妄言読書日記
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2011年01月17日(月) 『神の棘 II』(小)

【須賀しのぶ 早川書房】

どうでもいいけど、全2巻なのになんで上下巻にしなかったのだろうな。

Iはアルベルト視点が多かったのだけれど、IIはほぼマティアス視点。
いよいよ戦争が激化して、二人とも戦線へ。
戦場の場面になると須賀先生の筆致も冴えるな。

ずっとどうしてこれが、このミスにランクインしているのか疑問だったのだけれど、IIの終盤になっていろいろと判明してくるにつれ、確かにミステリー的な仕掛けもあるなぁと納得。
あんまりテオのこととか、アルベルトのこと深く考えてなかった…。

イルゼの告白、フェルシャーの告解、そしてアルベルトの覚悟。
終盤で彼らがどんな思いで生きてきたのかが怒涛のように明かされて、ラストの痛ましくも美しいシーンに繋がる。
須賀先生の一つの到達点といえるのでは。

しかし、IIになってからやたら誤字脱字が多くて残念。
6箇所くらいまでは数えてたんだけどもっとあったと思う。
文庫化の時にでも直してね。



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