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2003年02月05日(水) 世界が灰色になっても



中学生、という、一番繊細で傷つきやすい時期があることを
あたしは多分小学生の時には既に知っていて
だけどあたしは、泣いたりはしないと思っていた

一時期騒がれていた「17歳」、
あたし達はその年代とはまた違うのだけれど
あたし達はもっと幼くて、別の価値観を持っていたとしても
大人達にとって、あたし達はやはり
「ワケノワカラナイ」子供、というレッテルで1つに纏められている。
そういう意味ではあたしはその年代の人たちと対等で
同じ場所に、いるのかもしれない。

自分にとって強烈な想いのあるものがなければ、
14歳、という年代は越せないのだと想います。
だからこそあたし達は、縋ってでもそれを必要としていて。
世界を黒く染めても、それを手に入れようとしていて。
欲望を満たす事に、専念してしまう。
他人の血を見ても、あたしたちは、求めてるんだ。

「キレル」のではなく、異常なまでに求めてる。
狂気、なんだよ。

毎日の雑踏のナカで叫びたくなる衝動を抑え、
例え大声で笑っても、喋っても、馬鹿やっても、なにをしていても
心の中に大きな闇があることをあたし達は知ってる。
分かってるんだ。
必要なのは勉強なんかじゃなくて
あたし達が今、どうすればいいか。

常に考えているのは、「将来」っていう、未来の事で
その為に今何をすればいいのか、誰も教えてくれない
諦めている大人に何を言われても
そんな事はたいして頭には入っていなくて

年をとる、ということを、酷く恐れてる。
そのくせ、子供じゃないんだ、という気持ちもあって
だけど最後には子供だから、と甘える自分が酷く嫌い。

あたし達の縋りつく物が、幾重にも重なって
あたし達は「14歳」という年代でしか自分たちを慰められなくて
虚言や架空の世界が広がるナカで
同じく、縋りつく物を求めている人や
同じ物を心に決めた人たちと
架空の電子のナカで幾重にも重なって、重なって、重なって。
あたしたちは狂気という感情を覚え
それに恐怖するんだ。

消えれば楽な事を知っているけれど。
そんな事は出来ないという事も知っている。
だからあたしたちはゲームのように
自分達の「将来」を決められる架空の世界に逃げた。
そうして今と夢とか、現実と架空とかの区別がつかなくなって
崩壊していく。
高く積もった塵が、風に舞うみたいに。
些細な衝撃で、脆くも、全てが崩れ去る。

あたし達に必要なのはシュミレーションなんだ。

あたし達はいつかの「17歳」と同じ場所に居る。
そうして、「中学生」というまた別の場所で。
二つの場所が重なる所で、もっと揺れ動いてるんです。
高校生よりももっと繊細で、実は馬鹿みたいに傷ついていて
異様に脅えていて
逃げ隠れしては、本当の自分という物を見失っていく。

あたし達は本当に、なんだかよくわからないものをとても沢山抱えていて。
それを手放す事が出来ないまま
「将来」をシュミレートするのを止めていくんだ
諦めていくんだ
しんどくて、辛くて、放り投げていくんだ。

意味も無く楽しい事は、一時の幸せをくれるけれど。
同時に意味も無く寂しくなったり苦しくなって
泣いてしまう。

簡単に言葉を発する事が出来なくなってしまった。

あたし達は、回り全てを取り囲む「言葉」のなかで
つねにかっこいいものを探してる。
縋り付いてでも欲しい何かを。

この世界が例えば架空でも
あたし達には何の関係も無くて
例え世界が色を変えてしまっても
崩壊した塵の山が、元にもどることはないのだから、と。
諦めながら、進んでいくしかないという事を知っていて。

世界が灰色になっても黒くなっても。

夢から覚めることが無く、架空のナカで彷徨っているんだ。





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