2004年03月02日(火)
 
☆★ふと、想い出した事★☆


学生時代、約3年間かな?デパートのおもちゃ売場でビニール塗絵の実演販売をしていた事があった。
鉄板に、絵の具をたらしたり、絵を描いたり。それを鉄板ごとホットプレートで数分焼くと、ビニール塗絵の出来上がり。
ひょんな事がきっかけで、このバイトをする事になった。子供達を相手に先生になって、手取り足取り教えていた。
日曜日は凄かった。殆どの親がココに預けて、どっかへ行ってしまう。
一時預かりの保育園みたいなモンだった。

その中で、いつも日曜日に開店と同時に遊びに来た女の子がいた。
忘れもしない、まりちゃん。小学4年生だった。

まりちゃんは、遊びに来るが、塗絵をしない。お金を持ってないのだ。

お昼になると『ご飯、食べに行ってくるね!』と、言ってどっかへ行ってしまう。
また午後になると戻って来る。
そして、ずーっとずーっといた。閉店までいた。


日曜日の昼間は忙しい。ましてや子供とホットプレートの戦い(笑)
その上、子供達が『おしっこー!ママいないー!』とかになる。
そうすると、すかさず、まりちゃん『お姉ちゃんと一緒に行こう。』と連れて行ってくれる。
椅子になかなか座れない、小さな子供を見ると、まりちゃんは抱っこして座らせてくれる。
手が回らない、目が回る。そんな状態のワタクシにとって、まりちゃんはカワイイお手伝いサンみたいな存在だった。


ある日、社員のTさんが
『あの子の両親ね…休みの朝からパチンコに行って、相手していないんだよ。』

あぁ、そういう事だったのか。

日曜日の日だからこそなのか?親二人してパチンコですか。

ワタクシとしては、日曜日の日だからこそ、子供と向き合って相手してあげればいいのに。

その事を聞いて、余計にその子がいじらしく思えた。



卒業が決まり、就職も決まり、バイトを辞める事になった3月のある日曜。
まりちゃんともお別れになった。
最後…という事で、昼食はまりちゃんを誘って、ファーストフードへ行った。

そんな、対した会話は出来なかったな。『学校で今、何が流行っているの?』『好きな教科は何?』とか…

ただ、忘れられないのが 食べ終わって店を出る際に、まりちゃんは一言
『さびしいな…』



あれから10年経つけれど、どう成長したかな。とても素直でイイ子だった。
ちゃんと『ありがとう』と挨拶もちゃんとしていたし、小さい子の面倒見がとても良かった。
親の背を見て、子は育つというけれど…


時たま、ふと想い出す事でした。

 
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