■わかめの至り
2000年04月14日(金)
夜の駅前、近所の大学生が漬物にできそうな程わんさか溜まっている。
酒の臭いが嬌声と怒号の上に乗って充満している。
新歓コンパだ。
彼らの隅っこで、もっと若い野郎共とたむろしてる僕。
「新歓っていーなー」と言う少年達と
「よかったなー」と溜め息をつく僕。
家がバリバリの真言宗豊山派であるが、ミッション系大学を出た。
必修科目でキリスト教の授業があった。先生もクリスチャンだった。
ある日、授業中に新聞をガサガサ見ているウルサイ女の子がいた。
すると先生は
「そこのあなた。お名前は?講義の妨げですから申し訳ありませんが
出て行ってもらえませんか?欠席扱いにはしませんから」
非常に丁寧で柔らかい口調だが有無を言わせない雰囲気があった。
その女の子はふてくされて出て行った。ここまではまあ、よくある風景だが…
先生はすっすっと十字を切り、胸元で掌を組み
「××さんに、感謝します」
と、祈ったのだ。僕は
「うわー何このひと…」
とカルチャーショックを食らったものだ。
ミッション系を承知で入学したのだから無理矢理な
キリスト教の授業があっても納得できる。
しかしミッション系のもうひとつの特徴であるのが、
先生の中に左寄りな人が多いこと。
講義の時間90分全てを反天皇制の話をするムカつくやつもいた。
別に僕は天皇陛下バンザイな人ではない。こっちは学問の話なら聞くが
あんたの思想なんか聞きたくないよ、講義の時間を私物化すんな。
少なくとも学生の前ではニュートラルでいるべきだ、とムカムカしたのだ。
3年時のゼミの教授がそうだった。ちょうど元号が昭和から平成に変わり、
即位の礼が行われた頃のゼミ。教授は始まりから
「皇室の行事は税金で行なわれている。こんな事に使われていいのか」
などずーっと語り続ける。いらいら。そして
「みなさんは、天皇制についてどう思いますか。一人ずつ発言して下さい」
とゼミ生に意見を求めた。
みんな気を使ってか教授よりの意見を言う。
しかし爆発寸前だった僕は
「天皇は日本の象徴です。即位の礼は世界中が注目しています。
象徴の晴れのお披露目です。もっと派手にやってもいい。
あとパレードは自動車じゃなくて牛車がいいと思います」
とあてつけに述べた。教授は「…はい、次」と軽く黙殺したが、
そのゼミの成績は単位こそくれたものの最低ランクであった。
今考えると大人げないことをした。
今日もアリガトウゴザイマシタ。
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