いきいき定点観測記
Katsura



 まごころを、君に。

続いていたとは驚きです。

今まで哲さん(とよばれてるんやで!)の、あの強烈なヴィジュアルで
おなかがいっぱいになってしまい、肝心のコンテンツを読む心の余裕が
無かったのですが、今回始めてコンテンツを全部読みしましたですよ。

日記は涙無しには読むことが出来ませんでした。
いや、決して今ルーマニア国旗の脅威がわが身に差し迫っているから、
ということではなく、絶望のコールタールの海を、見る影もない陸地に
向って、かすかな希望だけを胸にはいずっていかなければならない、
ある意味では社会の「真実」を目の当たりにしている春樹くんに、
感情移入しないわけにはいかなかったからでしょうか。
筋少好きだったことも、多分に影響しているのかもしれません。

ああ、悲しきダメ人間。
この世を燃やしたって、一番ダメな自分は残るぜ。

東京で融資関係の仕事をし、「俺は、過去を捨てた。」と語った兄。
春樹君の母の独白、そして葬式での騒動。哲さんの獣のような性。
絶望の淵に出会った民族の英雄と曾祖父の思い。春樹君は自分の
ルーツを辿り、時に向き合いながら、広島の熱い8月の夏へと
物語が集約されていきます。

「ナンバーワンにならなくてもいい もともと特別なオンリー・ワン」

一気に読み終わった後、父が死んだ日の、鮮やか過ぎる夕焼けを
思い返しながら、思わず口ずさんでしまいました。
マッキーはどんな気持ちで、あの曲を書いたのでしょう。



2004年01月14日(水)
初日 最新 目次 HOME


My追加