苦手な事

数日前、友人が「自分を含め生きている物がみんな嫌いだ」とチラッと言ってきた。
彼女からその話を聞くのは多分初めてでは無いんだろう。
驚くどころか、全てを言う前に安易に予測できた。

思春期真っ盛りの頃は、他人と混沌とした話をするのが好きだった。
好きだったというか、日常だったというか、そういう考えがいつも頭の中を支配していた。

けど、今のあたしはあの頃とは全く違う。
肯定していた『オタク』も現在では否定する傾向にあるし、何かに特別熱中することもない。
暗い話も嫌いになった。
胸の内を他人に語る事が多かった昔だが、今は余計な事は他人には語らない。
それっぽい事を語っても、大抵は相手の心を掴むための話術の一環に過ぎず、
本心ではないことが多い。
取り分け痛い目を見たというワケではないのだが、
自分の胸の内を正直に相手に伝える事に、大して利益を感じなくなっただけだ。

友人から「自分を含め生きている物がみんな嫌いだ」と言われたとき、
自分が内面的に大きく変わってしまった事を痛切に感じた。
高校一年の時その友人出会い、暗い話を沢山した。
高二、高三となるにつれあまり立ち入った話をしなくなり、
その頃からあたしは徐々に変わりつつあったのだが、
久しぶりに合った彼女は、あの頃となんら変わっていなかった。

あたしはその後、彼女になんて言ったのか忘れてしまった。
自分の言動を一々覚えていないいい加減さは、相変わらず変わっていない。
しかし、彼女が後に付け足して言った言葉は良く覚えている。

「けど、親友は好きだ」と。


何度も言うが、あたしは人と暗い話をするのが好きではない。
たまに、どういう顔をしたらいいのかわからなくなるからだ。






その後、それとなく話題を逸らそうとしたが墓穴を掘り、
「親友」の話が長々と続いてしまった事を記しておく。
2002年02月05日(火)

にきにっき / にきーた