初日 最新 目次 MAIL HOME「馴れていく」


ごっちゃ箱
双葉ふたば
MAIL
HOME「馴れていく」

My追加

2003年03月05日(水)
「指定券」







「 もうこれまでねと 君はうつ向いて
  左の頬だけで ひっそり笑った
  北口改札を 仔鹿のように
  鮮やかにすりぬけて 出て行った
  
  せめてもの お別れに
  一度だけ 振り向いてくれたのに

  丁度今着いた 修学旅行の
  制服達が 君をかき消して
  最後の声さえ 食べてしまう 」




               さだまさし「指定券」
                アルバム「帰去来」から







ひとむかしまえ音楽はテープで聴いていた。
(メタルテープってなにがちがってたん?)
これ好き!っていうのを一度聴いたら
もう一度聴くまでに74分待っていた。
だからそれほど印象のよくない曲も自然と通過する

そのなかで、おんや、これすごくいいがな!ってあるとき気付くことが
多々あるわけで
こんなにいい歌詞だっけって気づくのは
何度も聴いて、自然とくちずさめるぐらいの余裕が持てて
やっと見えてきた部分ということなのだろうか

なにげなく聞き流していた、仔鹿。
ちょっとキザに聞こえていた、仔鹿。
けれどこの一頭の鹿が
「ゆっくりに見えた」や「スローモーション」というような
率直な言葉では、不可能な演出を
この歌の中で果たしている