバイト先の家庭で平気でセックスしたり、ビールを呑んだりする感性の方がよっぽど怖くて信じられないよ、のことでありました。



2004年10月27日(水) 『淫らな罰』 岩井志麻子

「隣の花は黒い」
 陽子は一人息子と夫と三人暮らし。仕事でも子供の幼稚園のママ仲間でも悪口を面白く仕立てて吹聴し、人気があると錯覚している。幼稚園ママ仲間の有名人の美咲は美人で過去の自慢話ばかり。陽子は美咲の過去を探り当て、アイドルMとあだ名をつけ、またまたみんなに触れ回ろうと興奮気味。ただ隣に引っ越してきた女がちょっと妙なことが気にかかる・・・

 さすがに女同士のいやな張り合いや悪意を描かせたらうまいじゃないか、岩井志麻子!(これは誉め言葉と言う事でひとつv) 隣の芝生は青い。どうしてもよく見えてしまう、そういうタイプの人って不幸だと思う。そういうタイプの人たちの哀れな悪意の物語が5つ。
 どの物語も面白かったのですが、取り上げた「隣の花は黒い」は特に面白かった。ただ馬鹿な主人公が自分と同じ名前ってなんだかやな感じ〜。読んでいて陽子のあまりのオバカっぷりに辟易したくらい。とほほ。口は災いの元。ご用心。ご用心。

「すべての人に『良き隣人』でいてほしかったら、距離は保つことよ」

『淫らな罰』 2004.5.25. 岩井志麻子 光文社



2004年10月26日(火) 『百鬼夜行抄12』 今市子

 妖魔と共存する飯島ファミリーの新刊ですv 今回は、律の司への微妙な気持ちがわかってものすごーくいい。尾白と尾黒は相変わらず妙で落ち着かなくてソワソワっぷりが可愛いしー。あんなペット欲しい〜。一緒に夜毎酒を呑んでどんちゃんやりたいー。
 とにかくキャラクターたちが好きな人(妖魔)ばかりでありますが、誰より愛しているのは律のおかぁちゃんです。いやーこんな母親って最高ですね。すっごい変な人だ。でも器が違うと言うか、大きな温かい存在だなぁと思うのです。あ、そう言えば今回は、ばぁちゃんがあんまり登場しなかったな。あのばぁちゃんも好き。
 また主人公にして描いて欲しいのは男殺しの異名を持つ晶ちゃんかな。

 なんで来たの? 司ちゃん
 ・・・お酒が飲み放題だって連絡がきたから

『百鬼夜行抄12』 2004.10.30. 今市子 朝日ソノラマ



2004年10月24日(日) 『パンドラの火花』 黒武洋

 死刑囚が過去に戻り、犯罪を未然に防ぐプロジェクト。番号で呼ばれる謎の政府のエリートともに。犯罪者は過ちを悔いて、過去の自分を説得できるのか?

 いや、ものすごく簡単な説明になってしまいますが、だって書くの難しいんだもん。書きすぎるとネタばればれになっちゃうし。<時間もの>はどう描かれようとも突っ込みどころ満載なのだとは感じます。過去に戻ったときに、自分と出会っていいのか、どうか。そこが一番の問題ですよね。でもこの物語では過去の自分を説得すると言う使命を抱えている。はじめっからパラドックスは考えていない設定。
 死刑囚と番号エリートは3組登場します。3パターンの過去の犯罪が描かれていて、「その後はどうなったの〜(涙)」と言うもどかしい蛇の生殺し状態も楽しめます(笑)。
 結局、時間の前で人間は平等なんですよね。何度も書いてきていることですが。取り戻せない。やり直せない。だから目の前の時間を慈しむように生きようと前向きに考えたりしますです。あい。

 人生は、つまりは本人の心掛け一つで実はどうにでもなるものであって、そしてその全部が、本人へと直接跳ね返ってくる。

『パンドラの火花』 2004.9.30. 黒武洋 新潮社



2004年10月23日(土) 『マスカット・エレジー』 山崎洋子

 有吉葡萄はノンフィクションを書きたいと思いつつ、日銭を稼ぐためなんでも書いている毎日。30半ば過ぎて独身そして埴輪顔。この埴輪顔と失礼な表現をするのは同居人の鮎子さん。年齢不詳の色っぽい女性。今は亡き父が映画を見に行った帰りに「ついてきた」、そしてそのまま居着いてしまった。引っ込み思案で時代遅れの葡萄と年の割にはアクティブすぎる鮎子さんが遭遇するさまざまな事件たち。

 文庫のカバーイラストが北見隆さんだったので、思わず手にとりました。北見さんのイラストで読まされた(笑)本ってものすごーく多い気がします。おそるべし、北見隆!
 この『マスカット・エレジー』は直訳すれば葡萄哀歌ってとこでしょうか。主人公の葡萄が哀しい現実に出会うから、合ってるタイトルかもしれません。鮎子さんが初老のおばぁちゃんなのに色艶はよいし、行動的。人というものは生き様や性格が滲み出るものなのだとつくづく思います。ちょっと困ったちゃんですが、鮎子さんは魅力的だもの。
 私が一番面白かったエピソードは「ネット潜入」でした。近親相姦のサイトに入り込んでいた人物になりすましてオフ会に潜入しレポを書くという仕事を葡萄が引き受けてしまうのですが、葡萄の署名入り記事が世に出てしまい大騒ぎ。しかも、そのレポは葡萄が書いたものとは全く違い、近親相姦オフを面白可笑しく煽情的に書いているシロモノ。ネットにさえ疎い葡萄の危機を救ったのが、自力でパソコンを身につけた鮎子さんだった?という流れ。意欲があれば年齢は関係なく、パソコンだってなんだってできちゃうものですね。
 葡萄と鮎子さんの本当の関係も最後まで謎として残りますが、まぁそれはそれでいいかな。通勤のお供にちょうどいい文庫なのでした。

