酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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| 2005年11月07日(月) |
『精霊探偵』 梶尾真治 |
事故で妻を亡くし、私は内部で最初の死を迎えた。なにをやる気も起こらない。そしてあれ以来、奇妙なことに人の背後に霊が見えるようになった。驚いたことに何かと気をかけてくれるマンション一階の喫茶店「そめちめ」のマスターには私の母が、ママには私の父が見える。ふたりが私を気にかけてくれるのも当然か? この奇妙な現象のおかげで、失せモノの場所を言い当てたりしているうちに、ある人物の失踪事件に巻き込まれ、ますます奇妙なことになってしまうのだが・・・
これねー、まさに大当たりですよーっ(叫ぶ)! もしかしたら年内における最後の大きな花火かもしれない。私的には超ヒットv こう書くとおそらく仲間の数名は読んでいただけると同じ思いをしてくださるはず(自信あり)。設定がうまく、流れも奇妙で、ラストがしっかり意表をつきました。「うまいっ」と泣きながら声を出しましたものv 旦那を早くに亡くした私にとって、この方の作品は個人的に鬼門だと思っていて(ごめんなさい、梶尾真治さん)、『黄泉がえり』なんて映画をたまたま観たばっかりにしばらく涙で顔が腫れて頭痛くって大変でした。愛しい人を亡くした人間には、ツボすぎるのも酷なのですよね・・・。この『精霊探偵』は、そういう路線ではなかろうと読んだのですケレドモ、甘かったですね。泣きました。でもいい感じにスッキリ爽やかハッピーになれたの。是非あまり情報を頭に入れないで読んでいただきたいですね。私と同じ驚きを貴方にも是非っv
やっぱり、人間の暮らしって、ちょっとした緊張と驚き、それから、少々のお金って必要なんだよなぁって思うよ
『精霊探偵』 2005.9.30. 梶尾真治 新潮社
| 2005年11月06日(日) |
『魔王』 伊坂幸太郎 |
両親を亡くし、弟とふたりで生きていくことになり、『考えろ考えろ』と常に思考する兄(魔王)、兄まで亡くし、そこから微妙な変化をとげた、兄に言わせれば何かをやりとげるならオマエのような奴の弟(呼吸)。不思議な力を持った兄と弟のふたつの物語。
これねー、すっごく不思議なトーンで読ませてくれるのですよぅ。なんて言うのか、政治だのファシズムだの、それこそ「どーでもいーじゃーん」的なとこのある私なのに、読むし、考えたし。こういう流れでトーンで、このテのものを読ませきる伊坂幸太郎さんの筆力にやられました。兄と弟がそれぞれでトテモいいし。兄が弟のことをちゃんと理解していたことが一番すてきなことなのかもしれないなぁ。なにがどうしたんだって感じなのですが、でもトッテモよかったのって物語なのでありました。んー、うまく言えないんだケレドモ(笑)。
「馬鹿でかい規模の洪水が起きた時、俺はそれでも、水に流されないで、立ち尽くす一本の木になりたいんだよ」
『魔王』 2005.10.20. 伊坂幸太郎 講談社
| 2005年11月05日(土) |
『ララピポ』 奥田英朗 |
奥田さんらしいはっちゃけたエロ話の連作集。ひとつひとつがエロくて情けなくてよいのだケレドモ(いや、ほんと)、一番のエロはやはりカバーをめくった時の絵。なんじゃこら。エロにもほどがあるー。こういうのも書いていきたいってことなんだろうね。・・・じゃなくて奥田さんの持ち味がコレなのでしょうねぇ。名前に似合わぬ風貌の小百合さんがしたたかでグー。ララピポって聞いたことがあるような、ないような響き。その意味がわかってスッキリ〜。
『ララピポ』 2005.9.30. 奥田英朗 幻冬舎
| 2005年11月04日(金) |
DVD『24』シーズン�� |
ジャックは、ミッション遂行のためヘロイン中毒になっていたことからCTUを解雇されていた。現場の仕事を望めばどこにでも就けたジャックだったが、ヘラー国防長官特別顧問となり、事務方として働いていた。ヘラーの娘オードリーと愛し合うようになり、静かな生活を手に入れられそうだったが、ヘラー国防長官がオードリーと共に誘拐され、CTUに一時的に復職し、現場で指揮を取り始めるのだが・・・。
