■バカスカバースデー
2000年06月04日(日)
7年ほど前、まだ大学生だった頃のある時。
彼女は同じ大学の子で、僕のひとつ下の学年だった。
近頃彼女の機嫌どうも悪いなーって時期があった。
ちゃんと話してはくれるんだが
妙に突き放した態度が気になって
「なんか悪いことしたか?」
と首を捻っていたが思い当たることもなかった。
ある日構内を歩いていたら彼女の親友、タエコが
向こうから歩いてくるのが見えた。
ちょうどよい、ちょっとタエコに話を聞いて探りを入れてみるか、
と思った矢先、向こうも僕に気がつき
「あっ!!」という顔をした。
僕が声をかけようとするより先に、
ドドドドと猛ダッシュで駆け寄って来た。
そして開口一番
「ちょっと!!×××(彼女の名前)の誕生日を忘れてますよ!!」
と怒鳴った。がーん。
不機嫌な理由はこれだった!
いきなり答えが分かってしまった。
分かったのはいいがこれはヤバイ…。
「しまった…で、あれ?いつだっけ?」
タエコは救いようの無い奴…と視線で侮蔑し、
「彼女の誕生日ぐらい覚えときなさいよ!!6月4日!」
更にがーん。既に1週間以上過ぎていたのだ。
「…怒ってた?」
「…愚痴ってました」
鼻の頭にはもう脂汗が流れていた。
タエコは僕の大ボケぶりに痺れを切らして
タレこんで来たのであった。
タエコに感謝し、彼女を探しにすっ飛んで行ったのは
言うまでもない。
それからが大変だった。彼女に謝りなだめすかし、
なんとか改めてお祝いするから、ということにこぎつけた。
それで一言、
「でもさ、君から言ってくれてもいいじゃないか」
僕はちょっと恨みがましく彼女に言ったが、
「シャクだから意地でも自分からは言うもんか、って思ってた」
まだトゲのある口調で答えた。何も言い返せなかった。
そんなわけで今日はその彼女の誕生日である。
過去の過ちを踏まえて休みを取ってある。
ご奉仕いたします。。
今日もアリガトウゴザイマシタ。
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