 気にしちゃ、駄目よ、こんなバカの言うこと、と言うように、ちらりと微笑を送ってくれる。厭味な男一万人より、気の利いた女一人のほうが、どれほど世のため人のためになることかー。

『マスカット・エレジー』 2004.2.20. 山崎洋子 光文社文庫



2004年10月22日(金) 『ノルンの永い夢』 平谷美樹

 兜坂亮(とさかりょう)は、育ての親とも言うべき老医師・鳴滝弘一の反対を振り切り、SF新人賞受賞のため岩手から東京へ向う。授賞式でさまざまな人と出会い、帰ってみると置手紙だけを残し、鳴滝の姿はなかった。寂しさを執筆で紛らわせようと亮は、ある出版社からの提案の実在した本間鐡太郎という天才数学者のことを小説にしようと動き出す。そして本間鐡太郎のことを調べていくうちに、亮の周囲で不穏なできごとがはじまり・・・

 <時間>を自由に行き来できたら、と言う人間の願い(欲望かも)は昔から変わらない。でも可能だとしたら、どうしてもひずみは生まれるだろうし、やはりタイムトラベラーは悲しいものかもしれない。さまざまな<時間もの>を読んだけれど、この『ノルンの永い夢』はとても良かった。ラストに近くなると展開についていくだけで必死。パパパパパッと場面や時間や視点が揺らぎ、そこが魅力だと読了後に感じた。自分も時間を移動したかのように疲れてしまうけれど(哀)・・・

 本当はそんなことじゃない。自分さえも知らない何かが、この衝動の中には隠されているような気がする。
 自分の意志としてカムフラージュされた衝動なのか? そうだとすれば、それは誰の意志なのだ?

『ノルンの永い夢』 2003.11.30. 平谷美樹 早川書房



2004年10月21日(木) 『誰もわたしを倒せない』 伯方雪日

 後楽園ゆうえんちの掃除夫が園外のゴミ捨て場で刺殺死体を発見。富坂署の刑事課の三瓶は、現場に既に来ている若い城島に頬をゆるめる。格闘技マニアの城島は、三瓶に後楽園ホールを「聖地」であると力説。プロレスと格闘技ファンにとっての聖地という意味らしい。城島は、刺殺死体の体つきからマスクマンのカタナではないかと気づく。カタナは、ルチャ・リブレ(プロレス)からヴァーリ・トゥードまで幅広くこなす天才だった。そしてカタナの素顔は誰ひとりと知らないのだった・・・

 これは格闘技ファンではない私にとって非常に面白い物語でした。謎のマスクマン・カタナの正体や、城島と因縁ができるカリスマのある男・犬飼のプロレス探偵ぶり。物語は過去と現在を行き来し、謎が謎を呼び、意外な展開に。話の運び方や格闘技の裏側まで楽しみどころ満載でした。格闘技を愛する城島の存在が優しさと救いを与えてくれる。城島と犬飼の間に流れる友情らしき絆も素敵。悲しいまでに強さを求めた人間達の心の叫びが伝わってきました。かなりオススメv

 真剣勝負(ガチンコ)、八百長(フェイク)、彼がそんな言葉を知るのはまだ先だった。

『誰もわたしを倒せない』 2004.5.10. 伯方雪日 東京創元社



2004年10月20日(水) 映画『プール』

 ベンはNY郊外の高校生で、水泳部のスター。次の大会では大学からスカウトが見にくることになっていて、未来は保証されたも同然。美しい恋人のエイミーともラブラブ。そこに禍々しい美貌の転入生がやってきた。マディソンという大人の色気をぷんぷん撒き散らすタイプに男どもは騒然。ベンもなんとなくマディソンが気にかかる。マディソンの巧妙なアプローチでベンは毒牙にかかってしまう。神聖なプールでの情事。マディソンに嘘でもいいから愛していると言ってと囁かれ、その場の気分でつい「愛している」と言ったばかりに・・・・

 ‘思わぬヒット’(笑)をしたと漏れ聞いていた高校生版危険な情事とも言うべき映画『プール』を観ました。将来を約束されたも同然の高校生が陥ってしまう危険な美女の誘惑。うーん、あれはウブな男の子ならコロリンだよなーと思いながら観ていました(笑)。色気したたる悪女ってのには抗えないわー。でもこの映画では、ベンの恋人役のエイミーがとても良かったです。普通この手の物語ならば悪女の方に軍配をあげちゃうのですが、今回は清純派に一票v こういう過ちはありがちだけど、相手が悪かったね、ベン。浮気とか遊びなんてもんは誰にも気づかれないでやらなきゃあかんのです。まだまだ子供ってことだよね。あ、危険な情事は大人でも失敗するんだった(大笑)v



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