| 『ヒトミ』 |
キャラメルボックススプリングツアー第2弾。
ホントは、岡田さんも細見さんも出ないので、こっちはまあいいかと思ってたのですがチケットも取れたことだし、と気楽に出かけました。
えーと、キャラメルで最も再演希望の多い演目、というのは納得。 単純といえば単純なのですが、分かりやすくとてもいい話でした。悪人は一人もいない。 そして小川さんが大熱演……ホントに身体が麻痺してる方みたいで観ててドキドキしました。(しかしものすごい痩せてらっしゃった……前はちょっと細い、位だったのに、ちょっと痛々しい程痩せていらした……) 内容は、事故で首から下が麻痺して動かなくなってしまったピアノ教師であるヒロイン、ヒトミとその恋人である小沢を中心に話は進みます。 ヒトミは『ハーネス』という半導体を脊髄に取りつけることによって、身体を動かすことが可能になるのですが、いつしかハーネスがヒトミの身体を蝕んでいることが分り、それを取ることになるのです。しかしそれはヒトミが再び寝たきりで動けなくなってしまうということを意味します。 その時ヒトミはどうするか。恋人小沢はどうするか。というのがポイントといえばポイントです……端折ってますが。
小沢の言動は理想論でありキレイゴトだという意見が非常に多かったのは、事実だと思います。 けれども彼は結論を出した今も、本当は迷っている、瞬間瞬間を常に迷っていると思います。そしてそれでいいのだと思います。 『I LOVE YOU』を『我、汝を愛す』と訳した生徒に、かの文豪夏目漱石は「日本人はそんな不粋なことは言わないものだ。日本語では『I LOVE YOU』は『星がとってもきれいだね』と訳すのだ」と教えたそうです。 小沢がヒトミに「君を愛している」と言わなくても「世界のすべてを二人で感じよう」(ヒトミは全身を麻痺してますから、感触というものがない訳です。目を閉じたら、手を握ってくれてる小沢も自分自身も消える、それが恐い、と嘆くヒトミに「頬で空気を感じることはできるはずだ」と小沢は答える訳です。顔は感触があるので)と言うのが、小沢の『I LOVE YOU』な訳です。
でも私は、岩城医師がとても好みのタイプです。川原さん素敵だった〜!!
最近の読了本 『ななつのこ』加納朋子 駒子のキャラは、ありがちですがヒロインとしては珍しいかも。相変わらずこの方の書く男性キャラはとても好みですが、瀬尾さんはちょっと出来すぎなような……少女漫画っぽいなあ、このお話。いい意味で。
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2004年05月08日(土)
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