えーっと、こういうシリーズものでネタバレなしに内容を説明するってトテモ難しいものですね。もしも私がまだ見ていなかったら、絶対に知りたくない事を避けて書くと味も素っ気もない紹介となってしまいました(苦笑)。是非にこのシーズン�犬離薀好箸肪�り付いた方と語り合いたいものです。まだのかたは急いでっ!!!(笑) シーズン�靴裡庁孱弔粘�にシーズン�犬髻屬海譴任發�」と言う煽り方をしていて、アレはうまかったな〜。ジャックは自分の本能を断ち切ることは出来ない。←ジャックならぬ惹句ネv 確かにその通りで・・・以下自粛。 まずは、ひとつだけ納得できないことがあります。私は今回のジャックが愛する女性に納得できませぬ。いや、素敵な女優さんなのでしょうケレドモ、あの妙にスレンダー過ぎて清潔感あふれすぎで、胡散臭いのです。まぁ、だからこその物語だったと言えましょうけど・・・「あんた、ニーナがお似合いやで、ジャック」って気分でありましたねぇ。あれが今回出てくる悪役の女性タイプならOKなのに。ま、私の女性の好みを訴えたところでどうにもなりませんわね。ええ、わかってますとも(涙)・・・ 今回のテロは原子炉のメルトダウンやら核ミサイルやら、とんでもなさそうで今今そこにある危機なのだろうなぁと言う、あいかわらずのぶっとびモノでありました。ジャックは鬼畜のように動き判断し、またそれが極悪非道でも正しいのよね。だから、今回のエンディングのどうしようもない突き放され感はすさまじい。だから観てない人は早く観てくださいませ。 そんなテロ阻止をするCTUの中でふたつの愛の形が様々に揺れます。結局、国や愛する人のためにどう動くか、そこを大きく描きたいのでしょうね。ジャックには誰もなれない気がします。ジャックはジャックであるがゆえに孤独。可哀想だけど、仕方ないことかも。その代わりに確かな絆はいくつも手に出来ていて、エンディングの寂しさと感動はそこを無茶苦茶うまく表現されていました。泣きましたもん、私。 正直言うと今回のシーズンはそうでもないと思っていたのですが、ラスト近くになり、あのラストになり、今までにはない衝撃を受けました。あんなラストを持ってくるなんて・・・。シーズン�垢浪椎修覆里任靴腓Δ�。←完璧中毒者
| 2005年11月02日(水) |
舞台『天保十二年のシェイクスピア』大阪シアターBRAVA! |
脚本が天才・井上ひさし、演出は鬼才・蜷川幸雄、音楽は日本の魂(ソウル)を表現させたらぴか一な宇崎竜童さま(大好きなの)v 実は親友から唐沢寿明さんを見たいかー?と問われ、見たいーと欲望のままに出かけた大阪。まさかこんな豪華な名前の人たちの舞台とは露知らず。しかも、唐沢さんより私のハートを鷲づかみにしてしまった若者がいた。その名は‘きじるしの王次’を演じた藤原竜也くんだっ(唾を飛ばした)!!! エロイ舞台だとは聞いていたケレドモ、まさかアノ藤原竜也のあーんなことやそーんなことを観れるなどと思ってもいなかった。若いって美しいと心底惚れてしまった・・・。 この舞台は喜劇&ミュージカルと言えばいいのかしら。シェイクスピア作品をこれでもかとぶっこんだ井上ひさしさんの才能の凄さを見せ付ける物語。主役でありながらあえて醜い男を演じた唐沢寿明さんも勿論素晴らしかった。マシンガン・トークのような台詞の連打はまさに本物の役者。夏木マリや白石加代子と言った妖怪女優(大笑)たちも最高にウマイ。脇を固める俳優さんも有名どころがズラリっ。それでも並みいる才能を蹴散らして輝いていたのが藤原竜也くん。ナマモノ(笑)を観るまでは全く興味なかったのでありますが、ナマモノを見たら、そりゃぁアータ失神しそうな若さ美しさっ。たまらん魅力でありましたよー。もうやられた。メロメロ。あの笑顔は凶器だわー。ああっ。 蜷川さんの秘蔵っ子だけあってウマイ。彼がそこにいるだけで舞台の空気が違うのですもの。あれはこれからどんどん行くだろうなぁ。ワタクシはこれから藤原竜也くんを追いかけますっ(本気)v この舞台、あっという間にチケット完売だったそうです。もしもチャンスがあれば是非観て欲しい。藤原竜也くんと宇崎さんの音楽。素晴らしい世界なのでありました。
| 2005年11月01日(火) |
DVD『TRU CALLING』 |
トゥルー(TRU)は22歳の医師志望の女の子。医大へ進むため、モルグ(死体安置所)で夜間のアルバイトをはじめた。そしてときどき遺体から「助けて」と声をかけられるようになり、トゥルーは時を遡る・・・。その亡くなった人が死にいたる日を‘やり直し’することになり、トゥルーは奔走する。 『24』に嵌っていて、そのDVDを観ていたら他の予告の中でコレが気になって仕方がなくなり、とうとうレンタル(苦笑)x 12回まで観ました。トゥルーは少女の頃に母を目の前で殺された過去に苦しんでいて、その母の死も何か彼女の力に関係があるようです。トゥルーは本当にいい娘で、ひたすら一生懸命で助けられなかった人のことで涙を流す。こんな娘がいたらいちころだわー。顔もスタイルもいいしv 毎回誰かの死に絡んでいろんな問題を提示してきます。ごく軽く。ただ彼女の姉弟、同僚、友達、恋人と人に恵まれていて安心します。やはり人が人を呼ぶのでしょうね。トゥルーの到達する真実まで付き合うつもりです。面白い。
| 2005年10月30日(日) |
『記憶の食卓』 牧野修 |
名簿屋に勤める折原は、持ち込まれた名簿に薄っぺらい冊子を見つける。ぱらぱらとページをめくった折原は、そこに自分の情報が載せられていることに気づき愕然とする。いったいいつ自分の情報は盗まれたのか。自分を含めたたった14人の名簿を調べてみると、トンデモない事実にぶち当たり・・・!?
