15's eyes
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2002年11月02日(土) 友情が絶たれてしまうとき

先日、久しぶりに同期の友達と食事をした。
その子は私の大学からの友達でもあるのだけど、
会ったのは他でもない、連絡がとれなくなってしまった友達の消息がつかめたという話を聞くためだった。

消息不明の友達は、
「前とは違うわたしだから。」
という電話の前置きを言ってから私の友達と会った。

「ほんとうにね。違ったわ。」
なにもかも。
彼女は続けた。

彼女は、
5年という歳月の中でここまで人は変わるのだという
サンプルをみたのだろう。

彼女がここまで変わってしまったのは、
心の病のせいだという。

私は理由を聞いて、
なんとなく想像がついた。

私のような仕事の人は意外なのかどうかはわからないけれど、
この手の病気になる人は多い。
私も少なからず知ってる人で、通院してる人や、
辞めてしまった人を知っている。

その子も昔、
私達と同じ仕事をしていた。

彼女がこうなってしまったのは、
仕事のことももちろんそうだったけれど、
恋愛のことも複雑にからんでいたようだ。

何にせよ、
彼女が私の友達に言ったことは、
「過去を振り返ることが怖い」
ということだった。
二人は、外で会い、現在の他愛もない話をして別れたという。

「大学時代に出会った私たちはきっと過去の人なのね」
友達は言った。

友人のはがきが届くだけで眠れなくなるというのだから、
きっと私たちの顔をみるだけで、
話をするだけで、
とてつもない恐怖と戦うことになるのだろう。

私たちはむかし、とても仲が良かった。
よく彼女の家に泊まって、休みの日にはドライブにも出かけた。

けれど、今の彼女はそんな楽しかった出来事も楽しかった出来事と
して振り返ることができないのだろう。

病気のせいだから、それは仕方ないのだと思う。
悲しいけれど、これは病気だから、仕方ないのだ。
治るにはかなりの時間がかかるだろう。
少しずつ少しずつ。
時と、薬で彼女のこころが休まるまで待つ必要があるのだろう。

彼女が過去ときちんと向き合えるまで、
きっと私たちの仲は取り戻すことは難しいだろう。
いつになるかわからないけれど、
いつかまた、ふつうに、
何事もなかったみたいに、会えるといいな。

でも、
つくづく、
人の心に入り込むシゴトって、
本当に幸せをかみしめることもできるけれど、
本当に傷ついて、自分の心まで痛めてしまうことって多いと思う…

私も気をつけなくちゃ…



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