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2008年03月03日(月) ■ |
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第一人称(3) |
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僕は誰にも似てない 僕は僕にも似ていない 僕を真四角にしておきたい 僕を真四角な箱のなかに 出来れば敷き詰めて並べておきたい 僕は面を持ちすぎて 僕は丸に近くなりすぎて 僕ごと転がりすぎてしまって 僕が僕を呼ぶあいだにもう 僕は僕を思い出さなくなって 僕はあたらしい僕になって 僕が毎日僕を映そうとしても 僕は目を閉じた僕しか見たことがないから 僕は誰にも似ていないから 僕には僕という意味が通じていないし 僕にはただしい表記も無く 僕は僕より良い嫌な奴で僕は僕より 僕に会ったことがないまま 僕との待ち合わせの場所まで来ても 僕がやって来たことに気付かないだろうし 僕がそれで寂しがったりもしないので 僕のことを平気で僕と呼んだりもする 僕を真四角な部屋に住まわせておきたい 僕はちょうどその形にふくらんで 僕は正しい真四角になって 僕は真四角なサイコロをつかって 僕を何度か振ってみる ほら、またやっぱり出る目が僕で 僕は僕マス僕をすすめ 僕が出たので僕までもどり 僕は僕にあがりって言う 僕は僕におめでとうって言う
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