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■血は水より濃し。
2000年05月17日(水)
うちの母親は時々変にはところによく目が行く。
時々あるのがファミレスなどで食事している時。

「ねねね、ちょっと後ろ見ちらっせ(見てみな)」

よく筋金入りの栃木弁で即して来ることがある。

「え、何?」

言われたとおりに振り向くと

「あ、バカ!、バレっからそーっと見んだよ、そーっと!!」

いきなり怒られた。

「あ!?何だよ!見ろって言ったくせに!」

母はキレた息子をシーッとジェスチャーで制し

「お前の左後ろにいるカップルの彼女のほう…」

「うん」

「すごいブス!」

何でそんなことを…と思ったのだが、
母は見ろ見ろと言わんばかりに
顔を輝かせているのでしょうがなく恐る恐る見てみると…

「…ホントだ」

納得せざるをえないレベルだった。

「ねー!ありゃかわいそうだよねー。
 でもあんなんでも男いるんだねー。
でもあの彼氏の方もなんであんなの選んだんだか。
結構いい男なのにさー。金だべか、やっぱ」

母も言いたい放題である。

「あのねー、わたしら一族だって
 そんな大した遺伝子持ってないでしょー。
 あんただって立派なおばはんでしょう」

一応たしなめる息子。しかし

「お母さんだって若い頃は美人美人って言われたんだから!
 お前写真見たことあんべ?」

見たことあるので断言する。

嘘つくな。

しかしそれは言うまい。母とて女性なのだ。

要するにうちの母はブス好きらしい。

実は…僕も。

よく考えたら美人見るより好きかも。

呪われた血だね。
今日もアリガトウゴザイマシタ。

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