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■銀色の夢模様
2000年05月15日(月)
道端のジュースの自販機をゴシゴシこすっているおやじがいた。
例によって危ないヒトかと思ったら、
自販機の横っ面にスクラッチカードの
銀剥がしをやっているのだった。

良く見たらそのカードはインスタント宝くじとかいうやつ。
コインで銀の部分を剥がすとその場であたりかどうかすぐ分かる
くじらしい。

すぐそばにパチンコの両替所のような形の小さな宝くじ売り場があった。
なるほど、あそこで買ったのだろう。

僕が前を通ると小さなガラスの窓口の引き戸がガラガラと開き、
売り子のオバチャンの顔がにゅっと出て

「あんたも、買わんか」

とでも言いたげにニヤリと笑った。いや、いらん…。

すると

「うはあああ」

銀剥がしおやじが叫んで小躍りして売り場のほうにやって来た。

「おばちゃああん!100億万円(・・・・・)当たったよおおお!!」

しかし売り子のおばちゃん、無表情で

がらがら、ぴしゃん

とガラスの引き戸を閉めてしまった。

一言ぐらいツッコミ入れてあげなよ、おばちゃん。

あと銀剥がしおやじ、あんたは駄菓子屋か。

お釣り2億まんえ〜ん。
今日もアリガトウゴザイマシタ。

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