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2003年04月22日(火) 死んでも構わない



ほんとにあたしはもういっぱいいっぱいで。
なんで今更こんな気持ちにならなきゃいけないのか。

帰りに自転車置場の前を歩くのはいつものことで。
そこまでは全然平気だった。
たにばがYちゃんを探すために必然的に立ち止まった。
あたしは何の意味も無いのに立ち止まらなければならなかった。
否、進む事は可能だったのだけれど、
“止まっていい?”と聞かれた場合、
あたしも立ち止まらなければならないとあたしが判断して、
あえて、進まなかった。
必然的に目に入るのはソフトボール部と野球部の練習風景。
意味があってそれらを見つめるのは容易い事。
けれどあたしは意味もなくそこに佇んでいて
どうしようもなく不安になった。
案の定、やっぱこの感覚だよ。
あの子の顔が頭から離れない。
とてつもなく野球馬鹿だったあの子を思い出さないわけが無いのに。
あの場から逃げようと思えばいくらだって逃げられたんだ。
それなのに馬鹿なあたしは進めなくなってしまった。
あたしを包む空気だけが循環しなくなる。
端からじわじわと過去がよってくる。
この感覚を味わうのはとても幸福。
でも其の後のこういう罪悪感や虚無感はきっと誰にも分からない。
動かないゼリー状の生温い空気が肌を包む感触も
過去で包まれることがどういうことかも
きっと誰にも分からない。
あたしは今夜きっと眠れない。
そういうのがどんなに孤独かも幸福かもみんな知らない。

あの子があたしにとってどれほどの存在なのかなんて
みんなには計り知れなくて。
あたしは決してそれを知ってもらおうだなんて思わない。
あの子との想い出はあたしが全て抱えて歩くんだ。
あたしは今でもあの子をこんなに愛している。
世界中で1番に愛してる。

どうしてこんな気持ちにならなくちゃいけないんだろう。
何も考えられなくなる。
嗚呼、前と同じだ。
コップを落としたあの時と同じ。
血が出た足も割れたガラスの破片も、あたしを呼び戻してはくれない。
あの子は酷く強い薬かお酒だ。
あの子なしじゃ生きてなんかいけないのに。
あの子は一枚も手紙をくれなかった。
電話も、メールも、一つも。
それが誠意だなんて言うなら間違ってる。
あたしは今でも待っているのに。

あの子がいてくれるなら、あたし、死んでもいいのに。




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