クラス担任

学校の先生ってやつは嫌いです。いや、学校の先生って言うか、クラス担任が。
あたしは他人…認めた人間以外に自分のことを分かって貰おうとはこれっぽっちも思っちゃいません。
まして悩みなんぞ人に聞いて貰ったり、人からアドバイス貰ったりなんかしたいと思ったこともありません。
むしろ誰にも話したくない。
なのに担任ってやつはやたら生徒にそういう話を聞きたがる。
職業柄仕方ないのかも知れない。
けど、話したがらない人間に話せ話せと求めてくるのはどうだろう。
世の中には悩みを自分の中だけで解決したがる人間がいる。
話したい奴からだけ聞いてりゃいいじゃないか。
まぁ結局答えを出すのは自分なんだから単なる気休めにすぎないが。
あたしの事を本当によく分かっていたのは、校内で評判の悪い国語教師Fと、健康ランクEで痛風のS先生だけだろう。

高校二・三年と担任だったY先生。あの人は特にそれが強かった。
あたしがよく学校をサボったのが一番の原因なんだろうが、別に学校で何があったとか、誰かに何かされたとかじゃなくて、
単にめんどくさかったからサボったワケで、多分その辺は分かってるんだろうと一応思ってやっていた。
センター試験が終わり、その自己採点の日、遅刻した上にうっかり問題冊子を自宅に忘れてきてしまったあたしは、
Y担任に自宅まで車で送ってもらうハメになった。
そこまで大体五十分。
Y担任は口先だけの青春ヤローで、好きではない。
あまり会話したくなかったが、向こうから話しかけてくる。ま、当然と言えば当然か。
その内容もあたしに対する質問ばかりで、担任って奴はどうしてこう人の事を知りたがるんだろうなと、
あらためて思いながらも笑顔で答えてやっていた。
センターどうだった、大学へ行ったら何かしたい事はあるかとか、
そういう質問から始まり、どんな音楽を聴くのか、みたいなディープな内容になっていき、
学校への帰り道、残り2/3位にさしかかった辺りで彼の口から出た質問。







「死にたいと思ったことはないか?」






ないっちゅーねん。



生への執着心がなく、べつにこのまま事故にあったりして死んじゃってもいいなー。
って思ってた時期はあるけど(しかも人を平気で殺せそうだった)、死にたいと思ったことはない。
第一、自分で殺すってのがめんどくさい。
そういう内容を丁寧な口調で話したら、








「サチはそういう事考えたことあると思ったんやけどなぁ。」





あんた、あたしの事ずっと

そういう風に見てたんかい(怒)。





でもまぁ思うに、自殺したいと思うのは普通のことなんじゃないでしょうか。
誰でも一度はそういう事を考えたことがあると思います。
例え一秒でも。・・・実際死んだかどうかは別として。
何も考えずに悠々と生きてきた人よりは、何かしら苦しい思いをした過去がある人の方があたしは好きです。
別に暗い過去が好きなんじゃなくて、そういう状態から立ち直った人の方が人間として立派なんですよ。実際。
大人になってから成功したりする人も多いですし。
現在進行形の人は嫌ですが。
Y担任も死にたいって思ったことがあるらしいです。
でもやっぱりあの先生は嫌いだから、この考えは違うんだろうか。
・・・もしかしたらY先生はまだ立ち直れていなくて現在進行形の状態にあるのでは・・・。
きっとそうだ。そんな感じするもん。そういう事にしとこ。
これでおあいこだね。


2001年07月25日(水)

にきにっき / にきーた