lucky seventh
DiaryINDEXpastwill


2007年07月18日(水) 時を翔ける少女 side変わらないもの

アオノ マコト
 蒼野 真

それが私の大切な人の名前。
あの日、あの踏切で死んでしまった私の大事な人。













時を翔ける少女














カーン

カーン


カーン







閉まった踏切の前で少女が立っている。
すると、坂の上から勢いよく降りてくる自転車。
乗っているのはショートカットの髪の女の子。
しかし、様子がおかしい。
少女は気がついたように振り返り、一歩踏み出す。
あと数十メートルで踏切にたどり着いてしまうというのに
一向にスピードの落ちない女の子の乗る自転車、
少女は手を伸ばし、無造作にその自転車の迎えた。
ものすごいスピードの自転車の籠を掴んで
その行動はまるで自転車を止めるかのようだった。
回りの踏切待ちの人も
そして当の自転車に乗っている女の子でさえも
その少女の行動に目を見開いた。

ギーギィギィ

数十秒後、自転車が変な音をたてて止まった。
少女は籠を掴んだまま、スピードで押された体制で
下を向いたまま、ふぅーっと長く息をついた。
その行動に肩まである黒い髪がゆれる。
少女はゆっくり確認するように一本一本籠から指をはずし、
そして、下げていた顔を上げ、女の子を見た。

「大丈夫?」

その言葉に女の子は慌てたように
大丈夫だと返すと、ありがとうと言った。
少女はその言葉に、
そう、よかった。と微笑んだ。























これでもう、あなたはどこにもいなくなってしまったけど、
私はあなたを 忘れないわ。



ナナナ

My追加