BGM

1月7日(月曜日)夜9時
フジテレビ系で、『人にやさしく』というドラマが始まる。
テーマソングはブルーハーツの『人にやさしく』。
少し前そのCMを見た瞬間、嬉しくなった。
しかしそれはほんの一瞬の話だ。

私は曲への思い入れからBGMを決める事に対して否定的だ。
『アンティーク』が良い例である。
あのBGMはドラマの良さをちっとも引き出せていなかった。
あのドラマとミスチル、コンセプトは同じかも知れないが、だからといってBGMとして合うとは限らない。
しかも使っている曲が有名過ぎる。

今度始まる『人にやさしく』。
果たしてドラマと曲はマッチしているのだろうか。
また『アンティーク』みたいに、同じアーティストの曲を何回もやたら滅多に使わないだろうか。
有名な曲を使うのは一種の賭だ。その曲を知っている人は、曲を聴いてしまう。
曲にまつわる思い出なんてものがあれば、ドラマそっちのけで回想モードに入ってしまうだろう。
音楽なんか聴こうと思えばいつだって聴ける。
音楽が聴きたいんじゃなくて、ドラマが観たいんだ。
BGMは場の盛り上げ役だ。
気の散るような選曲でないことを祈る。

・・・が、やっぱり私の場合はブルーハーツに特別な思い入れがある為に、例えばお決まりの終わりの部分でその曲が流れる度にBGMの方に神経の殆どが行ってしまうだろう。
知らない方が幸せっていうのはこういう事を言うのか。
もう『観せるドラマ』はなくなって、これからは『聴かせるドラマ』になるんだろうか。
確かに視聴率は少なくともそのファンだけのぶんは稼げるだろう。
下手に個性のないドラマを放送するよりは業界的にはいいのかもしれない。

『聴かせるドラマ』といえば『愛をください』は良かったが、あれが成功したのはシナリオライターとアーティストが同じだったのもあるが、それよりも何よりもアーティストがマイナーだったからだ。
(辻一成を売り込むような面は気にくわなかったが。さぞ儲かったことだろう。)
辻一成が昔歌を歌っていたというのは知っていたが、まさか今もバンド活動しているとは思ってもいなかった。
・・・あ、あれ?辻一成の公式ページがなくなってる??
廃れたのか・・・「これからの小説界を背負って立つ」みたいな事言ってたくせにな。
最近は小説もいいのないしなぁ。
ああ・・・芥川の名が汚れていく・・・。

余談ついでに。
私は辻一成の『ピアニッシモ』が好きです。
『愛をください』みたいな暗い話しか書かない(書けない?)作家ですが、暗いなりにしんみりきます。
そういうのが好きな人は、機会があったら読んでみてください。
名作と呼ぶにはほど遠いですけど、軽く読むには丁度良いです。
2001年12月23日(日)

にきにっき / にきーた