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2006年01月09日(月) 新星誕生

サッカーの第84回全国高校選手権は、野洲(滋賀)が延長の末、2―1で鹿児島実(鹿児島)に競り勝ち、初優勝を成し遂げた。野洲は前半に先制し、後半終盤にいったんは追いつかれたが、持ち味の個人技の高さを生かして延長後半に決勝ゴールを奪った。鹿児島実は史上9校目の2連覇はならなかった。
戦前の評価としては、パワーの鹿児島実、個人技の野洲だったが、まったくそのとおりだった。攻撃では、センターライン付近からドリブルで前進する野洲、トップに当ててポストプレーからボックス近くでシュート体勢の形成を図る鹿児島実――という特徴が見られたし、守備では自陣からボールを回して展開を意図する野洲、相手シュートに体をはって守る鹿児島実――というシーンが何度も見られた。
シュート数、空中戦、CK、FKでは鹿児島実が野洲を上回ったと思う。決定機も正確にカウントしていないのだが、鹿児島実の方が多かったと思う。全体に劣勢だった野洲が試合を拾えたのは、野洲の決定力がわずか1回、鹿児島実を上回ったからにほかならない。実力・地力では鹿児島実の方が上だろうが、サッカーというのは、理屈で説明できないものだ。結果として、今年は野洲のスタイルが鹿児島実のスタイルを上回った。
報道では、野洲の優勝は、日本の高校サッカーのあり方を変える可能性がある、といわれた。野洲の練習の特徴は、�〇邱膩措阿領�習を多くやり、体力づくりは個人の自主性に任せる、�∩�手を型にはめず、個性を伸ばす、�8朕裕察Ε謄�ニックを最優先する、と報道された。報道のとおりなら、野洲の練習方法は合理性が高い。長時間、地獄の特訓のような体力づくりをすれば、持久力や根性は鍛えられるのだろうが、サッカーに必要な試合センスは磨かれない。野洲は、練習のための練習はしない、というわけだ
しかし、野洲のスタイルが「良い結果」を出したからといって、高校サッカーが一斉にその方向に動き出す必要はない。今年、野洲は確かに優勝したが、来年はパワーサッカーで鍛え上げられた高校が優勝するかもしれない。指導者が自分の信じる練習方法でチームを強化すればいい。
ただ、1年生から3年生合わせて200人近くに部員が膨れ上がる有名高校の場合、部員を、たとえばA〜Eの5段階くらいに分け、各レベルに最低でも2チーム程度編成し、互いに試合をする機会を増やすべきだと思う。下手な部員を「球拾い」専門に追い込むようなクラブ運営だけはやめてほしい。
サッカーは、試合をしなければ、始まらない。いくら練習でうまくても、試合でチームに貢献できない選手なら使えない。多くの試合をこなせば、チームとしても個人としても課題が明確になる。その課題を練習で克服することだ。試合、練習、試合・・・の循環が重要なのであって、プロ・ユース・高校を問わず、練習⇒試合という単一方向のクラブのあり方だけは、否定していかなければいけない。
野洲(山本監督)という新星が、鹿児島実、市船、国見といった名門校・有名監督を凌駕したことは、高校サッカーが新段階(更新期)に入ってきたことの予兆かもしれない。新しいスタイルを身に着けた、才能あふれる監督の登場と成功に、そして、その指導にみごとにこたえた選手たちに、心から拍手を送る。


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tram