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2009年08月17日(月) ■ |
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よこはまごっちゃ(5) |
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横浜という町を歩いていると まるでどちらが南か東なのかも 分からなくなってしまうことでしょう 駅に向かっていたはずなのに海に出てしまうこともあって でもランドマークさえ見えているなら 迷子にはならずにすむでしょう
横浜という町を歩いていると いったいじぶんがどんなふうに見られているかなんて 分からなくなってしまうことでしょう おしゃれ気取りで古びた商店街のおばさんたちに囲まれてたり 放浪者のジーンズと伸びきったシャツで 結婚式帰りのスーツやドレスとすれ違うことも多いでしょう
横浜という町を歩いていると、おまけに 働き者なのか遊び人かも見分けるのがむずかしくなって オフィス街の真ん中通りでお祭りがはじまってしまえば おじさんたちに混じってビールを飲まなければならないでしょうし 地べたや階段に座り込んで、もう暗くなったのに 大道芸人に拍手をおくらなければならないでしょう
横浜という町を歩いてみれば 時間なんて随分いいかげんなものだと気付くでしょう 男の子のままおじいさんになってしまったり おかあさんのままで女の子に育ったひととすれちがうことでしょう なんせおおよそどこででも 昼寝ができてしまうのだから 永遠に工事中、と書かれたビルがあちこち見つかることでしょう アパートの洗濯物がはためいている、その隣りでは キリンやライオンがあくびをしていることでしょう
中華街でお茶をすませたら、元町でパンを買いましょう 90分二千円と書かれた看板の ラブホテルの脇を抜けて川沿いのベンチに座りましょう なんせ町にひとつ大きな時計が付いているので 携帯電話はしまっておいて、だいじょうぶ 煉瓦倉庫まで歩いて疲れたら、100円バスに乗るのもいいでしょう できれば、道に店ごとはみだしてしまったような飲み屋さん行き、に乗りましょう
横浜という町を歩いてみれば 特に汽笛が聞こえたときなんか そこがもう横浜という名の星なのだと気付くこともあるでしょう 夜景の少し遠くのほうに地球を眺めることがあるでしょう
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