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2002年07月15日(月)
「each little thing 」


「 いつもの朝 ふたつの影
  互いのささいな日
  ほこりの窓 散らかる夢 重ねたメロディー
  小さな肩 はにかむ指
  震える羽根ひろげ
  飛び立つ空 あの日の風 こぼれたメロディー

  無邪気な風 凍てつく影
  うたた寝の街角
  いかりの空 散らばる雲 さまようメロディー
  いつもの酒 飲みほす夢
  足元に影だけ
  見送る空 ためらう道 こぼれたメロディー

  いつもの朝 ふたつの影
  互いのささいな日
  ほこりの窓 散らかる夢 重ねたメロディー 」



         soul flower union「each little thing 」
         アルバム「winds fairground」から。






熱帯魚を2年飼っていた。
部屋に水の音がしているのはとてもいい。
蛍光色の魚が好きでグッピーなんかもつがいでいた。

グッピーはメダカ科だが魚には珍しく卵を産まない魚で
赤ちゃんはおなかからでてくる。
けれどそのまま産ませると、赤ちゃんはちいさくてすぐに
他の魚に食べられてしまうので
臨月(?)のお母さんは産卵ケースに入れてあげる必要がある。
うちのグッピーちゃんのお腹がはちきれんばかりに大きくなったとき
わたくしも、思わず旦那さんの気持ちでケースを買いにいった。

買って来たケースにお母さんをグッピーちゃんに
これで安心してお産できるぞー、と見守るわたくし。
狭いケースで窮屈そうなお母さんグッピーちゃん。
やはり淋しいのかプラスチックの壁ごしに
面会にくるお父さんグッピーちゃん。
みつめあうふたり。
居づらくなるわたくし。
何も考えていないその他大勢のサカナ達。

ところが次の日に驚いた。
ケースのなかにお父さんグッピーちゃんが入っていたのだ。
ケースにはもちろん穴も窓もないし
上には蓋がしてあるのだ。

入れるわけないのに。

寄り添うふたり。
小首をかしげるわたくし。
お父さんグッピーちゃんをケースから出すと、また
ずっと壁越しに見詰め合っていた。

そしてお父さんグッピーちゃんは次の日の朝も
とぼけた顔してケースに忍びこんでいた。

入れるわけないんだけどなあ。