牧野修さんで、ホラー+食卓=・・・答えはアレしかないですよね(にたり)v 大石圭さんの『死人を恋う』でネクロフィリアものを読み、すぐあとに牧野修さんのこのほにゃららを読み、さすがの私もうぐぐ〜となりました。ちょっとだけ(笑)。個人情報漏洩から、こんな展開が待っているとは全く想像できなかったです。贅沢な進めかたじゃないのかしら。ふたつの物語の融合だし。 もう既にバレバレかと思う(笑)この物語のテーマについては、アンデスの正餐に見られるように、人間の根源に関わることなのだと思うのです。だからトテモ興味深いのです。さすがにこの物語のような積極的に食してみたい(orされてみたい)とは思いませんケレドモ、自分が生きるか死ぬかの状況に追い込まれたとしたら、いったい私はどうするのでしょう(謎)・・・
『記憶の食卓』 2005.9.30. 牧野修 角川書店
| 2005年10月29日(土) |
『南方署強行犯 黄泉路の犬』 近藤史恵 |
圭司刑事は、先輩刑事の黒岩とともに盗まれたチワワを探そうと奔走する。その捜査の過程でふたりはトンデモナイ動物好きの実態を目の当たりにしてしまうのだが・・・
前回の『南方署強行犯 狼の寓話』に続き、圭司刑事(読みが笑える)は人間の抱える空洞(闇と言うべきなのかもしれませんね・・・)を見てしまいます。近藤史恵さんの描く物語は、ライト感覚であっても切れ味鋭いナイフのようです。だから惹かれてやまないのですケレドモ。人間は弱くて寂しい生き物だから、自分以外の生あるものに愛情を求めたり、ぶつけたり。でもその対象が人間であれ、動物であれ、歪んでしまった愛情であるならば・・・それはもはやエゴでしかありません。近藤史恵さんが愛してやまないテツくん(ワンちゃん)を大切にされている気持ちがわかるだけになんとも心に痛く重く響いてくる現実がそこにありました。さすがだ。近藤史恵さんv
中途半端に手を出して、結局手に負えなくなるのなら、はじめから手を出さない方がいい。
『南方署強行犯 黄泉路の犬』 2005.9.30. 近藤史恵 徳間ノベルス
| 2005年10月28日(金) |
『そして今はだれも』 青井夏海 |
名門明友学園で連続して女生徒たちが不可思議な退学を繰り返した。それは学園の教師‘X’が、彼女達の弱みを握り、恐喝し、追い詰められたからだと言う噂があった。新任で学園にやってきた教師・笑子は数名の生徒達とともに‘X’を探すはめになるのだが・・・
久しぶりに青井夏海さんの物語を読みました。この方の物語がNHKで映像化されるなど、お茶の間受けのよい作家さんですよね。文章から伝わる温かさのせいかしらん。今回は卑劣な教師‘X’を笑子と数名の生徒達が探すわけですケレドモ、こういう若い子たちがいてくれるなら、私の友人の教師も嬉しいだろうなーと微笑ましく読んでいました。ええ、もちろん笑子さんは私の友人が浮かんでしまって(苦笑)。これもそのうち映像化されるてもいいような感じでした。個人的にはトテモおすすめv
「その事故が恭二君にとって、いっそ思い出さないほうが幸せなことだったとしても?」 笑子の問いに、 「はい」 迷わずそう答えたのは、意外にも恭二だった。
『そして今はだれも』 2005.9.20. 青井夏海 双葉社
| 2005年10月27日(木) |
『犬死一番の謎』 松村美香 |
新聞記者の美由紀は、幼い頃に父と見た「犬死一番」という文字を追いかける。それは、鹿児島の特攻平和祈念館に保管されているはずだった。しかし、その遺書は無くなり、美由紀はやはり新聞記者だった父と「犬死一番」の遺書がリンクしていくことに気づき・・・
わずか半世紀前に多くの若者が「お国のため」にその若い命を散らして行った。カミカゼと呼ばれる特攻作戦。その死はその当時では「大死一番」であったはず。でも現代人の感覚では「犬死」に近い。たった一点が加わるか加わらないかで意味が全て覆されてしまう・・・。この物語は文字通り「犬死一番の謎」と言うタイトルに惹かれ、読んでみました。馴染みのない文章にテンポを合わせる事に少しだけ苦心しましたが、テンポが合った途端にラストまで一気に読ませてもらえました。なんだかものすごく深いものをもらった気分です。平和ボケしている私にはいい刺激だったと思いますね。キチンとしたミステリーとなっていたと思います。トテモ面白く読ませていただけました。出会いに感謝v
「大死でも、犬死でも、天に召されていけばいい」
『犬死一番の謎』 2005.9.7. 松村美香 郁朋社
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