妄言読書日記
ブログ版
※ネタバレしています
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2002年08月18日(日) |
『黒猫の三角』(小)『黒猫の三角』(漫) |
【森博嗣 講談社文庫】
新シリーズ装いも新たに。 別に前のままでいいんだけどなぁ。
森ミステリは確かに好きなのだけれど、どうも読んでいると背中にバカと書かれた張り紙を張られるような気分になる。 バカにされている気がするわけじゃなくて、私ってバカなんだろうかと。 キャラの知的レベルが高くて話しについていけません・・・と思うのは私だけなのでしょうか。
読み終わってみれば、普通はサイコミステリに分類されるかもしれない内容ですが、森ミステリはサイコミステリに分類してはもらいたくない。 いや、誰も分類してはいないんですが、今後もそのように扱っていただきたい。
古いお屋敷に、探偵に、連続殺人・・・等々と古典的シチュエーション目白押しながら、全く古典的な雰囲気はなく、森博嗣の小説だなぁと感嘆です。 ※犯人書きますからね
犯人は意外かと言えば、実はそうでもなかったです。 また、邪道推理なのですが、このシリーズがVシリーズと呼ばれてるのが、最初不思議だったんです。 紅子のVをとっているのはいいのですが、保呂草さんという探偵がいる、その上どうも保呂草さんは端々に頭の回転の速さが見受けられる。多分、紅子と同じくらいのような雰囲気。 でも、Vしかとっていないというのは、今後の作品には出ないのかな? なんてことを思っていたので。 まあ、本当に犯人だとは思いませんでしたけど。 やはり、最初の記述にミスリードされますね。
意味があるのかないのか分らない、シーンとセリフの数々。 考えるだけ無駄のような、森さんに試されているような。森作品って、いつも試されているような感じがします。 それで背中にバカって張られるような心持ちに・・・・ 今後の、本物の保呂草さんがどういうキャラなのかが楽しみです。 紫子ちゃんが好き。
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【原作:森博嗣 漫画:皇なつき アスカコミックDX】
『黒猫の三角』を一冊の漫画にするのはちょっと無理じゃ…。 森作品、三冊目のコミックスですが、やはり森作品は文章で読むべきですね。 あの、絶妙というより微妙な会話のリズム。地の文の面白味。 そいうのが持ち味ですから。
でも、原作読んでから漫画読むと適度にダイジェストになっててよいですね。 皇なつきの絵、好きです。 今までで、一番イメージです。
でもやはり、色々なシーンが抜けていて、漫画だけ読んだ人にはいまいちだろうと思うと、残念です。
『気さくなお人形、19歳』くらいの、短編がやはり漫画化には向いていますね。 絵で見ると余計に凄い、練ちゃんと紅子。 でも、練ちゃんは絵で見たほうが好感をもてるのはなぜだろう。
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