紀姫日常。

2014年03月05日(水) ありのままを

どんなにたくさんの本を読んでも、実体験でしか学ぶことができない。本や映画で知ることはできても、きっと学んではいない。

咄嗟に出てくる自分の哲学って、きっと今までの自分の実体験だけでできているんだろう。
器用な人はきっと本や映画で知ったことも自分の哲学のように語れるのかもしれないけど……私にはまぁ無理な話だ。

というのことを、昨日飲み会の中で感じた違和感を、その後見た失恋ショコラティエでそれがなんだったのか気付かされた。

本や映画、この場合はドラマ、それに他人の話というのは、その実体験が「なんだったのか」ということに気づかせてくれる道具なのかもしれない。
だから本や映画や他人の話に意味がないわけじゃなくて、実体験が「なんだったのか」を学ばせてくれる道具なんだと思う。

例えば実体験で「こんなことがあった。⚪︎⚪︎だと思った」というところまで理解したとして、それは主観でしか理解出来ない。本やら映画やらで似たような描写があって、そこには他人から見た「⚪︎⚪︎だと思った」が書いてある。それが共感できてもできなくても、「あのときのあれはそうだったのか」と客観的に確認ができる。

失恋ショコラティエは薫子8:えれな1.5:残り0.5:さえこ0の割合で共感しながら見ているのだけど、物語のキモは共感度0のさえこが握っている。今週の話で薫子さんが自分が本気の恋愛なんて何も理解していないことをさえこによって気付かされたのと同じ。昨日の飲み会でそんな話をしながら、私ってほんとわかってないよなーとしみじみ思った後だったのでグサリときました。
さえこが爽太をシャワールームで誘うシーンを見て、まじでこいつは可愛い皮をかぶったプレデターだ!エイリアンだ!と多少笑いながら思ったので、薫子さんがさえこに対して気持ち悪いと言っていたことと100%シンクロしました。でも、じゃあ自分は?って思うと、見た目が違うだけで立派にエイリアンなんじゃないかなって思いました。まぁ……爽太から見れば誰がエイリアンだって構いやしないと思うけど。でもそれが真理かな。

このドラマは爽太のバカっぽさと天然小悪魔のさえこさんのドタバタ、と見せかけて、本当は世の中にたくさんいる薫子さんみたいな人にスポットライトを当てる……というよりそういう人を炙り出そうとしてるんじゃないかな。
本気の恋から目を逸らしてる人へ。
キャッチーで、フジテレビらしい洒落たドラマなのに、毎回毎回刺さる部分が多すぎる!炙り出されてしまったよ。

知ってから実体験と照合するのもあり、実体験からフィクションで照合するのもあり。現実的に生活してると、みんながみんな、もちろん私も全部本当のことなんて言わないから、ドラマみたいに心の声が聞こえるものに気付かされたりするものですね。

自分の根源になるものってやっぱり実体験以外では補えないなって思いました。

冬ドラマは去年もはらちゃんがあったし、良いものに巡り合うなぁ。


 > 後  目次  先 >


紀姫 [MAIL]

My追加