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2003年05月19日(月) あたしとあいつは駄目になった



あたしは、やっちゃんとちゃんと話をしようと決めました。
彼がそれを拒むならせめて手紙を出そうと。
そうして、ちゃんと決着つけて、失恋して、ちゃんと生きようと思った。

前にあたしが“すごい好きだ”と言った人とちゃんとお話をした。
あたしと彼は駄目になった。
何日か前に彼とお話をして、彼の好きな人がわかりました。
別の学校の人で、あの人はその子をとても好きだと言った。
一度フラれたけれど未だ忘れられないのだと。
あたしは“もう一度告白しなよ”なんて言えなかった。
なんだか酷くあの人の気持ちが分かった。
案の定彼は“今のままでは告白できない”と言った。
“甲子園に行くんだ”と。
“甲子園に行ったらもう一度告白する”って。
あたしは酷く泣きそうになった。
あんたはカッコよすぎる。
そんなのずるい。
あたしは未だちゃんとした告白もせずにいままでずるずる引き延ばして。
やっちゃんに彼女がいたくらいで泣いて。
あたしは凄い馬鹿だと思った。

あたしはあの人を好きなはずなのに“頑張れ”と言った。
とても自然に。
そういう自分にとても動揺してしまった。
なんとなくは分かっていた。
やっちゃんしか愛していない事は分かってた。
けれど“好きな人”ぐらいは作れると思ってた。
でも実際に“好き”だと思い込んでいた人は
恋愛対象としてじゃなく友情としての“好き”だったことに対して
凄く虚しかったし、悲しくなった。
でもそれは喜ぶべき事で、あたしは一瞬涙が出そうになったけれど
こらえて話の続きを聞いた。
とても幸福な気持ちで。
1人の友人としてあの人と対等に並んで話した。
初めてそうやってちゃんと話をした。
好きだと思ってたのに好きじゃなかった。
ちゃんと告白しようと思ったのに、あたしはあの人を好きじゃなかった。
けれどだからこそ今までしっくりこなかった部分が
ちゃんとしっくりくるようになって、
友人として話を聞く事が出来た。
あの人はとてつもなく強くて、一途だった。
人間として恐ろしく負けている。
あいつの愛し方はあまりにも潔すぎる。
あいつはすごい。
あたしはあいつと話をしていてわかった事が沢山あった。
たくさんのものを手に入れた。
“甲子園に行く”と言ったあいつに、あたしは“留学する”と伝えた。
今まで夢なんて語った事が無かった。
そうやって普通のことを自然に話ができる関係になった事が
とても満足だった。
だから“好きだ”とは伝えなかった。
あいつにわざわざそんなこと伝える必要がなくなった。
あたしの心のナカでちゃんと区切りがついた。
あたしは成長していないように見えて成長していた。

そうしてあたしの一方的な思い(というか勘違い)は終わった。
あたしとあいつの微妙な関係は駄目になった。
けれどとても大切な友達になった。

そうしてあいつにやっちゃんのことを話した。
やっぱり告白すべきだとあいつも言った。

だからやっちゃんとちゃんと話をしようと思う。
対等な友達としてあたしもあいつみたいに潔く愛したい。
あいつと話をしていて、あたしは大きく変わった。
友達と思えるまでやっちゃんとは会わないと思っていたけれど
あたしは今とてつもなくやっちゃんに会いたい。
一方的に愛すのは自由なんだよ。
ずっと前からやっちゃんのことは愛していたけれど
小さかったあたしはちゃんとやっちゃんと友達だったんだ。
だからきっとあたしが一方的にあの子を愛していても
あたしはやっちゃんと良い友達になれると思う。
そうして一緒に飲みに行ったり、散歩に行ったりするんだ。

あいつと本音ぶちまけて沢山話して、
夢とか恋愛とか語ってて普通にそう思った。
友達に戻る事ってそんなに難しくない。
あいつと友達になって、すげぇ良かったと思う。
こんなに素直に本音ぶちまけたのは久しぶりだった。
あいつと友達になれた事で
やっちゃんと友達に戻れるような気がした。

やっちゃんに告白して、失恋して、前進する。
そうしてあいつみたいにちゃんとまっとうな恋愛をする。
例えやっちゃん以上に愛しい人が見つからなくても
せめてやっちゃんと同じくらい別の人を愛せるようになれたら良い。
そうやってあたしは成長していくのだと思う。




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