あなたが呼びかけてくれる声。耳に残っている甘やかな声。いま、何度も反芻するように思い出している。あれはいつの電話の時だったか、何かの拍子に会話が途切れたのか、あなたが呼びかけてくれたわたしの名前。そのとき、わたしは満たされていたのよ。いまも、また。